「白黒のシークエンス」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 09:50 UTC 版)
「メメント (映画)」の記事における「「白黒のシークエンス」」の解説
モーテルの一室で目覚める主人公レナード。彼はどのくらい自分がそこに滞在しているのかも分からない。左手にある「サミーを忘れるな」という一文をはじめ、彼の全身にはあちこちに文字のタトゥーが刻まれている。それらは過去の自分が現在の自分に向けて残した「妻を強姦し殺害した犯人を見つけ復讐を果たせ」というメッセージおよび,その犯人に関する「事実」と第された手がかりの数々である。過去、彼は妻とともに強盗に襲われ、頭部に損傷を受けて以来、新しい記憶を数分以上保つことができない前向性健忘症を患ってしまっていた。彼はタトゥーの他、出会った人物や場所をポラロイドカメラで撮影し、そこにメモを書き添えたりすることで記憶の代替とし、過去の自分との連続性を何とか保ちながら、警察が追わない犯人「ジョン・G」を独力で探し出そうと、探偵のような暮らしを送っていた。 レナードは、電話をかけてきた協力者と思しきの人物に、自分の症状の説明代わりに「サミー」についての話を始める。サミーとは昔、彼が保険調査員の仕事をしていた時に担当した顧客で、現在のレナードと同様、交通事故の後遺症により記憶能力を失ってしまっていた。しかしレナードがそうであるように、糖尿病の妻にインスリン注射を打つなど、事故以前に学習したことは問題なくできた。こうした記憶障害は稀に発生するのだが、詳しい検査の結果、サミーには条件反射による学習も認められなかったため、心因性(この場合,遠回しに仮病・詐欺の可能性を意味する)と診断され保険金は下りなかった。レナードは「俺はサミーとは違う。感覚(条件反射)で覚えることができるからだ」と付け加えた。 サミーを懸命に支えつつも疲弊しきった妻は、ある日、最後の望みを託し賭けにでた。自分の命を危機的状況に晒せば、土壇場で記憶力を回復するかもしれないと考え、短時間に繰り返しインスリン注射を夫に頼んだのだ。だが思いは届かず、サミーは言われるままに致死量を超える注射を打ち、妻は死ぬ。 以上の話を終えたところで、電話の相手は自分が「ジョン・ギャメル(通称テディ)」という麻薬捜査官であり、「ジミー・グランス」という麻薬の売人がレナードの追っている犯人「ジョン・G」であること、麻薬取引場所である廃屋でジミーと接触できることを教えた。現場へ赴くと情報通りジミーが現れ,あたかもレナードと顔なじみのように振る舞ったが、レナードは構わず殴り殺し、彼の衣服に着替えた。
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