《他人事》の正しい読み方
「他人事」の正しい読み方
「他人事」の正しい読み方は「ひとごと」である。ただし「たにんごと」と読まれる場合も少なくない。「たにんごと」は本来は誤読であるが、慣用的な読み方として広まり、日本語としてなかば許容されつつある。「他人事」の意味解説
「他人事(ひとごと)」とは、親しくない他人・見ず知らずの他人に関すること、自分には特に関係のない事柄、を意味する言葉である。自分や自分と親しい人には直接の関係も影響もなく、その事に対して特に興味も関心もない、といった意味合いを含む。文脈によっては「(相手にとっては)自分のことなどは他人事だ」という風に、自分自身のことを「他人事」として扱う場合もある。なぜ「他人事」を「ひとごと」と読むのか・理由
「他人事」は元々は「人事」と書かれる語だった。そもそも「ひと(人)」という言葉には「(自分以外の)他人」を意味する語義がある。・人のことをとやかく言うな
・人の言うことを気にするな
・人は人、自分は自分だ
しかし「人事(ひとごと)」は「人事(じんじ)」と区別がつかず紛らわしい。そのため、「人事(ひとごと)」には「他人事」という漢字を充てて区別するようになったとされる。熟字訓が成立したわけである。
ちなみに、「他人」と書いて「ひと」と読む読み方は、江戸時代の後半にはすでにあったという。「人事」から「他人事」への置き換えは円滑に進んだものと思われる。
この「他人事」が、「ひとごと」よりも「たにんごと」と読まれる場合が増えた背景には、ただの誤読という要素あるだろうが、「自分事」という言葉が対立概念として広まった影響も大きいものと推察される。
「他人事」の類語・用例・例文
「他人事」の類語としては「余所事(よそごと)」が挙げられる。余所事も「自分とは関係のないこと」を指す語であり、他人事とほぼ同義である。自分と他人事の関係を指す表現としては「無関係」、他人事に対する立場や態度を指す表現としては「我関せず」などが挙げられる。
「他人事」の英語用例・例文
「他人事」を英語でいう表現としては「other people's affairs(他人のこと)」、あるいは「somebody else's problem(他の誰かの事柄)」や「someone else's business(他の誰かに関すること)」などの表現が挙げられる。- 《他人事》の正しい読み方のページへのリンク