ウンマの歴史とジハードとは? わかりやすく解説

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ウンマ(イスラーム共同体)の歴史とジハード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 22:18 UTC 版)

ジハード」の記事における「ウンマイスラーム共同体)の歴史ジハード」の解説

イスラームとならび「世界宗教」と称される仏教キリスト教比較した際の、イスラーム教だった特徴としては、政教一体の宗教共同体存在あげられる。この宗教は、単なる個人的内面的な信仰体系というにとどまらず、むしろひとつの確固たる共同体そのもの、ないし共同体的生活の全体なのであり、また、それを支え固有の法律政府社会制度内的に規定しているのである。そして、預言者としてムスリム指導したムハンマドは、ユダヤ教キリスト教預言者宗教指導者にもまして、「神の道」にもとづく理想の国ウンマ建設しようという情熱意欲満ちあふれていた。 「ジャーヒリーヤ時代」(無知時代無明時代)すなわちイスラーム成立以前アラビア半島では、それぞれの部族は、血縁にもとづく連帯意識強弱各部族命運左右しており、人間欲望にもとづく闘争(キタール)が繰り広げられていた。しかし、それはきびしい砂漠気候のなかでは自殺行為であったイスラームは、この連帯意識血族意識基本したものから「アッラーへの絶対帰依」という超血族意識根幹したものへと変革させたのであり、その変革試み成功したために世界宗教として歴史表舞台登場したということができる。血族的でない連帯意識支えた信仰生活」そのものは、血族意識くらべればきわめて曖昧なものであり、それゆえ唯一神アッラーから「六信五行」というシステム平等に受け、日月時間さえも同一にして、見えるかたちでの連帯意識同胞意識醸成毎日はかることとしのであるジハードとは、こうして形成され宗教共同体守ろうとする実践的な営為のであるイスラーム共同体歴史は、それゆえムハンマドの時代から現代にいたるまで、『クルアーン』のジハードに関する教えをその枠組みとして見てゆくことができる。『クルアーン』第49章「部屋の章」15節 には、 本当に信者とは、一途にアッラーとその使徒信じる者たちで、疑いを持つことなくアッラーの道のために、財産生命とを捧げて奮闘努力する者である。これらの者こそ真の信者である。 とあり、「ジハード」とはしたがってムスリムあるべき姿述べたイスラーム代表的な言葉でもある。 『クルアーン』におけるジハード教えは、ムスリム人びと自己認識、そして、唯一神アッラーを敬う心、共同体動員拡大防衛などの諸点において、根本的に重要なのである。それは、ひとりの人間として善き人生を送ることは決し容易なことではなくまた、決し単純なとでもないという認識思念に関わってくるからである。「神の道」にかなうような、道徳的高潔な人となるためには、自らの内面潜む悪と戦い善行によって社会改善資するよう、真剣に奮闘努力しなければならない。 それにまた、ジハードは、その人置かれ環境によっては、不正や抑圧対す戦いという意味をもつこととなり、宣教説得によって、また場合によっては、必要に応じて武器をとり、「聖なる戦い」を繰り広げることによって正し社会をつくらなければならないという考え結びつくのである

※この「ウンマ(イスラーム共同体)の歴史とジハード」の解説は、「ジハード」の解説の一部です。
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