それでも「綿ふき病」はあったとは? わかりやすく解説

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それでも「綿ふき病」はあった

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 16:51 UTC 版)

綿ふき病」の記事における「それでも「綿ふき病」はあった」の解説

N農婦田尻医院入院してから30年以上が経過し岡山大学附属病院退院から数えて20年以上が経過した1988年昭和63年)、増田陸郎は綿ふき病についての知見をまとめた『綿ふき病始末記、それでも綿ふき病はあった』と題した論文日本医事新報寄稿した。この論文は上、中、下、と3回わたって新報掲載され合計12ページに及ぶもので、発見から30年以上が経過し綿ふき病」の名称も忘れられこのまま風化してしまうことを憂慮し増田が、N農婦人権回復と、主治医であった田尻の名誉回復労を取りたい願い出て実現したものであった当初から検診検証携わった田尻赤木から顕微鏡写真膿瘍切開データ等貴重な資料の提供協力があったものの、本音言えば2名とも綿ふき病の「ワ」の字も語りたくないというのが実情のようで、綿ふき病携わった当事者苦悩数十年を経た今もなお残っており、その精神的な苦痛は相当なものであったのだろうと改め増田感じた綿ふき病興味本位騒がれ一部学者詐病したため医学雑誌では真面目に取り上げようとしないのが現実で、田尻赤木当初意図したような学問的な軌道に乗ることはなかった。また、医療関係者でない中立的な立場として、農学者である二国企図した総合研究立ち消えとなってしまった。 田尻医院訪れN農婦創口から綿の排出目撃した医学者以外の第三者複数人いるのに、この人たちは口を閉ざして多く語ろうとはしなかった。なぜならば診断治療医師のみに許される行為だからであって、「詐病」と判定されしまえば、他分野学者にとってそれは不可侵領域学者同士不文律のようなものだからである。新し事実確定するまでには多く誤解生じるのは仕方ないが、綿ふき病が「疾病であろうが「何らかの現象であったとしても、純粋に「ある」or「なし」の決定は、あらゆる懐疑的な先入観排除した自然観察だけで事足りるはずなのに、綿ふき病出発点段階止まってしまい、学問になり得なかったのである田尻増田から日本医事新報への論文寄稿の話を聞くと、資料類の提供だけでなく、近隣に住むN農婦の元を訪れ治癒痕の写真撮影申し入れ撮影され治癒痕の写真増田元へ資料として提供された。撮影が行われた1988年昭和63年)、N農婦は既に74歳高齢になっていた。 「Nさん、申し訳ないが、又キチガイだの詐病だのというものが居るので、そのあかしを立てるために、今一度写真とらせて貰えないか」と頼んで病院につれて来て瘢痕の部をはっきりさせるために、水性マジック瘢痕塗って居る時「私はもうこの病気のことにはふれたくありません」と言葉少な語った一言に、一時綿ふき病のワの字を言うのも嫌になっていた(今も何となく嫌です)私は、「そう、私も全く同感じゃなー」と相槌打ったが、十年歳月何度死線彷徨迄して悪戦苦闘した揚句詐病と迄言われ感無量二人でした〔ママ〕。 — 『おわりに』。1988年 田尻保より増田陸郎へ宛てた手紙田尻からの手紙を受け取った増田2人に対して申し訳なくなり、論文末尾で、…以上、作州寒村奇病に耐えて生き残った貧し農婦・Nさんと、献身的にこれを救った田尻博士のことを記し誇りある二人物語美し医学ロマンとして語り継ぎたいのである。… と結んでいる。

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