《飯盒炊爨》の正しい読み方
「飯盒炊爨」の正しい読み方
飯盒炊爨の読み方は「はんごうすいさん」である。「飯盒炊飯(はんごうすいはん)」と混同されやすい。「炊爨」は「飯を炊くこと」を意味する語。国語辞書的な語彙としては「飯盒炊爨」の方が本来的であり、「飯盒炊飯」は分かりやすさを優先した言い換え表現といえる。「盒」と「爨」は常用外漢字であることもあり、特に「炊爨」は「炊飯」と言い換えられやすい。「飯盒炊爨」も「飯ごう炊さん」と表記される傾向がある。「飯盒炊爨」の意味解説
飯盒炊爨は「野外で飯盒を用いて米を炊くこと」を意味する語。米を炊く他に副食物(おかず)の調理を含む場合もある。「飯盒」は炊事に用いる携帯用の器具であり「炊爨」は米を炊くこと。ちなみに、飯盒の典型的な形状として定着しているソラマメ様の飯盒の形は、日本の陸軍が開発したとされている。飯盒には円筒形、楕円形などの形もある。なぜ「飯盒炊爨」と読むのか・理由
飯は右側の「反」が、盒は上部の「合」がそれぞれ読み方に対応しており音読みでハンゴウとなる。「炊爨」という言葉は九世紀前後から書物で確認されている古い言い回しだ。明治初期に飯盒が国内で認知されるようになり、その当時存在していた煮炊きの調理を意味する適切な言葉である炊爨と結合したことから「飯盒炊爨」と読まれるようになったとされている。「飯盒炊爨 」の類語・用例・例文
飯盒炊爨の類語としては「飯盒炊飯」が挙げられるが、飯盒炊飯は「炊爨」を誤読した事から慣用的に使用されるようになったとされている。現代では飯盒炊爨と飯盒炊飯をほぼ同義として扱っているケースも珍しくない。ただし、「炊飯」には炊爨のように煮炊きの調理を幅広く意味するニュアンスはなく、純粋に「米を炊き上げる」という行為を指している。したがって、飯盒を用いて米以外の食材を調理する場合は厳密に言うと飯盒炊飯は当てはまらない。例えば「自衛隊では飯盒炊爨によって現地での食事を賄っている」「小学校の林間学校では飯盒炊飯を行った」と言った用例が挙げられる。この場合、前者では飯盒で汁物や煮物といった料理を作っている事が想定されるが、後者では飯盒はあくまで米を炊くためだけに使用されているのが前提だ。飯盒以外の鍋でカレールーや主采を調理している場合は、飯盒炊飯という言い回しでも問題ない。その他に類語を挙げるとすれば「サバイバル飯」「キャンプ飯」といった言葉が近いニュアンスとなる。これらの言葉は流行に乗って生まれた慣用句であり定義は曖昧だ。広く「野外でとる食事」「キャンプで作る料理」といった意味を含んでいる。米やその他食材の煮炊きといった意味を含まないため、出来合いの食品であるケースも珍しくない。用例としては「いざという時のために、サバイバル飯を買い込んでおく」「テントとキャンプ飯はキャンプの醍醐味だ」といった具合に用いられる。
「飯盒炊爨 」の英語用例・例文
野外での調理を広く指すのであれば「outdoor cooking」という言い回しが出来るが、厳密な意味で飯盒炊爨を指し示す英単語や熟語は存在していない。飯盒自体は「canteen」もしくは「Mess tin」で表現出来るため、これらの単語を組み込んで文章を作成するのが一般的だ。例えば「we will cook soup with a mess tin(canteen) in the field」などとすれば、飯盒炊爨による調理を意味する文章となる。米の調理に用途が絞られるのであれば「I am boiling rice with a canteen(mess tin) in the camping ground」といった具合にすれば良い。- 《飯盒炊爨》の正しい読み方のページへのリンク