アメリカのタコス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 01:29 UTC 版)
現在のアメリカで一般的に「タコス」と称されているものは、1940年代の後半に発明されたハードタコ(Hard taco / Hard-shell tacos)である場合が多い。 ハードタコはトルティーヤをU字型に折り曲げ、トスターダのように油で揚げた硬いタコシェル(taco shell)に味をつけて炒めた牛挽肉、レタスの細切り、トマト、おろしチーズを隙間に詰めて食べる。タコシェルは大量生産の既製品が普及しており、アメリカの至るところで食べることができる非常にポピュラーな料理であるが、ピザなどと同様にアメリカ料理のひとつとして定着しているために本場のタコとアメリカ生まれのタコが異なることを認識していないアメリカ人も多い。スーパーマーケットでは、タコシェルと肉用の調味料、サルサをセットにしたタコキットを買うことができる。 また、ハードタコに呼応する形で広まったソフトタコ(soft taco)は、ブリートなどに用いられる小麦粉のトルティーヤ(フラワー・トルティーヤ)にハードタコと同じ具を包んで食べる。北米では一般にコーン・トルティーヤはハードシェル、フラワー・トルティーヤはソフトシェルと認識されている。ソフトタコはブレックファスト・タコとしてタコ店以外のレストランやファストフードチェーン店のメニューにもみられ、スクランブルエッグやベーコン、ハムなどメキシコではあまり用いられないアングロアメリカ定番の朝食の具材と組み合わせられることもある。 メキシコ生まれの移民が経営するレストランでも、アメリカ式タコを提供しないと経営的に成り立たなかったこともあり、本場のタコを提供せずに、ハードタコが「本格メキシコ料理」と称してメニューに並べられたことも少なくなかった。しかし、メキシコからの移民が増加し彼らの経済的、社会的影響力が増すと、本場のタコの需要が生まれ、具の多様性ではメキシコに及ばないもののメキシコで提供されるタコと大差ないものがアメリカ国内でも味わえるようになってきている。 タコのバリエーションとして、水分を多めにしたトルティーヤ・マサを薄く伸ばして高温の油で揚げてふくらませたパフィ・タコ(puffy taco)や、アメリカインディアンの薄い揚げパン、フライブレッド(英語版)にタコの具をのせたインディアン・タコ(ナバホ・タコ)などがある。インディアン・タコは、しばしばパウワウなどインディアンの文化に関連した催し物の会場で食べることができる。また、カリフォルニア州では昔から、直径15cmくらいのトウモロコシのトルティーヤを揚げ、肉(牛挽肉、細かく裂いた牛肉、鶏肉、豚肉など)、チーズ、レタスとトマトなどを詰めたカリフォルニア・タコが食べられていた。トルティーヤで肉を包んでからタコスを揚げることもある。カリフォルニアのスーパーマーケットでは、よくカリフォルニア・タコ用の大きめのトルティーヤが売られている。 また、アメリカ合衆国でタコスから派生した料理に、器型に成形して揚げたフラワー・トルティーヤにレタス、トマト、タコミート、フリホレス、サワークリーム、チーズを盛りつけたタコサラダがある。 テクス・メクス風のタコス ハードタコ インディアン・タコ パフィ・タコ タコサラダ
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