かわかみ おとじろう

デジタル大辞泉

かわかみ‐おとじろう〔かはかみおとジラウ〕【川上音二郎】

読み方：かわかみおとじろう

［1864〜1911］俳優。福岡の生まれ。浮世亭〇〇(まるまる)と名のって自由民権論を鼓吹する、おっぺけぺえ節を歌い、寄席の人気者となった。のち川上書生芝居（新派劇の前身）を興し、妻の貞奴(さだやっこ)とともに欧米を巡業し、西洋演劇を日本に紹介、明治新演劇運動の先駆者となった。

国立国会図書館蔵

近代日本人の肖像

川上音二郎 かわかみ おとじろう

• 写真1：幕末・明治・大正回顧八十年史. 第8輯
• 白黒 ; 6.9×4.8cm

元治元年1月1日～明治44年11月11日（1864～1911）

福岡生まれ。俳優。14歳で上京、放浪生活の末、自由党壮士となり自由童子を名のる。自由民権運動に対する取締りが厳しくなると大阪で落語家桂文之助に入門し、浮世亭○○と名のり、時事を風刺したオッペケペ節で人気を得た。明治24年(1891)川上書生芝居を旗揚げし、26年(1893)渡仏、翌年帰国後戦争劇「壮絶快絶日清戦争」で大成功をおさめ、新派劇発展の基礎を固めた。29年(1896)神田に川上座を開場、32年(1899)女優で妻の貞奴とともに一座を組織して欧米を巡業し、帰国後翻訳劇を上演した。のち俳優を引退、興行師となった。

キーワード	芸術家
号・別称等	歎水

著作等（近代デジタルライブラリー収載）

1. 俳優泣せ松操藤の仇浪 / 川上音二郎（歎水）著 岡安平九郎, 明24.12 <YDM88919>
2. 薔薇の花 / 川上音二郎口演 ; 山田都一郎速記 駸々堂, 明26.11 (講談速記 ; 第4集) <YDM98017>
3. 自由の妹と背 / 川上音二郎口演 ; 丸山平次郎速記 駸々堂, 明27.8 <YDM98014>
4. 川上音二郎欧米漫遊記 / 金尾種次郎著 金尾文淵堂, 明34.2 <YDM74804>
5. 川上音二郎貞奴漫遊記 / 金尾種次郎著 金尾文淵堂, 明34.4 <YDM74805>

（注：この情報は、国立国会図書館ホームページ内の「近代日本人の肖像」の内容を転載しております。掲載内容の複製については、国立国会図書館の許諾を得る必要があります。）

美術人名辞典

川上音次郎

読み方：かわかみ おとじろう

明治期の俳優・興行師。新派劇の祖。福岡県生。名は音吉。初め浮世亭○○の名で寄席に出、オッペケペ節を案出、自由民権思想の普及に努め、明治24年状士芝居（新派劇）を興じ歌舞伎に対抗。東京神田に川上座、大阪に帝国座を建設した他、海外巡業なども行った。明治44年（1911）歿、47才。