《了解致しました》の敬語
「了解致しました」の敬語表現
「了解致しました」は敬語表現です。この言葉は「了解」と「致しました」に分けられます。「致しました」は「する」の謙譲語です。そのため、「了解致しました」は謙譲語を含む表現となるので、敬語表現であるといえます。なお、「了解」は依頼や申し出を聞き入れることを意味しています。一般的に承諾の返事や、意味内容を理解したときに使われる言葉で、それ自体には謙譲や尊敬の意味はありません。「了解致しました」の敬語の最上級の表現
「了解致しました」における敬語の最上級の表現は「かしこまりました」です。「了解」には尊敬の意味が含まれていないため、敬意を含んだ表現にするためには、「了解」を言い換える必要があります。「かしこまる」は自分より立場高い者に対して承諾を示す謙譲語です。「かしこまりました」は「かしこまる」に「ます」という丁寧語を結びつけることで、敬意と丁寧さを両立させた敬語表現です。「了解致しました」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「了解致しました」は敬語表現なのでビジネスメールや手紙にそのまま使えます。例えば、「見積書作成の件、了解致しました」「サンプル作成のご依頼の件、了解致しました」「シフト変更の件、了解致しました」「了解致しました。週明けの4月1日には作成したサンプルをお持ちします」「了解致しました。ご注文いただきました品は後日発送致します」のように使います。しかしながら、「了解致しました」は不快に感じる人もいる表現です。そのため、語尾に丁寧な一文を付け足して使うことをおすすめします。例えば「見積書作成の件、了解致しました。できあがり次第ご連絡さしあげます」「了解致しました。本日はお忙しいところ誠に失礼致しました」「来月4月1日に来社される件、了解致しました。お気を付けてお越しくださいませ」のようにすれば、敬意や丁寧さを伝えられるビジネスメールとなるでしょう。
「了解致しました」を上司に伝える際の敬語表現
上司に「了解致しました」を伝えたいときは、「承知しました(承りました、承知致しました)」もしくは「かしこまりました」という表現を使います。「承知しました(承りました、承知致しました)」は目上の人に対して「うかがった内容を了解した」という意味を持つ言葉で敬語表現にあたります。「承知する」は「わかる(了解する)」の謙譲語表現であるからです。一般的に「承知しました」は「(内容が)わかった」「理解した」「承諾した」の3つの意味を持ちます。それぞれ「修正箇所の訂正について、承知しました」「準備資料の件、承知しました」「集合場所変更について承知しました」のように使います。
「かしこまりました」は、「分かりました」の謙譲語で、敬語表現に含まれる言い方です。立場が上の人に対して「謹んで承る」という意味を持つので、依頼や命令への返事に最適な表現といえます。「依頼内容についての変更、かしこまりました」「かしこまりました。ご希望通りに対応致します」のように使います。
「了解致しました」の敬語での誤用表現・注意事項
「了解致しました」は敬語として正しい表現です。そのため目上の人に敬意を込めて「了解致しました」と使う人がいますが、敬意を表すのであれば、これは誤用表現といえます。「なぜなら「了解致しました」には尊敬の意味は含まれていないからです。敬意を伝えるどころか、立場によっては言われて不快に感じる人もいます。「承知しました」「承知致しました」「かしこまりました」のような表現を使いましょう。一方で、親しい間柄の上司や社内でのやり取りでは「了解致しました」ではなく、フランクに「わかりました」「了解です」と表現する方が好まれることが少なくありません。「了解致しました」と使うときは、相手との関係やシーンに注意しましょう。
「了解致しました」の敬語での言い換え表現
「了解致しました」の敬語での言い換え表現は複数あります。「了承致しました」は了解よりも広い意味で事情を汲む場合に最適な言い換えです。「事情を納得して承知する」という意味を持つ「了承」に、「致します」が付くことで敬語表現になっています。ただし、「了承」には目上の者が目下の者の申し出を受領するというニュアンスが含まれているので、目上の人や上司に使う場合には、失礼と捉えられる言葉なので注意してください。目上の人に使える言い換えとしては「拝承致しました」というものもあります。「拝承(はいしょう)」とは承知することをへりくだった表現にした語で、「謹んで承る」という意味を持っています。格式ばったニュアンスのある言葉なので、上司や目上の人に対して使える敬語表現です。「拝承致しました」では、堅苦しいと感じるなら「かしこまりした」と言い換えるとよいでしょう。「拝承」と同じく、目下の者から目上の人に使うへりくだった表現ですが、それほど堅苦しいニュアンスを持たないので、広く使える言い換えです。
受領するという意味合いでは「承りました」とするのもよいでしょう。「承る」は、受ける、聞くといった言葉の謙譲語です。相手の意向を受け入れるニュアンスがあるので、上司や目上の人以外にも広く敬語として使えます。「ご依頼の件、承りました」「ご予約承りました。ご来社、お待ちしております」「ご注文承りました。発送は来週4月1日になります」のように使うとよいでしょう。責任感を持って相手の話を聞くというイメージがある言葉なので、聞き手に安心感を与える敬語表現です。同じように「承知致しました」との言い換えも可能です。
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