ヒモワタカイガラムシとは? わかりやすく解説

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ヒモワタカイガラムシ

和名:ヒモワタカイガラムシ
学名Takahashia japonica Cockerell
    ヨコバイ目,カタカイガラムシ
分布本州四国九州朝鮮半島中国
 
写真(上):トウカエデ状のヒモワタカイガラムシの卵のう
説明
ネムノキハギカエデコブシなど多く樹種見られる長いヒモ状の物体は雌成虫産んだ卵のうである。これから幼虫6月ころに孵化し裏に寄生したのち,落葉前に移動して幼虫越冬する
トウカエデ状のヒモワタカイガラムシの卵のう


ヒモワタカイガラムシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/08/03 16:12 UTC 版)

ヒモワタカイガラムシ
ヒモワタカイガラムシ雌成虫
宿主植物はイスノキ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
亜綱 : 有翅昆虫亜綱 Pterygota
: カメムシ目(半翅目) Hemiptera
亜目 : ヨコバイ亜目(同翅亜目) Homoptera
上科 : カイガラムシ上科 Coccoidea
: カタカイガラムシ科 Coccidae
: ヒモワタカイガラムシ属 Takahasia
: ヒモワタカイガラムシ T. japonica
学名
Takahasia japonica (Cockerell)
和名
ヒモワタカイガラムシ

ヒモワタカイガラムシ Takahasia japonica (Cockerell) は、カタカイガラムシ科ヒモワタカイガラムシ属の昆虫である。白いリボン状の部分が大きく伸びて、輪のようになって木の枝にぶら下がる。

多くの種の樹木に寄生し、それほど多いものではないが、時に大量に発生する。

目次

特徴

雌成虫は前体部と後体部からなるが、前体部が虫の本体である。しっかりした触角と足はあるが、外からは全く見えないため、昆虫としての構造は感じられない。

前体部は長さ3-7mmの楕円形で、腹面は宿主樹木の枝に密着し、後体部が発達すると先端以外は離れる。背面はなだらかに盛り上がり、淡黄色で暗褐色の斑紋があり、中央には赤っぽい縦線があるが、産卵後は全体に褐色になる。

後体部は真っ白の円柱状で、これは状の分泌物質が外側にあって、内部に大量のを包んだものである。雌成虫の成熟後、この部分はどんどん伸びるが、その先端は宿主の樹皮にくっついているので、前体部の先端と後体部の後端がごく近い位置で樹皮にくっついて、その間の部分は樹皮を離れて垂れ下がり、結果として全体で輪のような形となる。その形はミスタードーナッツのハニーチュロにも似ている。よく多数が集まって寄生するため、遠目にも多数の白いリボンがついているような奇観となる。中にある卵は黄色で、その数は一雌当たり3000個にも達する。

雄虫は体長約1.2mm、細長くて黄色、胸部はやや色濃く、立派な翅を持つ。腹部末端に肉質突起と長毛をそれぞれ一対有する。

生活史

宿主の範囲は非常に広く、ヤナギ類・ハンノキケヤキエノキクワコブシホオノキイスノキフウスモモマルメロタチバナモドキ・キハギ・ネムノキミカン類・カエデ類・カキなどいくつもの科にまたがる。

年一化性で、成虫は五月中旬~下旬に成熟し、幼虫は六月ころから出てくる。幼虫は当初は葉の裏面に寄生し、そこで終齢幼虫(三齢)まで成長する。終齢幼虫は落葉の前、10-11月にそこから移動し、枝先に定着し、そこで越冬する。越冬した幼虫は四月ころ成虫となる。

分布

本州・四国・九州に分布し、国外では朝鮮、中国から知られる。

利害

宿主植物には栽培植物も多く含まれるので、農業害虫として扱われる。出現頻度は多くないものの、時に大発生をする。成虫には農薬はほとんど効果がなく、幼虫の出現時に薬をまくのが効果的とのこと。

参考文献

  • 河合省三、『日本原色カイガラムシ図鑑』、(1980)、全国農村教育協会
  • 竹内吉蔵、『原色日本昆虫図鑑(下)』、(1955)、保育社
  • 石井悌他編、『日本昆蟲圖鑑』、(1950)、北隆館
  • 米山伸吾・木村裕、『庭木の病気と害虫 -見分け方と防ぎ方-』、(2001)、農産漁村文化協会



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