辻真先
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/25 18:57 UTC 版)
受賞歴
- 1979年:第1回アニメグランプリ脚本部門
- 1980年:第2回アニメグランプリ脚本部門
- 1980年:第3回アニメグランプリ脚本部門
- 1981年:第35回日本推理作家協会賞長編部門(受賞作品:『アリスの国の殺人』)
- 1981年:第4回アニメグランプリ脚本部門
- 1982年:第5回アニメグランプリ脚本部門
- 2004年:第39回長谷川伸賞
- 2008年:第61回中日文化賞
- 2008年:第13回アニメーション神戸賞特別賞
- 2008年:第11回文化庁メディア芸術祭功労賞
- 2009年:第9回本格ミステリ大賞小説部門(受賞作品:『完全恋愛』)
- 2019年:第23回日本ミステリー文学大賞
人物
最も好きな漫画は『ジャングル大帝』で、アニメの仕事が入ってくると快諾した。脚本だけでなく、全体構成や主題歌の作詞も手がけている。
執筆が速いことでも有名で、プロデューサーと喫茶店で打ち合わせをしながらその場でアニメ1話分の脚本を書き上げたこともあるという[11]。また、ピー・プロダクション社長のうしおそうじによれば、コーヒーを飲みながら雑談している間に30分ほどで1本書き上げていたという[12]。永井豪の自伝的漫画『激マン!』における回顧によれば、『デビルマン』のアイデア出しに呼ばれた際、永井のアイデアを聞きながら他の作品の脚本を書きあげていたという[13]。
NHKに在籍中の辻が、山崎忠昭が原案を手掛けた脚本の改訂を一晩で書き上げたことがあった。辻による改訂稿を読んだ山崎は、元の脚本に比べ「ギャグも豊富、会話も軽妙、ストーリーの展開もすこぶる快調」と評し、その速筆と上手さに舌を巻いたという[14]。
年齢を重ねても衰えることのない意欲を見せ、2017年にはコミケで売り子を務めた[15]。2022年現在も、ミステリやライトノベル・漫画、視聴したアニメの感想をTwitter上で発信している。2019年7月18日に起きた京都アニメーション放火殺人事件について中日新聞に寄稿し、『氷菓』や『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を絶賛し、事件の被害者を悼むとともに京都アニメーションにエールを送った[16]。
自由民主党の議員を父に持つが辻自身は日本共産党を支持しており、推薦人名簿に名を連ねている[17]。
脚本を担当した作品
テレビアニメ
1960年代
- エイトマン(1963年 - 1964年)
- 鉄腕アトム(1964年 - 1965年)
- 宇宙少年ソラン
- オバケのQ太郎
- ジャングル大帝(1965年 - 1966年)
- スーパージェッター(1965年)
- 遊星少年パピイ
- がんばれ!マリンキッド
- 新ジャングル大帝 進めレオ!(1966年 - 1967年)
- 魔法使いサリー(1967年 - 1968年)
- リボンの騎士(1967年 - 1968年)
- パーマン
- 冒険ガボテン島
- 冒険少年シャダー
- あかねちゃん
- アニマル1(1968年)
- 巨人の星
- ゲゲゲの鬼太郎(第1期)(1968年 - 1969年)
- サイボーグ009(第1期)(1968年)[18]
- 佐武と市捕物控(1969年)
- 夕やけ番長
- アタックNo.1(1969年 - 1971年)
- 男一匹ガキ大将
- 海底少年マリン
- サザエさん(1969年 - 1985年、2003年 - 2007年)
- タイガーマスク(1969年 - 1971年)[19]
- ひみつのアッコちゃん(1969年 - 1970年)
- もーれつア太郎(第1作)(1969年 - 1970年)
- 六法やぶれクン(1969年)
1970年代
- 赤き血のイレブン
- キックの鬼[20]
- のらくろ(1970年 - 1971年)
- ばくはつ五郎(1970年)
- 魔法のマコちゃん(1970年 - 1971年)
- 新オバケのQ太郎(1971年)
- ゲゲゲの鬼太郎(第2期)(1971年 - 1972年)
- さるとびエッちゃん(1971年 - 1972年)
- 珍豪ムチャ兵衛(1971年)
- 天才バカボン(1972年)
- ふしぎなメルモ(1972年)
- 海のトリトン(1972年)
- おんぶおばけ(1972年 - 1973年)
- ジムボタン(1974年 - 1975年)
- デビルマン[21](1972年 - 1973年)
- ど根性ガエル(1972年)
- 魔法使いチャッピー(1972年)
- アニメドキュメント ミュンヘンへの道
- キューティーハニー(1973年 - 1974年)[22]
- ドロロンえん魔くん(1972年 - 1974年)[23]
- バビル2世(1973年)
- ミクロイドS(1973年)[24]
- ミラクル少女リミットちゃん(1973年 - 1974年)[25]
- 魔女っ子メグちゃん(1974年 - 1975年)
- カリメロ(1974年 - 1975年)
- アンデス少年ペペロの冒険(1975年 - 1976年)
- 一休さん[26](1975年 - 1982年)
- 勇者ライディーン(1975年 - 1976年)
- 超電磁ロボ コン・バトラーV(1976年 - 1977年)
- マシンハヤブサ(1976年)
- アローエンブレム グランプリの鷹(1977年 - 1978年)
- ジェッターマルス(1977年)[27]
- 超電磁マシーン ボルテスV(1977年 - 1978年)
- 超スーパーカー ガッタイガー
- 氷河戦士ガイスラッガー(1977年)
- キャプテン・フューチャー(1978年 - 1979年)
- 闘将ダイモス(1978年)
- 魔女っ子チックル(1978年)
- ピンク・レディー物語 栄光の天使たち
- ジャン・バルジャン物語(1979年)
- サイボーグ009(第2期)(1979年 - 1980年)
- 未来ロボ ダルタニアス(1979年)
1980年代
- 宇宙大帝ゴッドシグマ(1980年)
- おじゃまんが山田くん(1980年 - 1982年)
- 魔法少女ララベル(1980年)
- ドラえもん(1981年)
- Dr.スランプ アラレちゃん(1981年 - 1982年)
- 忍者ハットリくん(1981年 - 1982年)
- ハニーハニーのすてきな冒険(1981年 - 1982年)
- ぼくらマンガ家 トキワ荘物語(1981年)
- あさりちゃん(1982年)
- うる星やつら(1982年 - 1983年)
- パタリロ!(1982年 - 1983年)
- フクちゃん
- アンドロメダ・ストーリーズ(1982年)
- 巨神ゴーグ(1984年)
- ゴッドマジンガー(1984年)
- さすがの猿飛(1982年 - 1983年)
1990年代以降
- もーれつア太郎(第2作)(1990年)
- いじわるばあさん(1996年)
- 名探偵コナン(2010年 - )
- コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜(2015年)
- コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜THE LAST SONG(2016年)
- ルパン三世 PART6(2021年)[28]
劇場アニメ・OVA
- 空飛ぶゆうれい船(1969年)
- 魔犬ライナー0011変身せよ!(1972年)
- これがUFOだ!空飛ぶ円盤(1975年)
- 世界名作童話 まんがシリーズ(1975年)[29]
- 一休さんとやんちゃ姫(1978年)
- がんばれ!! タブチくん!!(1979年)
- がんばれ!! タブチくん!! 第2弾 激闘ペナントレース(1980年)
- まことちゃん(1980年)
- 一休さん 春だ!やんちゃ姫(1981年)
- 21エモン 宇宙へいらっしゃい!(1981年)
- 夏への扉(1981年)
- 綿の国星(1984年)
- ラブ・ポジション ハレー伝説(1985年)[30]
- マップス (OVA)(1994年 - 1995年)
特撮
- ふしぎな少年(1961年 - 1962年)
- 悪魔くん(1966年 - 1967年)
- キャプテンウルトラ(1967年)
- 忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ(1967年)
- 河童の三平 妖怪大作戦(1967年)
- バンパイヤ(1968年)
- 宇宙猿人ゴリ(宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン、スペクトルマン)(1971年 - 1972年)
- 好き! すき!! 魔女先生(1971年 - 1972年)
- バトルホーク(1976年)
- 5年3組魔法組(1976年 - 1977年)
- 恐竜戦隊コセイドン(1978年 - 1979年)
- ぼくら野球探偵団(1980年)
実写ドラマ
実写映画
注釈
出典
- ^ “中日文化賞:第61回(平成20年)”. 中日新聞. 2009年10月19日閲覧。Archived 2019-05-25 at the Wayback Machine.
- ^ a b 『文藝年鑑 2015』日本文藝家協会/編、新潮社発行、2015年6月30日初版 巻末「文化各界人名簿」より。
- ^ 辻 寛一(ツジ カンイチ)とは - コトバンク
- ^ a b “嗜好と文化:第39回 辻真先さん「趣味が仕事になる」”. 毎日新聞 (2014年6月2日). 2020年8月8日閲覧。
- ^ 『僕らを育てたシナリオとミステリーのすごい人 1 辻真先インタビュー』アンド・ナウの会、2013年、54頁。
- ^ 岡村淳司 (2020年12月25日). “米寿の新作が快挙 辻真先さん、ミステリーランキング3冠”. 中日新聞. 2021年6月1日閲覧。
- ^ 名大アゴラ 第9回 辻真先 氏講演会
- ^ a b 高橋浩一郎. “《放送研究レポート》“テレビアニメ”の源流を探る〜 連続テレビ漫画『かっぱ川太郎』〜” (PDF). 日本放送協会. 2021年8月15日閲覧。
- ^ 『日本SF短篇50 (1)』早川書房
- ^ “たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説 - 辻真先”. 東京創元社. 2020年12月3日閲覧。
- ^ MovieWalker レポート 【文化庁メディア芸術祭レポート】六本木・国立新美術館に移転してのアニメ部門シンポジウム「河童のクゥ」原恵一、「田舎医者」山村浩二ら受賞者が登壇(インターネットアーカイブ2008年3月3日分キャッシュ)
- ^ 飯田正人「INTERVIEW うしおそうじラストインタビュー」『別冊映画秘宝 特撮秘宝』vol.3、洋泉社、2016年3月13日、pp.102-109、ISBN 978-4-8003-0865-8。
- ^ 永井豪; ダイナミックプロ (2011). 『激マン!』第4巻. 日本文芸社. p. 60-64. ISBN 978-4-537-12775-1
- ^ 山崎忠昭・高崎俊夫「日活アクション無頼帖」ワイズ出版、2007年、p.66
- ^ 辻 真先 [@mtsujiji] (2017年8月14日). "13日のコミケ、売って参りました。ポスターにも使わせてもらった装画いとうのいぢさん(コミケの大先輩)を表敬訪問した他は、自席で体力温存(ホントは買い回りたいけど)したおかげで、心身健やかに終了しました。おいでくだすったみなさん、ありがとうございました。生涯の良き思い出になります。". X(旧Twitter)より2020年8月8日閲覧。
- ^ 辻 真先 [@mtsujiji] (2019年7月30日). "京アニのことで、中日新聞に書かせてもらいました。今アニメを見ている方に.もと熱心だったアニメファンの方に、どんな会社だったかをより多く知って貰えたら嬉しいです。大人も若者も子供も顔をそろえて喜んだ希少な舞台に、大きな亀裂が走ったなんて残念です。世界の共通語であったのに、アニメは。". X(旧Twitter)より2020年8月8日閲覧。
- ^ 「日本共産党に期待します」 各界著名49氏が表明2012年12月4日 しんぶん赤旗
- ^ “サイボーグ009”. 東映アニメーション. 2016年6月2日閲覧。
- ^ “タイガーマスク”. 東映アニメーション. 2016年6月2日閲覧。
- ^ “キックの鬼”. 東映アニメーション. 2016年6月4日閲覧。
- ^ “デビルマン”. 東映アニメーション. 2016年6月1日閲覧。
- ^ “キューティーハニー”. 東映アニメーション. 2016年5月23日閲覧。
- ^ “ドロロンえん魔くん”. 東映アニメーション. 2016年6月4日閲覧。
- ^ “ミクロイドS”. 東映アニメーション. 2016年6月8日閲覧。
- ^ “ミラクル少女リミットちゃん”. 東映アニメーション. 2016年6月14日閲覧。
- ^ “一休さん”. 東映アニメーション. 2016年5月23日閲覧。
- ^ “ジェッターマルス”. 東映アニメーション. 2016年5月23日閲覧。
- ^ “『ルパン三世 PART6』第3話は推理作家・辻真先エピソード回!”. アニメージュ (2021年10月27日). 2021年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月21日閲覧。
- ^ “「世界名作童話 まんがシリーズ」リスト - 知られぬアニメーション:楽天ブログ”. 楽天ブログ. 2023年3月18日閲覧。
- ^ “ラブ・ポジション ハレー伝説”. 手塚治虫公式サイト 2016年5月3日閲覧。
- ^ “あなたは一宮モーニングで謎を解く”. 中京テレビ. 2021年2月8日閲覧。
- ^ 本人のHP
固有名詞の分類
日本の小説家 |
黒部亨 永山則夫 辻真先 氷室冴子 日向まさみち |
日本の脚本家 |
国井桂 森岡利行 辻真先 いずみ吉紘 弓削智久 |
時代小説・歴史小説作家 |
黒部亨 城野隆 辻真先 都筑道夫 佐々木杜太郎 |
推理作家 |
梶山季之 ユベール・モンテイエ 辻真先 積木鏡介 霞流一 |
日本の推理作家 |
豊田有恒 藤原宰太郎 辻真先 積木鏡介 霞流一 |
アニメの脚本家 |
豊田有恒 国井桂 辻真先 山崎忠昭 鳥海尽三 |
漫画原作者 |
佐木飛朗斗 大塚明 辻真先 須田良規 秋タカシ |
日本推理作家協会賞受賞者 |
星新一 郷原宏 辻真先 都筑道夫 中島らも |
架空戦記作家 |
豊田有恒 川又千秋 辻真先 橋本純 佐藤俊之 |
アニメ関係者 |
梅津泰臣 前田実 辻真先 和田高明 まついひとゆき |
- 辻真先のページへのリンク