『GUNDAM CENTURY』の発表と『コミックボンボン』の創刊
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「モビルスーツバリエーション」の記事における「『GUNDAM CENTURY』の発表と『コミックボンボン』の創刊」の解説
一方、みのり書房からは『機動戦士ガンダム』をSF的・ミリタリー的な視点から見た初めての資料集、月刊OUT8月号別冊『宇宙翔ける戦士達 GUNDAM CENTURY』(1981年9月)が発売された。本書には、「ミノフスキー粒子」の関連用語や、「ブリティッシュ作戦」「流体内パルスシステム」「AMBACシステム」といった用語、ゲルググとギャンの競合関係、そしてZEONICなどの兵器メーカーなどの裏設定等、後に幾つかはサンライズのオフィシャル設定となる記述が多数見受けられるが、その中に「ザクIIのバリエーション」に関する設定もあった(ザクIIという名称を作ったのも本書である)。なお、この時点で両者は接点は無いものの、前述の「ザクバリエーション」を意識したものではないかとする説もある。また、黒い三連星が搭乗したとされる「高機動型ザクII(MS-06R)」が設定されたことも、後に非常に大きい影響を与えた。 また、ガンプラブームにより、徳間書店の『テレビランド』などをはじめとする各社各誌・各書籍でも模型作例が次々に発表されていたが、中でもホビージャパン社の雑誌「ホビージャパン」では、小田雅弘、高橋昌也、川口克己といった、模型サークル「ストリーム・ベース」に所属する3人のモデラーを中心に人気を博していた。当時、ホビージャパン編集部と講談社は良好な関係にあったため、『HOW TO BUILD GUNDAM』(ホビージャパン・1981年7月)誌上にて「ストリームベース」が大河原の「ザクバリエーション」を模型として立体化、さらには別冊『HOW TO BUILD GUNDAM 2』(1982年5月)でも「黒い三連星仕様ザク06R」「ジム・キャノン」「ゲルググキャノン」などの「ストリームベース」による模型作品が発表された。なお、「モビルスーツバリエーション」という言葉が初めて登場したのは、『HOW TO BUILD GUNDAM』の巻頭カラーページに掲載されたモビルスーツ模型作例群のタイトルである。 その後、氷川竜介が都合により現場を離れるが、安井は代わりに「ストリーム・ベース」の3人と交流を持ち、安井を中心に「クラフト団」が誕生。『テレビマガジン』(講談社)でも模型を発表するようになり、別冊『SFプラモマガジン』が発売されるにいたった。『SFプラモマガジン』1巻では、『GUNDAM CENTURY』で設定された「MS-06R 高機動型ザクII」の画稿が大河原によって書き下ろされ、『GUNDAM CENTURY』の記述を元に小田雅弘が設定を作り、大河原がデザインを起こすという後の「MSV」への基礎ができあがった。 1981年11月、講談社の雑誌『コミックボンボン』が創刊するとこの流れはさらに加速、創刊号から毎号、『SFプラモマガジン』と同じようにテレビに登場しないオリジナルモビルスーツのイラストを大河原が描き下ろし、「ストリーム・ベース」の3人を中心とするモデラーが立体化するという企画が行われた。これは『GUNDAM CENTURY』にて、多数の「ザクIIバリエーション」が設定されていた事も大きく影響していた(ただし、この時点では『機動戦士ガンダム』だけではなく『太陽の牙ダグラム』や『戦闘メカ ザブングル』なども平行して連載されており、この中では『機動戦士ガンダム』の地球連邦と『太陽の牙ダグラム』の地球連邦は同一の組織であるという展開が行われていたり、『無敵ロボ トライダーG7』などもミリタリー調にリデザインされたイラストが描かれたりしているなど、まだ雑誌上の単なる遊びの域を抜けていなかった)。1982年1月には『プラモ狂四郎』の連載が始まり、漫画内にそれまでに培われた「ザクバリエーション」も登場。さらにオリジナルモビルスーツ「パーフェクトガンダム」の登場により、人気はピークに達した。『コミックボンボン』には、ほかにも、『MSV』シリーズ内で設定されたエースパイロットを描いた漫画『エースパイロット列伝』もあり、これは後に漫画『機動戦士ガンダム MS戦記』(1984年11月号 - 1985年2月号に掲載)に発展した。
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