【Tu-22M】(てぃーゆうにじゅにえむ)
旧ソ連のツポレフ設計局が開発した、中距離戦略爆撃機。
NATOコードは"Backfire(バックファイア)".
本機は、ペイロードが少なく、航続距離も短かったTu-22の改良型として開発に着手された。
1968年8月に最初の可変翼試作機である"航空機145(サモリョート145)"が初飛行し、Tu-136の名称が与えられた。
主な型式として、試作型のTu-22M0及び量産先行試作機のTu-22M1、初期量産型のTu-22M2、エンジン強化型のTu-22M3がある。
量産型であるTu-22M2は広範囲にわたり再設計が行われた。
主翼を延長し、胴体断面積を拡大したほか、エンジンはNK-22ターボファン2基に変更し、F-4のようなインテークが取り付けられ、着陸装置も一新された。
兵装にはKh-22「ラドゥーガ(AS-4"キッチン")」対艦ミサイルを搭載する。
改良型であるTu-22M3では、新型の「レーニネツ」PN-ADレーダーやNK-45航法・射撃統制システムを搭載し、エンジンがNK-22からNK-25に換装され、インテークもMiG-25に似たくさび形に変更された。
そのほか、Kh-15(AS-16「キックバック」)空対地ミサイルを搭載するために、機体内部に回転式ランチャーを設置するための準備工事がされている。
1993年の製造終了までに493機が生産され、ウクライナやベラルーシにも輸出されたが、ウクライナでは2004年~2006年にかけて退役している。
スペックデータ(Tu-22M3)
乗員 | 4名(操縦士、副操縦士、爆撃手、防御システムオペレータ) |
全長 | 39.60m |
全高 | 11.05m |
翼幅 | 34.28m(展開時(20度)) 23.30m(後退時(65度)) |
主翼面積 | 140.0㎡(主翼展開時) 165㎡(最大後退時) |
空虚重量 | 54,000kg |
全備重量 | 124,000kg |
最大離陸重量 | 130,000kg |
発動機 | クリーモフ NK-25ターボファン(出力245kN(A/B使用時))×2基 |
最高速度 | マッハ2.05 |
航続距離 | 10,741km(爆弾倉内に増加燃料タンク搭載時) 8,000km(爆撃任務時) |
戦闘行動半径 | 810~1,000nm(Hi-Hi-Hi、兵装12,000kg、超音速時) 810~900nm(Lo-Lo-Lo、兵装1,2000kg、亜音速時) 1,300nm(Hi-Lo-Hi、兵装12,000kg、亜音速時) 1,188nm(Lo-Lo-Lo、兵装最大、亜音速時) 2,160nm(機内燃料のみ) |
実用上昇限度 | 13,300m |
上昇率 (海面上) | 6,100m/min |
兵装 | 固定武装にGSh-23 23mm連装機関砲×1門(尾部) 主翼・胴体パイロンおよび、内部爆弾倉に最大24,000kg(通常は12,000kg)を搭載可能。 Kh-22(AS-4「キッチン」)×1発 Kh-15P(AS-16「キックバック」)×6発(爆弾倉内ロータリーランチャー) Kh-15またはKh-27(AS-12「ケグラー」)×2発(主翼パイロン) Kh-31A/P(AS-17「クリプトン」) Kh-35(AS-20「カヤック」) 通常爆弾各種(FAB-150/-250/-500)×12発等 |
派生型
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