《今際》の正しい読み方
「今際」の正しい読み方
「今際」は「いまわ」と読む。「今際」の意味解説
「今際」とは、死ぬ瞬間、死にぎわ、臨終、最期のとき、などの意味。命が果てる極限のときをさす。「今はこれまで」「今はこの世の限り」などのように、死を前にした状態を描写する表現中の「今は」から転じたもの。「今際の際」などと使われる。「今際の際」は「際」を2度用いていることから、「頭痛が痛い」のような重複表現だと指摘されるケースもあるが、本来「今際」は「今は」の「は」に極限状態の意味を示す「際」を用いた当て字であり、「今と異なる状態に移り行くその瞬間」という意味で用いられる2語目の「際」とは、根本的に意味が異なるため、必ずしも文法的に誤った重複表現であるということはできない。なぜ「今際(いまわ)」と読むのか・理由
「今際」を「いまわ」と読むのは、この熟語が熟字訓であるため。熟字訓とは、2字以上の組み合わせからなる漢字熟語を、1語の日本語で読む読み方をいう。熟字訓の熟字は熟語と同義。通常、訓読みをする場合は、「今」を「いま」、「際」を「きわ」と読むように1語ずつの漢字に対して読むものであるが、「いまわ」のように、2文字以上にまとめて訓読みをあてる場合を熟字訓と呼ぶ。「今際」の類語・用例・例文
「今際」の類語には、死を迎える間際の意味を表す「臨終」、いよいよ死ぬという直前のさまを示す「往生際」、人生の結末部分という意味で用いられる「最期」、死ぬ寸前でなんとか命を保っている状態をいう「命脈を保つ」、「まつご」と読んで、人生の終わりの時という意味を表す「末期」などがある。「今際」の用例には、「垂死の人も安んじて、 今際の時を送り得ず(「海潮音」上田敏)」、「日下部は今際のきわまで相手が握りしめていたもの、彼自身の持ち物である携帯へ手を伸ばした(「虫おくり」和田はつ子)」、「彼は今際の際に、犯人を示すダイイングメッセージを残したのではないのか(「棟居刑事の復讐」森村誠一)」「もう、二十年近く座敷牢に幽閉されていた祖父は、今際の際に私を呼んで、遺言を告げた(「空の境界」奈須きのこ)」などが見られる。
「今際」の例文としては「最後の力を振り絞って今際の言葉を残す」「父の今際の時に何とか間に合うことができた」「今際の際に思い残すことのないよう精一杯生きる」などを挙げることができる。
「今際」の英語用例・例文
「今際」を英語で表現するとすれば「hour of death」となる。用例・例文としては「Does man know his hour of death?(人は今際を悟るものだろうか?」、「this is my true hour of death(これが私の今際なのだ)」などを挙げることができる。- 《今際》の正しい読み方のページへのリンク