幻覚や妄想、挙動不審、意欲の欠如などの症状を伴う病気で、本人が病気であることを自覚していません。罹患率も平均100人に1人と高く、思春期から青年期に初発する場合が多いです。精神機能の統合が乱れている状態を指し、以前は「精神分裂病」とも呼ばれていました。
統合失調症は、妄想や幻覚が主体の妄想型、感情や意欲の障害が主体の破瓜(はか)型、興奮と昏迷が主体の緊張型の3つに大きく分類されます。
また、症状は「陽性症状」と「陰性症状」に分けられます。陽性症状には、幻覚や妄想だけではなく、会話や行動にまとまりがなくなったり、突然興奮して叫ぶなどの症状があります。反対に陰性症状には、周囲に無関心になったり、意欲や集中力が落ちるといった症状があります。これらの症状は、周りからは理解が得にくく、怠慢などのさまざまな誤解を受けることがあります。
統合失調症の原因は、一説では脳の神経伝達物質のバランスが崩れて混乱することが関係しているとも言われていますが、今のところ明らかにはなっていません。
治療には個人差がありますが、主に抗精神病薬による薬物療法を行います。抗精神病薬を飲んで妄想や幻聴などが消えたとしても、勝手に飲むのをやめると再発のおそれが出てくるので、継続して治療する事が大切です。その他、精神療法やリハビリテーションなども活用することで日常生活にもどれるようにします。
とうごうしっちょう‐しょう〔トウガフシツテウシヤウ〕【統合失調症】
統合失調症(とうごうしっちょうしょう)
妄想や幻覚などの主観的な症状が現れ、感情や行動に影響を与える精神病のひとつ。現実との接触を避けるようになり、周囲との自然な交流がうまくいかないことがある。
主に10歳代後半から30歳代半ばまでの青年期に発症し、病状は慢性的に推移する。もともとは、「暑い」という言葉から「太陽」を連想することができないような分裂状態のことをいい、脳における神経伝達物質のバランスが崩れて発症すると考えられている。
発病にいたるまでの詳細はまだ知られていないものの、治療薬の投与などによって、半数以上の患者は社会復帰が可能な状態まで回復すると言われている。
これまでの長い間、「精神分裂病」という名前が使われてきたが、この病名だと、精神全体が分裂しているとの誤解を招き、患者に対する差別や偏見を助長する面があった。そこで、日本精神神経学会は、ラテン語名をカタカナ表記した「スキゾフレニア」、研究者の名前にちなんだ「クレペリン・ブロイラー症候群」、そして正常な連想ができないという意味の原語を正確に翻訳し直した「統合失調症」の中から、一般公募で新名称を決定した。
△日本精神神経学会
△全国精神障害者家族会連合会
△統合失調症メーリングリスト
(2002.01.21更新)
統合失調症
別名:精神分裂病
統合失調症
とうごうしっちょうしょうと同じ種類の言葉
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