さまざまな座布団
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 20:06 UTC 版)
控え座布団 大相撲で関取が土俵下に控える時に使う座布団。幕内力士は専用の控え座布団を持つことが認められており、鮮やかな色の下地にはそれぞれの四股名が染め抜かれている。特に厚めに設えられた「夫婦判」(いちばん大きい型)を使い、これを二つ折りにして座るのが伝統。十両力士及び十両土俵入り後の取組に登場する幕下力士(幕下上位五番・十両力士と対戦する幕下力士)は共用の座布団となり、十両土俵入り前の取組に登場する幕下以下の力士は畳に直座となる。 座布団の舞 大相撲で横綱が格下の力士に負けたときに、横綱への落胆と勝った力士への称賛の意味を込めて、桟敷席(升席)の観客が座布団を土俵に向かって投げる行為。以前は金星を提供してしまったときのみにこれが見られたが、最近では三役に負けてもほぼ例外なくこれが起るようになった。また、ごく稀に逆に横綱が勝って座布団を投げられた例もある。ただし、人に当たる危険を防止するため公には禁止され、たびたび場内アナウンスもされ、九州場所が開催される福岡国際センターでは投げ飛ばせないように二人分を連結した座布団が使用されている。 高座の座布団 落語で、最も簡略にして最も大切な舞台装置が、高座の中央にぽつんと置かれた座布団である。噺家が大きい仕草を交えた語りをしても安心して座っていられるよう、高座の座布団にも一番大きい「夫婦判」が使われている。 「大喜利」の重ね座布団 長寿番組『笑点』(日本テレビ)の中でも人気のコーナーが、設問に対して噺家が機智に富んだ回答で笑いの妙を競う「大喜利」。秀逸な回答をした者に得点のかわりに与えられるのが座布団で、これを10枚獲得すると豪華賞品がもらえる。逆に下らない回答をすると座布団を取り上げられる。10枚重ねた上に座っても倒れてしまうことがないよう、この座布団には薄めでしかも重めに特注したもの(中綿が通常の倍近く詰められ、さらに小さな座布団を1枚入れている。このため新品でも1枚2キロ。使っていくうちに湿気を吸って3キロ近くなる)が使われている。大きさも安定性を増すため67cm×77cmと通常の「夫婦判」より横幅が長く取ってある。なお、派生番組(『BS笑点』『笑点Jr.』→『笑点 特大号』)で行われる若手大喜利では、一回り小さいものが使用される。 この番組の浸透のため、一般の会話でも面白いことを言うと「山田君、座布団1枚!」等の表現を見ることがある。
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