《五月女》の正しい読み方
「五月女」の正しい読み方
「五月女」は「さおとめ」と読む。「そうとめ」や「さつきめ」とも読むことができる。「五月女」の意味解説
「五月女」は田植えを行う女性を意味する「早乙女」が変化した言葉である。早乙女と同様に田植えを行う女性の呼称である他、日本人の名字として使われることもある。五月女は平家の血筋を引く者の末裔に多い名字とされ、宇都宮市など栃木県南部に多く見られる。平家の血筋であることが重要なので、田植えなど農業とは関わりを持たない人が「五月女」の名字を持つことも珍しくない。なぜ「五月女」と読むのか・理由
「五月女」を「さおとめ」と読む理由として古くから伝わる読み方が挙げられる。日本では田んぼの神様を「さ」と呼び、米の苗は「さなえ」と読んでいた。「さなえ」は「早苗」と書き、そこから田植えを行う女性を「早乙女」と書いて「さおとめ」と呼ぶようになった。「さなえを植えるおとめ」という意味で「早乙女」であり、そこから変化して「五月女」になった。「五月」と表記するのは陰暦の五月が田植えに最適な時期だったためである。音便変化によって「そうとめ」と読むことも多い。「五月女」の類語・用例・例文
「五月女」の類語は変化前の表記である「早乙女」の他、「乙姫」「小町」「子女」などがある。「乙姫」は「おとひめ」と読み、本来はおとぎ話の「浦島太郎」に出てくるお姫様の名前である。「乙姫」は女性であり、同じ女性である「早乙女」をお姫様のように大切に扱う意味として「乙姫」と称するようになった。「小町」は評判が良く美しい女性、特に未婚の若い女性を意味する言葉であり、田植えに従事する早乙女も未婚の若い女性が多かったことから「小町」と呼ぶようになった。例文としては「五月女による田植えの光景は美しい」「田んぼ一面で乙姫が田植えを行っている」「私の姉は毎年、実家の田んぼで小町として働いている」などがある。「子女」は女の子を意味する一般的な名称だが、早乙女の意味として用いることもある。早乙女は女性の仕事であり、そこから単に子女と表記するようになった。早乙女の変形である「五月女」のように本来は田植えの時期である五月に働く女性のことであるが、子女の場合は田植え以外に雑草取りや収穫作業に従事する女性へ用いることもある。「収穫の時期は子女が田んぼで忙しく働いている」などと使うことができる。「五月女」の英語用例・例文
英語には「五月女」に相当する単語は存在せず、「田植えをする女性」の英語表記である「women planting rice」が用いられる。五月女が少女だった場合は「rice‐planting girl」と記すこともある。「昨日、早乙女が田植えをしていた」を例文とした場合、英語では「A woman was planting rice yesterday」となる。- 《五月女》の正しい読み方のページへのリンク