さんぺいせんとは? わかりやすく解説

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さんぺい‐せん【散兵線】

読み方:さんぺいせん

敵弾による損害避けるため、散兵形成する戦闘線。


【散兵戦】(さんぺいせん)

兵を、少人数基本単位とする多く分隊分けて個別行動させる戦術
ヒットアンドアウェイもしくは浸透企図する場合適する。

個々分隊少人数であるため各個撃破されやすいが、他の分隊相互に囮として機能する
これによって流れ弾死傷する可能性激減し最終的に多く人員生存させる事ができる。

反面自軍戦力分散させる事になるため、戦線膠着状態に陥った場合明白に不利となる。
奇襲後に撤退できる場合はまだしも、正面から戦う場合はより多く火力集結させた側が勝つのが道理である。
その場関与できない兵士火力機能しないので、大規模な強襲を受ければ各個撃破され戦線崩壊させやすい。

また、作戦責任者からの指揮統制徹底できない関係上、戦況不利な場合士気を保つのが難しい。
そもそも「不利を悟って勝手に撤退敵前逃亡する分隊」の存在許容しなければ生存性という有利は保てない。
このため斥候先遣隊要塞など、部隊単位勝手に行動する事を半ば前提とする部隊は散兵戦に特に適する。

人類史全体通じて戦争そのもの決着させるための主力部隊が散兵戦を展開した事例はほとんど見られない
暴漢囲んで棒や拳で叩いた殴ったりする事から、現代戦爆連合編隊飽和攻撃に至るまで、戦術基本十分な戦力集結させる事である。
散兵戦は防御に際して敵の戦力集中させないための戦術であり、防御の後には戦力集中させて反攻に出なければならない
よって普通、散兵戦は主力強襲好機を得るまでの前哨戦として、または強襲途中で好機作るための囮として実施される

近年では、機甲戦力で劣る勢力が、小規模な歩兵によるアンブッシュ前提の散兵戦(ゲリラ戦)を常套戦術をする事が多い。
大国であっても遭遇戦などで増援部隊との集結不可能な状況置かれ時にはゲリラ戦余儀なくされる

「散兵戦」の範囲と解釈

上記解説に際して集結」「分散」という言葉用いたが、この二つ単語戦術的な定義は時代を経るごとに変化する

古代戦争で、司令官から数km離れた場所に配置されていたなら、その部隊間違いなく分散」していると解釈してよい。
しかし、現代戦闘機ウィングマンと数kmの距離を置いている状態は「集結」と表現して差し支えない
歩兵に関しても、無線連絡取り合いながら同一軍事目標目指し進軍する状態は「集結」と表現できる

特に第二次世界大戦以降戦力の「集結」「分散」の概念曖昧模糊として捉えがたいものとなっている。
車両航空機発達などにより)機動力C3I加速しアウトレンジ攻撃常態化したため全ての兵科状況に応じて散兵戦を展開し、あるいは集結する事を求められるためである。

戦力集結分散そのもの容易になった反面短時間状況把握極めて困難になっている。
戦力集結しているか分散しているかの判断現代でも指揮官参謀主観に負う所が多く、その判断はしばし誤ったものとなる。



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