ヒャクニチソウとは? わかりやすく解説

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ひゃくにち‐そう〔‐サウ〕【百日草】

読み方:ひゃくにちそう

キク科一年草。高さ約90センチ長卵形で、を抱くように対生する夏から秋にかけて、大きな花を開く。花は寿命長く一重であるが、八重園芸種もあり、色も紅・紫・白など豊富。メキシコ原産で、江戸末期渡来し観賞用ジニア。《 夏》「病み日々—の盛りかな/古郷

百日草の画像

百日草

読み方:ヒャクニチソウ(hyakunichisou)

ウラシマソウ別称
サトイモ科多年草園芸植物薬用植物

学名 Arisaema urashima


百日草

読み方:ヒャクニチソウ(hyakunichisou)

クリンソウ別称
サクラソウ科多年草園芸植物薬用植物

学名 Primula japonica


百日草

読み方:ヒャクニチソウ(hyakunichisou)

キク科一年草

学名 Zinnia elegans


百日草

読み方:ヒャクニチソウ(hyakunichisou)

メキシコ原産観賞植物

季節

分類 植物


ヒャクニチソウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/22 20:59 UTC 版)

ヒャクニチソウ
花壇に咲くヒャクニチソウ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: ヒャクニチソウ属 Zinnia
: ヒャクニチソウ Z. elegans
学名
Zinnia elegans Jacq.
和名
ヒャクニチソウ
英名
Common zinia、youth-and-old-age

ヒャクニチソウ Zinnia elegans Jacq. はキク科植物の1つ。和名は百日草で、開花期間が長いことによる。また、花の寿命が長いことからウラシマソウ(浦島草)やチョウキュウソウ(長久草)の別名もある[1]。英名は Common zinia、youth-and-old-age。どの名も花が長く咲くことから連想された名前となっている[2]。花が美しく、また花弁が丈夫で色あせしにくいのが特徴で、花壇に栽培され、また切り花として鑑賞される。

特徴

原種の図版

直立する一年生草本[3]。茎は高さ30-90cmになり、硬くて短い毛がある。対生し、楕円形で長さ4-10cm、幅3-6cm。硬い毛が生えている。葉柄がなく、基部はやや茎を抱く。

茎の先端には単独の頭状花序をつける。花序の外側には一列の舌状花(花弁に見えるもの)をつけ、これは雌性。その内側には筒状花を多数つけ、こちらは両性。いずれの花も稔性がある。舌状花は原種では赤みを帯びた紫から淡い紫。筒状花は黄色から橙色。総苞は円形、総苞片は鱗片状で上部のものは黒っぽくなる。

花の拡大
外側の舌状花花弁の基部に雌蘂が、中央に管状花が見分けられる

分布

原産地はメキシコで、これはコスモスダリアとも同郷である[1]

分類

ヒャクニチソウ属には南北アメリカ大陸に約15種がある。日本には分布がなく、また帰化している種も無い。栽培種としてはホソバヒャクニチソウ Z. angustifolia やヒメヒャクニチソウ Z. paucifolia などがある[4]

利用

観賞用に栽培される。

メキシコのアステカ族が16世紀以前から栽培していた[4]。西洋での導入は、コスモスやダリアより遅れて18世紀末、スペイン経由でもたらされた。ちなみに本属のものではヒメヒャクニチソウがこれに先立ってヨーロッパに持ち込まれている。日本へは1862年(文久2年)以前に入った。品種改良も行われ、八重咲き(舌状花が複数列となるもの)のものは1856年にインドからヨーロッパに入ってフランス、イギリスで販売されるようになった[5]。、またドイツで大輪のものが作られた。20世紀になってアメリカで更に巨大輪の『カリフォルニア・ジャイアント』の名で知られるものが作り出された[6]。特に栽培適地であるカリフォルニアで育種が盛んになり、現在のような多数の園芸品種が普及する基礎となった[5]。花色も、上記のように原種では舌状花が紫、内側の筒状花が黄色系であるが、現在では青色を除いてほぼあらゆる色のものがある[7]。現在の品種では非常に多様なものがあり、大きさで小輪・中輪・大輪が、花形では万重咲き(ダリア咲き)、マツムシソウ咲き、ねじれ咲きなどが知られ、花色としても紅、オレンジ、黄色、クリーム色、白、藤色、紫など、さらに花弁に斑点があるものや条線が入るものなどもある。また鉢植えやプランター栽培向けの矮性品種も作られている[8]

春に種を蒔いて夏から秋まで花が観賞できる。直射日光、高温を好み、乾燥にも強い。また切り花としても夏でも花持ちがよいため、日本では仏前花として全国に広まったものである[9]

開花中のヒャクニチソウは、「フジコナカイガラクロバチ」を多く誘引する[10]。このハチは、果実にすす病や、火ぶくれ症といった被害を及ぼす重要害虫「フジコナカイガラムシ」の主要な土着天敵であることから、柿園にヒャクニチソウの苗を植え、フジコナカイガラムシの発生を抑制する取り組みが行われている[10]

出典

  1. ^ a b 横井(1997),p.138
  2. ^ 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、360頁。 
  3. ^ 以下、主として園芸植物大事典(1994),p.1132
  4. ^ a b 園芸植物大事典(1994),p.1132
  5. ^ a b 園芸植物大事典(1994),p.1134
  6. ^ 横井(1997),p.138-139
  7. ^ 園芸植物大事典(1994),p.1133
  8. ^ 堀田他編(1989),p.1123
  9. ^ 横井(1997),p.139
  10. ^ a b ヒャクニチソウを用いたカキ園の点滴温存型管理技術”. 生物の多様性を維持する果樹・茶の管理技術. NARO 農研機構. pp. 8-9. 2024年12月22日閲覧。

参考文献

  • 横井政人、「ヒャクニチソウ」:『朝日百科 植物の世界 1』、(1997)、朝日新聞社:p.138-141
  • 『園芸植物大事典 2』、(1994)、小学館
  • 堀田満他編、『世界有用植物事典』、(1989)、平凡社

外部リンク


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