「法律事件」の意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 07:08 UTC 版)
本条により、「訴訟事件、非訟事件、行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件」の取り扱い又は周旋が禁じられている。「訴訟事件」とは、訴訟として裁判所に係属する民事、刑事及び行政の各事件、「非訟事件」とは、裁判所が裁量によって一定の法律関係を形成する裁判をする本質を持つ事件、「行政庁に対する不服申立事件」とは、行政不服審査法上の審査請求、異議申立、再審査請求、その他の行政庁に対する不服申立全般を意味するが、これらは文言上例示であることが明らかであることから、結局のところ「法律事件」の意義が問題とされる。 「法律事件」の意義については、「事件性」が必要であるとする「事件性必要説」とこのような要件の存在を否定する「事件性不要説」の争いがあり、事件性必要説においても事件性の意味内容について争いがあるが詳細は後述する。事件性必要説のある立場からは、「法律事件」を「法律上の権利義務に関し争があり若しくは権利義務に関し疑義があり、又は新たな権利義務関係を発生する案件」(東京高裁昭和39年9月29日判決等)と表現される。 以下に、裁判例等において法律事件に当たると判断された事例を挙げる。 一般の法律事件に該当するとされたもの自賠責保険金の請求・受領(東京高裁昭和39年9月29日判決)ただし、「弁護士法72条所定の法律事務」を「紛争の実体、態様などに照らして一般人がこれに当面しても通常弁護士を依頼して処理することを考えないような簡易で少額な民事の法律事件」を含まないものと解釈して「自賠責法に基づく保険金の請求手続」を一定の要件のもとで除外する札幌地裁昭46年2月23日判決があるが、控訴審(札幌高裁昭和46年11月30日判決・判タ271号115頁)で破棄されている。 債権者の委任に基づく請求・弁済受領・債務免除(最高裁一小昭和37年10月4日決定・最高裁判所刑事判例集16巻10号1418頁) 自由刑の執行延期申請(大阪高判昭和43年2月19日・高等裁判所刑事判例集21巻1号80頁) 賃貸借契約を解除し、建物からの退去・明渡しの事務を行うこと(広島高裁平成4年3月6日決定・判例時報1420号80頁) 登記・登録の申請、特許等の申請、裁判外紛争解(ADR)機関に対する各種申立(登記手続きについて東京高裁平成7年11月29日判決)
※この「「法律事件」の意義」の解説は、「非弁活動」の解説の一部です。
「「法律事件」の意義」を含む「非弁活動」の記事については、「非弁活動」の概要を参照ください。
- 「法律事件」の意義のページへのリンク