門司駅 概要

門司駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 13:33 UTC 版)

概要

鹿児島本線所属線とし[2]山陽本線を加えた2路線が乗り入れる。鹿児島本線にはJA29、山陽本線にはJA52駅番号がそれぞれ設定されている。

関門トンネル開通により、山陽本線の終点駅となった。このため九州の鉄道の玄関口となっている[1]。なお、営業キロ上は駅の南側にある北九州貨物ターミナル駅と同一地点にある。山陽本線のうち関門トンネルを含む下関 - 門司間は九州旅客鉄道の所管である。同線は線路名称上では当駅が終着であるが、下関駅からの列車は運転系統上小倉駅まで直通する列車が多い。また、ラッシュ時などには日豊本線からの列車も乗入れてくる(日中は小倉駅始発で運転)。

山陽本線が直流電化であるのに対し、鹿児島本線交流電化であるため、本駅構内下関方にデッドセクションが存在する(貨物列車用のために門司駅構内にも設置されている)。そのため、かつてのブルートレインを初めとする客車列車は、門司駅において九州内を走行する交流電気機関車(ED72形ED73-1000形ED74形ED75-300形ED76形)と、関門トンネル専用の交直流電気機関車(EF30形EF81形)と付替えが行われていた。九州地区には軸重の大きなEF81形が入線できない脆弱な区間が多かった事も、機関車を交換する理由である。

かつては貨物列車も、当駅(門司操車場)で機関車の付け替えが行われていたが、現在は北九州貨物ターミナル駅で機関車の付け替えが行われている。

歴史

九州鉄道の開通にあわせ、大里駅(だいりえき)として開業した。その当時は、現在の門司港駅が門司駅を名乗っていた。関門トンネルが開通する際に、門司駅を門司港駅に、大里駅を門司駅に、それぞれ改称した。

関門トンネルは、長大かつ海底という特殊な条件からもとより蒸気機関車の運行が不可能であり、電化がなされていたものの、門司以西の九州内は非電化であった。この事から、当駅での機関車交換が必須であり、九州初の特別急行列車富士」や、戦後初の九州発着の特急「かもめ」も含め、すべての列車が長時間停車していたが、1961年(昭和36年)に本駅を含む門司港 - 久留米駅間が交流電化され、同時に山陽本線の下関 - 小郡(現新山口駅)間も直流電化された。さらに1964年(昭和39年)に山陽本線が全線電化された頃には、旅客列車は機関車交換の不要な交直両用電車が中心になったことから、旅客列車の長時間停車が減少した。

1975年(昭和50年)の山陽新幹線開業より、本州対九州間の関門トンネルを通過する長距離列車が大幅に整理され、さらに利用者の減少により寝台特急群も徐々に廃止されてしまったことから、現在では、主に北九州都市圏の輸送を担う旅客駅として機能している。

年表

門司駅5・6番のりばの下関側に設置してある関門トンネル案内板(5番のりば側はトンネル下り線内部の写真)
5・6番のりばの下関側に設置してある関門トンネル案内板(6番のりば側はトンネル概要・歴史・工事・走行した列車等を紹介)

駅構造

構内 4・5番線
構内の様子 2・3番線(2006年8月)
改築前の駅舎(1987年8月)

かつては、島式ホーム4面8線であったが、現在は海側の敷地を縮小し1面(旧7・8番乗り場)を廃止した3面6線を有する地上駅となっている。2004年(平成16年)に3階建の橋上駅舎が完成した[1]

有人駅みどりの窓口が設置されている[11]SUGOCAならびに相互利用可能な各社のIC乗車カードの使用が可能である。1・2階に商業施設「えきマチ1丁目 門司」、3階に改札口がある。駅舎内にはファミリーマートがある。

JRの特定都区市内制度における「北九州市内」の駅である。

のりば

のりば 路線 方向 行先 備考
1 JA 鹿児島本線 下り 小倉博多方面
JF 日豊本線 行橋中津方面
門司港発のみ
2・3・4 下関発の列車を含む
JA 山陽本線 上り 下関方面 当駅折返し
5・6 小倉方面から
JA 鹿児島本線 門司港方面  

門司港駅発の列車は1・2番乗り場、下関駅発の列車(折り返しの下関行きも含む)は3・4番乗り場に発着するのが基本(門司港駅始発の列車は基本的に1番乗り場・下関駅始発の列車は基本的に4番乗り場に発着する)だが、相互接続がある場合は同一ホームに発着するなど、例外も多々ある。また小倉方面からの列車については、門司港行きが6番乗り場、下関行きが5番乗り場を基本とするが、これも一部列車で逆になることがある。

6番乗り場門司港・下関方端あたりに「急行天草」の乗車位置案内が僅かに残っている。


注釈

  1. ^ 門司駅前東交差点付近・門司港方面側。
  2. ^ 門司駅前東交差点付近・小倉方面側。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i 『週刊JR全駅・全車両基地』7号、朝日新聞出版、2012年9月23日、19頁。 
  2. ^ a b c d e f 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、673頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  3. ^ 九州旅客鉄道、65頁。
  4. ^ 九州旅客鉄道、231頁。
  5. ^ a b c d 九州旅客鉄道、115頁。
  6. ^ a b c 九州旅客鉄道、141頁。
  7. ^ 九州旅客鉄道、142頁。
  8. ^ 九州旅客鉄道、181頁。
  9. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '01年版』ジェー・アール・アール、2001年7月1日、190頁。ISBN 4-88283-122-8 
  10. ^ 交通新聞交通新聞社、2009年3月3日、1面。
  11. ^ 門司駅”. 九州旅客鉄道. 2021年12月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月25日閲覧。
  12. ^ a b 駅別乗車人員上位300駅(2022年度)” (PDF). 九州旅客鉄道. 2024年2月21日閲覧。
  13. ^ 長期時系列統計 - 北九州市
  14. ^ 駅別乗車人員上位300駅(2021年度)” (PDF). 九州旅客鉄道. 2024年2月21日閲覧。
  15. ^ JR(旧国鉄)駅別乗降客人員”. 北九州市. 2021年6月6日閲覧。
  16. ^ a b 奈良崎博保『福岡・北九州 市内電車が走った街 今昔』JTBパブリッシング、2002-04月、100-101頁。ISBN 4533042074 





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