「白鳥になった子が曳く小舟に乗る騎士」とは? わかりやすく解説

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「白鳥になった子が曳く小舟に乗る騎士」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 01:26 UTC 版)

ローエングリン (アーサー王伝説)」の記事における「「白鳥になった子が曳く小舟に乗る騎士」」の解説

白鳥の曳く小舟乗って登場した騎士活躍別れを描く「A型説話」と騎士乗る小舟を曳いた白鳥の由来を語る「B型説話」、その両方合体させた説話(「AB型説話」)を伝えるのが、グリム兄弟編纂による『ドイツ伝説集』540話「白鳥連れた騎士」(Der Ritter mit dem Schwan)である。 この話では、物語の場所と人物特定されている。場所はフランドルのリレフォルト (Lillefort)王国国主はピリオン (Pyrion)、妃がマタブルーナ (Matabruna)。王夫妻息子がオリアント(Oriant)。王子狩りに出かけ、泉の側でベアトリクス(Beatrix)という名の乙女遭遇する王子は彼女を連れて帰るが、王子の母は、娘が裸で、素性分からないので娘を嫌う。ベアトリクスが7人の子を産むと、義母子ら奪い召使殺害命じる。殺されずに捨てられ子らは、ヘリアス(Helias)という名の隠修士によって養育される。隠修士自分と同じ名前をつけた子だけを連れて出かけている間に、残りの子6人は、まだ生き延びていると知ったマタブルーナの狩人つかまり、鎖を奪われる。すると子ら白鳥になってしまう。鎖で小鉢造るように言われ金細工師は、渡され鎖6個のうち1個だけで小鉢2個を造ることができたので、残りの5個の鎖と小鉢1個は手許置いておく。マタブルーナはベアトリクス交わった訴え証人立てる。ベアトリクス祈り聞いて神が派遣した天使によって母の苦境知ったヘリアス青年偽証者と対決し打ち破り、母の無実晴らす金細工師から鎖を受け取ったヘリアスは城の池に現れ白鳥の首に鎖を掛ける。すると白鳥は人の姿に変わる。ただ、一羽の白鳥だけは人間にもどることができなかった。オリアントの後、ヘリアスが国政を採る。ある日、弟の白鳥が城の池で小舟を曳いてきて、彼は白鳥の導くままに旅に出る。 ここまで物語の前半で、『ドロパトス』の変種といえる後半は『パルチヴァール』の後日談白鳥の騎士」の変種といえるもので、場所ばかりか時代明確にされ、しかも子孫第1回十字軍英雄に結びついている 。時はドイツ皇帝オットー1世 (Otto I., Kaiser von Deutschland) の時代当時アルデンヌ・リエージュ・ナミュール (das Ardennerland, Lüttich und Namur)もその治下にあった皇帝ネイメーヘン (Nijmwegen)で議会開催した。そこでフランケンブルク伯 (Graf von Frankenburg)がブイヨン公の妃クラリッサ (Herzogin von Billon(Boillon), namens Clarissa)を相手に、公が航海出ている間に夫人不義の娘を儲け、公を毒殺した告発し国土自分帰属すべきと主張した。そこにヘリアスが登場し、伯を打ち負かし公妃無実証明する。ヘリアスは公妃の娘イダ結婚する。しかし、後にイダ素性問わぬという約束破り、ヘリアスは彼女のもとを去る。彼はリリフォルトに帰ると金細工師小鉢渡し、それで鎖を造らせる。それを白鳥の首にかけると、白鳥青年に姿を変える。ヘリアスは修道院に入る。一方、ヘリアスとイダからは娘が生まれていたが、その娘は長じてボン伯オイスタヒアス(Eustachias)に嫁ぐ。彼らに3人の息子生まれたが、長男が後に十字軍率いて聖地奪還を果たすゴドフロア(Gottfried)、次男エルサレムになったボードゥアン(Baldewin)。父の名継いだ末子は、「母以外の女性の乳を飲んだために」王者にはなれなかった。(この話は Utherの注によると、17世紀頃のオランダ語による物語短くしたもの百年戦争のさなかイギリス王ヘンリー6世は、フランス国王シャルル7世の妃の姪、マルグリット・ダンジュー結婚したが、その婚礼の席でシュールズベリー伯により新婦献呈された豪華本(「タルボット・シュールズベリー写本」)には「白鳥の騎士物語」が含まれている。

※この「「白鳥になった子が曳く小舟に乗る騎士」」の解説は、「ローエングリン (アーサー王伝説)」の解説の一部です。
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