《仏花》の正しい読み方
「仏花」の正しい読み方
「仏花」は「ぶっか」または「ほとけばな」と読む。「ぶっか」は仏前に供える花を意味する語であり、「ほとけばな」はシキミまたはヒガンバナの異称である。「仏花」の意味解説
「仏花」とは、墓や仏壇に供える花の総称。このうち墓前に供える花を「墓花(ぼか)」、仏壇に供える花を「仏花(ぶっか)」と使い分ける場合もある。仏花には、故人を弔い偲ぶ気持ちを花に託して供えるという意味とともに、仏を敬い修行の誓いを立てるという決意を込めて捧げるといった意味合いもある。仏花を供える際は、墓前、仏壇ともに左右二対が基本となる。仏花とする花の種類には特に決まりはないが、すぐに枯れるものではなく、長くもって咲き続ける花や、一年を通して供えることができる花がふさわしいとされる。仏花は生花を基本とし、枯れていて死を想起させるドライフラワーは一般的には用いない。また、色については仏教にゆかりのある「五色」「六金色(ろっこんじき)」に基づき、青や黄、赤、白、橙、紫などの花色が選ばれやすい一方、トゲのある花や香りの強すぎる花は避けた方がよいとされている。仏花として代表的なものには、菊、小菊、カーネーションなどがあるほか、ヒャクニチソウ、キンギョソウ、ユリ、リンドウ、ケイトウ、トルコキキョウなどもよく用いられる。
なぜ「仏花(ぶっか・ほとけばな)」と読むのか・理由
「仏」を「ぶつ」と読む読み方も、「花」を「か」と読む読み方も、ともに常用漢字表に示されている音読み。「ぶつばな」と読めば重箱読みとなり、一般的になじみのない読み方となるため、「仏花」は「ぶっか」と読む。また、「仏花」を「ほとけばな」と読めば、「ヒガンバナ」と「シキミ」の別称となる。「ヒガンバナ」はヒガンバナ科の多年草で、秋の彼岸頃に赤い花を咲かせる。曼殊沙華、死人花(しびとばな)とも呼ばれ、その連想から「ほとけばな」の別称が生まれた。「シキミ」は、シキミ科の常緑高木で、4月頃、山林地域に黄白色の花を咲かせる。枝を仏前に供える風習があることから仏前草ともいわれ、その連想から「ほとけばな」とも称されている。
このように「ほとけばな」と読む場合は、複数の植物の別称を指すのであり、墓前や仏前に供える花を言う際の「ぶっか」とは、用いられる文脈の中で使い分ける必要がある。
「仏花」の類語・用例・例文
「仏花」の類語には、キリスト教や無宗教などで霊前に花を供えることを意味する「献花」、仏前や墓前に花を供える意味を示す「供花」、葬儀が終わるまで故人の枕元に供える花をさす「枕花」などがある。「仏花」の用例・例文としては「日本人になじみの深い仏花といえば菊だ」「バラの花は仏花にはふさわしくないとされている」「仏前に供える花を総称して仏花と呼ぶことがある」などを挙げることができる。
「仏花」の英語用例・例文
「仏花」を英語で表現すれば「flowers offered to Buddha or to the dead」となる。用例・例文としては「Change flowers offered to Buddha or to the dead(仏花を立て替える)」などを挙げることができる。- 《仏花》の正しい読み方のページへのリンク