つく米(若桜町)
出展:日本の棚田百選 |
基 礎 諸 元 | 平均勾配 | 団地面積 |
1/5 | 4.36 ha |
維持・保全・利活用状況 |
国定公園山麓の標高約800mの位 置にある畦畔の多くは石積みでつくられた美しい棚田であるが、高齢化、担い手不足により道水路の維持管理を行う集落の共同作業は困難となり、また、耕作放棄地の増加により周辺農地への悪影響や景観の悪化さらには、営農意欲の減退が懸念される地域である。 そこで、本集落は、耕作放棄地を営農できる農地に復元して、景観作物(ひまわり、コスモス、ラベンダー等)を植え、美しい棚田を復活しようと平成10年度に棚田の保全組織を結成した。平成10年10月には、早速県の派遣した「棚田保全ボランティア隊」と集落とが共同で、耕作放棄地の草刈り作業を実施し、作業後にはボランティアとの交流を深めた。 今後も、この美しい棚田を守っていくため、ボランティアとともに耕作放棄地の復元作業や道水路の維持管理作業を行っていくこととしている。また、この棚田保全活動をきっかけにして、隣接する自然体験施設「氷ノ山ふれあいの里」と連携して訪れる都市住民との交流を進め、棚田を体験農園として活用したりオーナー制等の導入を検討するため、本年度はそのために必要な集落リーダーの育成や検討会の結成をめざしている。 |
推薦項目 | 景観 |
推薦理由 | 景観:農地の少ない標高の高い山地で切り開かれた棚田は、氷ノ山の上から眺めるとその形状は美しく、氷ノ山を訪れる人々の心を和ませる風景となっている。明治以前に開墾されたこの棚田は、先人たちの労苦により下流の谷から運び上げた雑石により積まれたものであり、一度崩壊すれば決して復元できないようなみごとな石積みが施されている。昨年10月に耕作放棄地の草刈り作業を行ったところ今まで隠れていて見ることのできなかった石積みが現れ、先人の苦労が偲ばれた。 |
棚 田 の 概 況 | 枚 数 | 100 枚 | 水 源 | 河川(渓流含む) |
事業導入 | 有 | 法面構造 | 土羽・石積 | |
開発起源 | 近世(戦国~江戸時代) |
営 農 の 状 況 | 対象農家数 | 18 戸 | 10a当収量 | 210 kg/10a |
戸当り営農規模 | 0.28 ha/戸 6 枚/戸 | |||
高付加価値農業 | 国定公園氷ノ山ふれあいの里を訪れる人々との交流を深めるため、高地にある棚田を活かして高冷地野菜、景観作物、ハーブ等の栽培の導入による体験農園の整備を検討している。 |
特記事項の有無 | 県では、棚田保全活動を積極的に支援していくため、平成10年9月に「棚田ファンクラブ」を全国に先駆け設立し(現在会員数293名)、棚田保全活動を通 して、創意工夫により集落活性化を図ろうとする集落に対して、都市住民等から募集した「棚田保全ボランティア隊」の派遣を開始したところである。本地区は派遣地区であり、積極的な集落である。 |
(注:この情報は平成11年のものです)
固有名詞の分類
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