いづも屋百貨店とは? わかりやすく解説

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いづも屋百貨店

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/19 13:55 UTC 版)

いづも屋百貨店
IDUMOYA
店舗概要
所在地 新潟県上越市本町5丁目[1]
開業日 1927年(昭和2年)[2]
閉業日 1985年(昭和60年)2月20日[3]
商業施設面積 5,400 m²[1]
最寄駅 JR信越本線高田駅 (新潟県)
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いづも屋百貨店(いづもやひゃっかてん)は、かつて新潟県上越市にあった日本の百貨店である。

歴史・概要

1920年(大正9年)に新潟県高田市(現在の上越市)でいづもや呉服店として創業したのが始まりである[1]

1927年(昭和2年)にいづも屋百貨店として新潟県下最初の百貨店を開業した[2]

上越地方を代表する商店街となって高田の銀座と呼ばれた[4]本町3-5丁目で、屋上遊園地映画館『いづも屋劇場』(1957年(昭和32年)1月1日開場[5]し、1962年(昭和37年)8月28日に廃業[6])を併設した店舗はその中心的な存在として大いににぎわった[7]。上越地域初のエレベーター(1960年(昭和35年)4月設置)やエスカレーター(1963年(昭和38年)4月設置)を設置し、当時の人々は列をなして驚嘆した。昭和30年代から40年代の盆暮れなどは入場規制がかかるほどの繁盛ぶりであった。

しかし、1974年(昭和49年)11月に長崎屋高田店が本町5丁目に、翌年1975年(昭和50年)7月に大和が本町4丁目に進出して競合が激化した結果[1]1969年(昭和44年)に建てた新館が大きな負債としてのしかかったため、1976年(昭和51年)8月17日に大手スーパーマーケットのジャスコ(現在のイオン)と業務提携してその傘下に入った[8]。その後も店名は変更せず営業を続けた。

1979年(昭和54年)にジャスコといづも屋百貨店の共同で直江津に計画されたショッピングセンターの核店舗として出店を計画したが地元の反対で申請が取り下げられたため実現せず[1]、従来通り営業を続けた。

だが、1971年(昭和46年)4月29日に高田市と直江津市が対等合併し上越市となり、それに伴う新市庁舎(1976年(昭和51年)4月10日完成)等の公共施設が高田と直江津の中間にある春日山地区に建設されたことなどで徐々に集客力が低下し始めた。またモータリゼーションの進展で駐車場の不足や渋滞などの問題が生じていたため、旧市街地の店舗に見切りをつけて郊外にイヅモヤジャスコを開くことを決めた。この頃には、いづも屋経営陣は一線からほぼ退いていた。1981年(昭和56年)に商業活動調整協議会で認可を受け[1]、スクラップアンドビルドの形で1985年(昭和60年)2月20日いづも屋百貨店を閉店し[3][7]、約63年の歴史に終止符を打った。

同年11月22日には郊外の土橋に後継店舗のイヅモヤジャスコ高田店を開業した[3][7]。その後、1992年(平成4年)の改正大店法施行による大型店の出店規制緩和や北陸自動車道上越インターチェンジに合わせて建設された国道18号上新バイパスなど急激な時代の変化に対応するため、1996年(平成8年)3月に富岡に新たにできた上越ショッピングセンターの核店舗としてジャスコ上越店と店名を改め再びスクラップアンドビルドの形で移転[9]。この時にイヅモヤの商号が消滅し、いづも屋が関係して出店した店舗は消滅した[1]

閉店後の跡地

跡地に建つアートホテル

本町の旧店舗は1987年12月に解体作業が実施された[10]。いづも屋百貨店跡はしばらく空き地のまま放置された後、まず西側にダイアパレス高田本町が1991年2月に建設され[11]、その後東側に上越ワシントンホテルが1993年11月にオープンした。ホテルは上越マンテンホテル(1999年~)、ロワジールホテル上越(2007年~)、ホテルラングウッド上越(2014年~)を経てアートホテル上越(2016年~)とオーナーがたびたび変遷している[12]

イヅモヤジャスコから転換した上越市市民プラザ(2022年4月)

土橋のイヅモヤジャスコ跡は2001年(平成13年)に上越市市民プラザが開設された[1]。2025年現在もそのまま使用され、内装外装ともにイヅモヤジャスコ当時の面影を残している。

脚注・出典

  1. ^ a b c d e f g h 青木敏隆. “国土経済論叢 市町村合併と都市構造の課題(その4)”. 経済調査研究レビュー 2009年3月 (経済調査会経済調査研究所) (2009-3). 
  2. ^ a b 『新潟県史別編1』新潟県、1989年。 
  3. ^ a b c 『上越市史 通史編6 現代』(2002年3月31日、上越市発行)377頁。
  4. ^ 岡観妙『懐かしのわが街上越―岡観妙写真集』新潟日報事業社、2008年10月。 
  5. ^ 『上越市史 通史編6 現代』(2002年3月31日、上越市発行)年表13頁。
  6. ^ 『上越市史 通史編6 現代』(2002年3月31日、上越市発行)年表15頁。
  7. ^ a b c 平成15年度調査報告書 第1部 町家を活かしたまちづくりによる地域活性化戦略 (Report). 上越市創造行政研究所. 2003.
  8. ^ 『「ジャスコ三十年史」の要約』(2020年6月30日、イオン株式会社発行)221ページ。
  9. ^ “ジャスコ「上越店」開店、地場の生鮮揃え訴求”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (1996年4月3日)
  10. ^ 『上越市史 通史編6 現代』(2002年3月31日、上越市発行)年表25頁。
  11. ^ 【物件情報】ダイアパレス高田本町の口コミ・評判”. マンションノート. 2025年4月22日閲覧。
  12. ^ “新ホテル名は5代目 10月から「ラングウッド上越」が「アートホテル上越」に”. 上越タウンジャーナル. (2016年8月14日). https://www.joetsutj.com/articles/91453469 

関連項目




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