ウェーバー条項とは? わかりやすく解説

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ウェーバー条項

読み方うぇーばーじょうこう
【英】: waiver clause

(1) 権利放棄waiver)とは、契約に基づく債権不法行為に基づく損害賠償請求権放棄することを意味する権利放棄形態には、明示的放棄express waiver)と黙示的放棄(implied waiver)の 2 種類がある。契約上、一方当事者が、他の当事者による契約条項違反追及することをなんらかの事情により放棄したとしても、このような特定の放棄が、それ以外将来違反対す求償権までをも放棄するものではないことを契約上明記しておくことが多い。これは、上記黙示権利放棄推定回避するためである(契約書におけるこの条項をウェーバー条項という)。
(2) 上記 (1) とは別の概念で、国家主権免除sovereign immunity)の特権契約放棄waive)させておく場合がある。sovereign immunity とは、国家外国裁判権統治権服することから免除される国際法上原則である。例えば、国家外国法人対し鉱物資源探鉱開発に関するコンセッションなどを与え行政契約では、当該契約における裁判管轄権規定かかわらず現地政府公益その他、国内法適法なかぎり主権行使としてその一方的破棄権利を持つ。この概念には絶対免除主義と、国家公法行為のみ主権免除認められるという制限免除主義2 種類考え方があるが、最近では、制限免除主義次第に有力になってきている。また、sovereign immunity具体的内容については、各国それぞれ法律定めている(例:米国では Commercial Transaction Act英国では State Immunity Act )。石油契約においても、例え融資買油契約において、借入れ側が国家あるいは国家機関国営石油会社など)である場合には、借入れ側に sovereign immunity をあらかじめ放棄waive)させ、国際法あるいは当事者自治原則に従う旨、契約上明記しておく必要がある

ウェーバー条項

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/23 08:47 UTC 版)

ウェーバー条項(ウェーバーじょうこう)は、1948年に発足したGATT(関税および貿易に関する一般協定)の25条第5項を指す。

この条項は、GATT加盟国の3分の2以上の多数決により、加盟国の義務を免除するものである。この条項により義務免除を認められた実例は、数多くある[1]。しかしその多くは途上国への特恵関税であるとか、一時的な措置である。そのなかで米国が農業調整法に基づく輸入制限について受けたウェーバーは、適用範囲が農業調整法の対象とされ、米国の法改正により際限なく拡大が可能であり、かつ期限も無期限とされるなど、内容がはなはだしくGATTの原則を逸脱するものであった。

WTO協定におけるウェーバー

WTO協定においても義務免除の規定がある(第9条3)が、必要な多数決が4分の3に引き上げられるとともに、1年を超える場合は毎年の見直しが義務付けられ(第9条4)、規律の強化がされている。

出典

  1. ^ 津久井茂充(1997) WTOとガット 日本関税協会 PP715-718 に一覧がある。



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