クモ系統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 02:01 UTC 版)
「ピクミンシリーズの原生生物一覧」の記事における「クモ系統」の解説
ピクミンにはクモの名が付く生物も多く登場する。形態、攻撃方法などさまざまだが、その多くに共通する特性として、「歩行脚が四本である」「胴体は(おそらく)頭部一つのみで、足から釣り下がっているような形態をしている」という二点が挙げられる。脚の本数から考えて、全てクモにあらずのクモであり、厳密なクモではない。これらの特徴を持つ種は全て「ダマグモ科」と「ショイグモ科」の2科に分類される。この他にも一部、これらの特徴を持たないクモ型の原生生物が存在するが、そちらは後述の「ムシ」の項目に記述している。 ダマグモ科には口、鼻、耳、目などのほとんどの感覚器官が見あたらない。捕食らしき行動も見受けられない。性格はおとなしく、これといった天敵もないとされている。また、現れた直後は、独特の鳴き声を発してから活動を開始する。 ショイグモ科には口、目とおぼしき部分、四本の足の他に二本の腕が存在する。また、このため前後左右を認識している。本来の性格はダマグモ科同様おとなしいが、ショイグモ科は背中に物を背負う習性があり、背負ったものによって性格が変化してしまうという特徴もある。草の汁などを食物として吸う。 ダマグモ 【和名:アシナガモクメツユハライ 科:ダマグモ科】 【英名:Beady Long Legs】 登場作品:1、2 体長:約27cm/240㎜ 『1』ではステージ「樹海のヘソ」のボス。専用の戦闘BGMがある。『2』では地下洞窟「クモの根城」のボス。地下洞窟「百戦錬磨の穴」でも中ボスとして登場するほか、地上ステージ「まどいの水源」でも一定日数経過で出現する。倒しても1の付く日毎に必ず再配置されるなど、他のダマグモと比べて頻繁に登場する。 オリマーたちの目線には映らないほどの上空に巣をかまえて生息している。 体は金属質の物質で構成され、表面は蝋のようなもので覆われているため独特な模様とつやを持つ。胴体には目、鼻、耳、口などの器官はないが、ピクミン達を見つけると、頭上から落下し、さらには踏みつけようと迫ってくる。よく見ると、前後だけはあるようで、ある一定の面を前にして進んでいる。また、出現直後や、移動中に一時停止したりした際に独特の鳴き声のような音を発する(これは、ダマグモキャノン、ゾウノアシにも共通する)。 足には攻撃が通用しないため、胴体が弱点。ただしピクミンに張りつかれると大きく振り払い、振り払うとしばらくの間足踏みが高速になる。しかし『2』では高速足踏みがなくなっている上、耐久力も下がっているため弱体化している。膝に紫ピクミンを落下させてもダメージが行く。 体力が減ってくると体が徐々に崩れ始め、半分を切ると煙を上げ、体力が0になると胴体がくす玉のように割れて持っていたパーツやお宝を落とし、そのままバラバラと崩れ落ちる。 作中でもとりわけて謎多き生物。何を捕食しているのかは不明であり、金属質である身体の成分からも推測できない。倒すと胴体が2つに割れ、ガラスが割れていくように消滅するので、解剖も行うことができない。しかし地上に登場するダマグモは倒すとペレットをたくさん落とすことから、ペレットを餌にしているとも考えられる。 『1』では洞窟の辺境にひっそりと住んでいたようだが、『2』では太陽光の射す洞窟内、太陽光の射さない洞窟内、さらには地上と様々な場所に出現し、生息地の分類が疎らではっきりとしていない。 『2』では他の生物をダマグモの踏みつけに巻き込ませてダメージを与えることが可能(『1』ではダマグモの下を他の生物が通ることがない)。威力は非常に高く、ほとんどの生物は一撃死する。 ルーイメモには「注意!食べられません」とあり、さらに英語版では「有毒」とまで言われる。 なお、名前にクモとついているが、実際にはクモ科とは別の系統である事が明かされている。 ダマグモキャノン 【和名:アシボソエンマツユハライ 科:ダマグモ科】 【英名:Man-at-Legs】 登場作品:2 体長:約17cm/170㎜ 地下洞窟「地下の秘密基地」のボス。地下洞窟「百戦錬磨の穴」でも中ボスとして登場する。 機械と融合しサイボーグとなってしまったダマグモ。前述の通りダマグモ科の生物は特に天敵がなく、強大な攻撃力を必要としていないことから、機械の方からダマグモにアプローチし、体を乗っ取ったものと思われる。実際、機械部分を開く際に、かなり無理な形で入り込んでいるのか、中の肉が裂けているのが確認できる。 他のダマグモとは違い、足が細く、ピクミンらを踏みつぶせない。代わりに、核となる球体の部分の下半分が連射可能なランチャー(と照準器用のレーザー探知機)になっており、これで敵を捕捉、エネルギー弾を発射し破壊を試みる。火器管制システムの性能がそれほど良くないため、目標の捕捉と発射までのラグが大きく、射撃が追いつかないことも多い。だが威力は凄まじく、撃たれたピクミンは即死してしまう。オリマーメモによると、ランチャーの使用はダマグモ自身が操作しているわけではなく、機械部分が自動的に敵を探知、追跡して攻撃をしているとされている。 防御力も高く、赤ピクミンを持ってしても中々ダメージを与えられず、ボスの中でもトップクラスの強敵である(ただし他の生物と違い、時間経過による体力回復がない)。 エネルギー弾の攻撃から逃れるには、壁や段差などの物陰に隠れて遮断させるのが有効。また、収まるまで常に移動し続けても回避は出来る。ただし移動している時に隠れても、すぐさま乗り越えられてしまう。出現直後にいきなり撃ってくる事もある。他のダマグモと違い倒すと、胴体から、白い煙を暫く吹き出した後、爆発して木っ端微塵に砕け散る。 地下洞窟「百戦錬磨の穴」では水辺があるため、青ピクミンが少ないと苦戦を強いられる。また、エリア自体が狭い事もあり、待機させる場所に気をつけないと、待機中のピクミンが狙われる危険性も高まる。 4本の足の内、1本が機械化されており、これが関節を無視した可動範囲を持つため、常にこの足を軸として先に移動させる。移動速度もかなり早い。 謎が多く、蒸気のような煙を噴き出しながら活動するものの、何の機械が融合したのか、どのように融合したのか、何を捕食し、何を機械の動力源にしているのかなどは全く明かされていない。 作中でドルフィン初号機は、この生物を「機械化怪虫」と呼んでおり、生物と機械が共生していた事を目の当たりにして「この星の生態系はとんでもない」と驚愕している。 日本語版のルーイメモには「ほとんど機械なんですけど……」と食用にできず諦めたことが分かる内容が記されていたが、英語版では「肉は少し金属面に残っていて、オイルがグレービーソースや滑らかなフレンチソースになる」とあり、全く食べるところがない訳ではない模様。 ゾウノアシ 【和名:スソビロツユハライ 科:ダマグモ科】 【英名:Raging Long Legs】 登場作品:2 体長:未記載/270㎜ 地下洞窟「百戦錬磨の穴」のボス。VSモードの「カクカクコース」にも登場するマップがある。 「象の脚」という名のとおり、ダマグモよりも大きな足と頭部を持つ。結果的に踏み潰しやすい形状になっているが、これは地ならしを目的としたものであるという説もある。 大きな体が災いして極端に動きが遅く、胴体兼頭部が大きいため、紫ピクミンでも投げ付けが届きやすいが、ピクミンを振り払った直後のみダマグモを上回るかなりの速度で足踏みをしながら踏みつけてくる。また、耐久力はダマグモキャノン程ではないが、それでもダマグモとは比べ物にならないほど高い。 体を作る材質はダマグモと異なりシリコンを主とし、体表は黒い地色に毒々しい紫色の艶を持つ。 倒すとダマグモ同様、頭がくす玉のように割れてお宝を落とし、そのまま消滅してしまう。なお、お宝を回収済みの場合、大量のタマゴムシを撒き散らす。 ゾウノアシの足の攻撃当たり判定はダマグモと同様に他生物にもあり、カクカクコースにおいて、ゾウノアシに踏みつぶされた生物は即死する。 ルーイメモによると「煮ても焼いても錆臭さが抜けず、食べられたものではなかった」とのこと。だが、死ぬとすぐに消滅してしまうこの生物をどのように調理したのかは謎のままである。オリマー曰く「冷凍することで消滅せず解剖できる」という可能性があるようで、そういった方法を用いて調理したとも考えられる。 ケダマグモ 【和名:オグシツユハライ 科:ダマグモ科】 【英名:Shaggy Long Legs】 登場作品:3 「始まりの森」、「迷いの雪原」の中ボス。 その名の通り胴体部分と脚の関節部分が体毛で覆われたダマグモで、普段は木の上などでじっとしているが、地上の縄張りを侵すと上から降ってきて地面を踏み鳴らしながら威嚇を行う。本体を攻撃するには脚部分からピクミンを登らせ、体毛を引き抜いて胴体を露呈させる必要がある。胴体が露呈した後は胴体に直接ピクミンを投げ当てる事も可能。 常に動き回る上に関節を攻撃して体毛を全て剥がしてしまわないと決定的なダメージを与えられず、張り付けてもあまり多くピクミンを張り付かせられない上、すぐに払われてしまうため、前2作に登場したダマグモと比べ、苦戦しやすく長期戦になりがちである。 なお、「始まりの森」の個体は黒く、「迷いの雪原」の個体は白い色をしている。これは地域の特性によるもので、体色以外に大きな違いはない。 『ピクミン3 デラックス』のサイドストーリー「オリマーの冒険ふたたび」のラストステージでは、金色の個体が登場し、こちらは足の部分が巨大化している。 ルーイメモによるとダマグモ同様「注意!食べられません」と書かれている。 ハゲダマグモ 【和名:ハダカオグシツユハライ 科:ダマグモ科】 【英名:Baldy Long Legs】 登場作品:3 名の通り、毛が抜けたケダマグモ。抜け落ちた毛が生えることは無いため、別の名前で呼ばれ区別されている。ミッションモードでは最初から毛のない状態で登場する個体も存在する。 この状態になると姿形もダマグモに酷似するが、甲殻表面からロウが分泌されておらず独特の木目のような模様は見られない。また、くす玉状の胴体の割れる向きが横向きであるなど、両者を見分けるための特徴は比較的分かりやすい。 『ピクミン3 デラックス』のサイドストーリー「オリマーの冒険 ふたたび」のラストステージでは、金色の個体が登場するが、体色以外に大きな違いはない。 ルーイメモによると毛を毟っても食用に適さない模様。 ショイグモ 【和名:セオイカナエグモ 科:ショイグモ科】 登場作品:2 体長:未記載/54㎜ 運搬数:3(全種共通) 自分の数十倍の重さのものから仲間の死骸まで、動かせるものなら何でも背負う。捕食するものは主に草木の汁。 普段はおとなしい性格で、草むらの中などに隠れていることが多い(生物図鑑より。実際に草むらに隠れている様子は見られない)が、危険になると攻撃する。その点は全てのショイグモに共通した特徴である。サクレショイグモ以外は、ピクミンから逃げるように動くという点も共通している。 背負う物は特に選り好みせず、背負える物なら何でも利用する。他生物の死骸も背負うことがあるが、餌にはしない。 なお、以下の5種は全て同一の種で、進化の過程においてそれぞれのタイプに分化、変化したものである。 ベニショイグモ 赤いショイグモ。 身の危険を感じると自衛のため可燃ガスを吐きだし、あごを火打石のように打ち着火し、炎を吐き出してくる。 死体は古くなると自然発火するらしい。 キショイグモ 黄色いショイグモ。 体内に発電器官を持ち、身の危険を感じるとその電気を放電する。 ルリショイグモ 青いショイグモ。 身の危険を感じると、金属の酸化を促進する液体を吐き出す。オリマー達が液体に当たると、ダメージは受けないが移動以外は一時的に行動不能となる。 ルーイメモによると、他のショイグモに比べて水っぽく味が薄いとのこと。英語版では食用にできない設定であり「食べた場合、腕の震えの症状が出る」と有毒性を指摘されている。 ムラサキショイグモ 紫色のショイグモ。 身の危険を感じると、混ざると毒性を持つようになる2種類の液体を、体外で合成して毒ガスとして放つ。 他のタイプのショイグモに比べ、耐久力が高め。 ルーイメモでは「火にかけてもガスの成分は消えにくく、食用には向かない」とのこと。 サクレショイグモ 黒い体に黄色と黒の縞模様の脚を持つショイグモ。 敵を見つけると、背中に背負ったバクダン岩に点火した上で迫ってくる(体力ゲージがタイマーになっており、ゼロになると爆発し、死亡する)。非常に攻撃的な点で、他のショイグモ科の生物とは性格が大きく異なる。 ショイグモ科は背負ったものにより性格を影響されやすいためバクダン岩という危険物に影響されていると考えられる。 天井から突然落下してきてピクミンたちを襲うもの、待機していてオリマーやピクミンが近づくと襲ってくるもの、死角から突然現れて襲ってくるものがいる。 生物図鑑で爆発する瞬間にZボタンを押すと画面がフリーズする。 日本語版のルーイメモでは食用になるが、英語版では食用にできない危険物扱いとなっている。 ヘラクレスオオヨロヒグモ 【和名:ヤタシオオヨロヒグモ 科:ショイグモ科】 【英名:Titan Dweevil】 登場作品:2 体長:未記載/322㎜ 地下洞窟「夢の穴」のボス。 『2』のラストボス的生物(地下洞窟に入る順番はプレーヤーの任意で決まっていないため)で、ルーイを捕まえていた(ドルフィン初号機は「ルーイがこのクモの脳をジャックしていた」と説明している)。他のボスのものとは異なる専用のBGMがある。 ショイグモ科の中で最大の生物で、さらにゲーム中に登場するものは、偶然兵器のような4つのお宝「フレア・キャノン」「モンスター・ポンプ」「マイナスイオン・コンバータ」「ケミカル・ウエポン」を背負い、それらから何らかの影響を受け、突然変異した種である(生物図鑑でオリマーは「背中に背負った薬品瓶が遺伝子に影響を与えた可能性がある」とも記している)。 その影響として、元から大きな体躯がさらに異常発達・巨大化し、また元来は温厚だった性格が大変凶暴なものになった。本来は巨体のため外敵がおらず、草食性のため狩りをする必要もないので、背負ったものに性格が影響されるというショイグモの特性による性格の変化だと推測される。 選り好みしない他の種に比べ、つやのある物を好んで背負う傾向がある。 背負ったもののそれぞれは、火・水・電気・毒という、ゲーム中に登場するピクミンにとっての全ての無機的脅威であり、ピクミンの掃討には非常に適した形となっている。 武器はあまりに強力なため、強化された宇宙服でも、ダメージは受けないが防ぎきれずに一瞬ひるんでしまうほど。 武器があるうちは最強のボスであるが、全ての武器を失うと腕を使った振り払い以外、これといった攻撃ができない最弱のボスとなる。また、武器を背負った状態であれば、体色が黒みがかった銀色になっているが、武器を失うと薄い茶色に変わる。 倒されると、大量の泡のようになり、地面に落ちていく。ゲキニガスプレーで石化させて倒すと、ウジャダニほどではないがゲキニガとゲキカラのエキスを大量に落とす。 作中では「悪夢の大怪虫」とも呼ばれており、オリマーも「一個体の生物としてはまさに万能だった」と語っている。この事から同ゲームにおける最大の強敵である。 ルーイメモによると脚は煮ても焼いてもどう調理しても美味らしく、英語版では「風味豊かで歯応えも良い」とのこと。 公式サイトの人気投票(敵キャラ部門)ではダマグモキャノンと並び人気で、その結果1位に輝いた。
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