アルマゲスト【Almagest】
アルマゲスト
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『アルマゲスト』(英: Almagest)は、ローマ帝国時代にエジプト・アレクサンドリアの天文学者クラウディオス・プトレマイオスによって書かれた、天文学の専門書である[1]。本書で展開された天動説と円運動に基づく天体の運行の理論は、1000年以上にわたって数理天文学の基礎として、中東およびヨーロッパで受け入れられた。本書は天体の運行の幾何学的なモデルを中心に、観測や天体の位置の計算、必要とされる数学や簡単な宇宙論まで、天文学を運用するのに必要な知識を広く網羅し、体系的に解説している。
- ^ “ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説”. コトバンク. 2018年2月10日閲覧。
- ^ 藪 (1982): 581頁。
- ^ “What we know of Ptolemy's biography”. Alexander Jones's website. Ptolemy and his Geography. 2005年4月11日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2005年4月23日閲覧。
- ^ ジャービル・ブン・アフラフは『アルマゲスト修正』で、『アルマゲスト』の惑星のモデルによれば両者の軌道面は交わるとして、この議論を退けた。
- ^ Toomer訳p.419 注2及びGOLDSTEIN, B.R. (1969), Some Medieval Reports of Venus and Mercury Transits. Centaurus, 14: 49-59. 後者の文献にもあるように、水星の太陽面通過は肉眼では観測不可能だが、金星はなんとか観測は可能。姫路科学館の解説なども参照。
- ^ 先の注釈の通り、ジャービル・ブン・アフラフは『アルマゲスト修正』で太陽と水星、金星の順序に異議を唱える。この議論はラテン語にも訳され、一定の影響はあった。
- ^ Steele, J.M., Eclipses: Calculating and Predicting Eclipses :in Sekin, H., et. al. ed., Encyclopedia of Science, Technology, and Medicine in Non-Western Culturees, Springer, 2008
- ^ 従円の中心を運動させる。以下のリンクの「出差」の項を参照。https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/A5A2A5EBA5DEA5B2A5B9A5C8.html
- ^ 同じくギリシア系の天文学で、『アルマゲスト』とは独立に発達したインドの体系も同様であった。
- ^ 精度のよい近似近似は12-13世紀のWabkanaiによって、厳密な扱いは14-15世紀のアル=カーシーによってなされた。
- ^ この数値については、下記文献の p.92を参照。Shank, M. H., Regiomontanus and Astronomical Controversy in the Background of Copernicus, in Rivka Feldhay, F. Jamil Ragep ed. Before Copernicus, The Cultures and Contexts of Scientific Learning in the Fifteenth Century, McGill-Queen's University Press. (2017)
- ^ NASA planet fact sheets のVenus fact sheet https://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/factsheet/venusfact.html 及び Mars fact sheet https://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/factsheet/marsfact.html のObservational Parametersに、地球との最小距離と最大距離がある。ただし、この比率が偶然近いことは、ただちにプトレマイオスの精確さを意味しない。一方、平均距離に基づく推計を挙げている解説もあるが、それは明らかな過小評価になり、プトレマイオスの離心円による理論よりも、精度はおちる。
- ^ 金星と太陽の順序を入れ替える議論もあったが、その場合は常に太陽を正面にうける。また、惑星が自ら光を発するという議論もあった。いずれの場合も、距離の変動がそのまま明るさの変動に直結する。
アルマゲスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 07:56 UTC 版)
本作における主要な敵に位置する魔術結社。三百年以上前から存在しており、西欧を中心に活動する、近代魔術の最高峰とも謡われる権威ある組織である。名前はプレイトマイオスの「大星表(アルマゲスト)」に由来する。その名のとおり元々は占星術を扱う者たちで構成されていたが、貪欲に様々な術者を募った結果、今の形に落ち着いた。首領の仇である和麻を憎んでいる。和麻曰く、所属する魔術師たちは全員が最悪の愉快犯らしい。なお、魔術師だけが所属しているわけではなく、何も知らない一般人のみで構成されている支部も存在する。ヴェルンハルト・ローデスを筆頭にする高位魔術師たちの会合――「評議会」が運営を行っている。アーウィン・レスザールは存在そのものが疑わしく思われており(後述)、アルマゲストにおいて最高峰の魔術師はヴェルンハルト・ローデスであると見られている。 アーウィン・レスザール 声 - 小西克幸 魔術結社アルマゲストの首領。見た目20歳代、実年齢300歳以上の「絵に描いたような美男子」。本編開始時点で故人のため和麻の回想にしか登場しない。 術者であれば知らぬ者のない世界最高の魔術師であり、近代魔術の基礎を築き、失われた数々の術やその理論を復活させるなど多くの功績をあげた。ここ500年で最高の魔術師と評価する者もいる一方、その実在すら疑う向きもある。そのため「アーウィン・レスザール」という名は組織の長が襲名するもの、あるいは象徴的な存在としてみているのが一般の見解である。人前に姿を見せることがないのもそれに拍車をかけている。 首領については謎の部分が多く、大魔術師アグリッパの直弟子だとか、サン・ジェルマン伯爵その人だとか、魔術の世界において非常識な謎に包まれた人物である。 約四年前、和麻の目の前で、恋人・翠鈴(後述)の心臓を抜き取り悪魔に生け贄として捧げる儀式を行った。翠鈴を助けにきた和麻を圧倒し、「障害にすらならなかった」ことを告げる。そして虫型の使い魔に始末を任せ、部下を率いて立ち去った。これは当時、まだ魔術を扱えなかった和麻にとって風術に目覚めるきっかけとなり、『神凪和麻』最大の敗北として脳裏に刻まれている。それから約二年後、復讐のために最強の風術師となった和麻に敗れる。その身体は100グラム以上の塊が無くなるまで徹底的に斬り刻まれた上、魂は契約していた悪魔に地獄に引きずり込まれ、奴隷としてコキ使われているか力に還元されて消滅したからしい。恋人を奪ったように彼自身も魂まで存在を抹消されてしまった。 イラストレーターの設定資料ではハネのあるロングヘアーの美男子だった。また漫画版でも一コマだけ素顔が描かれている。 ヴェルンハルト・ローデス 声 - 堀内賢雄 4巻と5巻に登場。アルマゲストの実質的な運営機関である「評議会」の議長。 首領アーウィン・レスザールは実在すら疑われているほどなので、一般からはヴェルンハルト・ローデスが世界最高の魔術師であると評されてきた。 道化た仮面で素顔を隠し、大仰なマントを羽織りヴェサリウスと名乗って、日本でインターネットを使った妖魔憑依実験を行った。その本質は愉快犯で、何を考えて行動しているかよく分からない。特に演出に物凄くこだわっている。また、無意味に高性能なものを使いたがる。 目的は実験だったらしいが、真意は不明。内海を見て「容姿に問題なければ素体の候補にしたい」と意味深なことを話していた。首領の仇である和麻を苦しめることも目的のひとつ。 臆病だと思えるほどに慎重な性格だが、同時に自己保身にも長けており大胆な行動を取る。拉致した煉と対峙した際は「炎術師と戦えば三秒で殺される」など、恥じることなく客観的に自分を見ることができる。実力に関しては原作・アニメ共に戦闘描写がないため不明だが、大魔術師となった内海に勝てるくらいには強い模様(アニメ版では内海に勝ったことが語られている)。 大勢の命を犠牲にしてベリアルの片腕を召喚し、その余波で一帯に甚大な被害が発生するはずだったが和麻たちに阻止された。ほとんど戦う力もないほど疲弊しきった彼らの前に別れの挨拶のために姿を現した。ベリアルの召喚を行ったのも「挨拶のための理由のひとつ」と語っている。 疲弊しきった和麻たちを前にしても「勝てる気がしない。ベリアルの片腕を撃退する非常識さを見た後だと尚更」と言い、手を出すことなく撤退していった。なお、アニメ版では密かに駆けつけた厳馬が後方から睨みを利かせていたため、「コントラクターに匹敵する力を感じる」と評し撤退を余儀なくされた。 後述のミハイルと同じく、空間に干渉する魔術に長けている。ただし精密さはヴェルンハルトのほうが高いようで、空間に干渉して出口のない迷宮に閉じ込めたり、遠く離れた場所に通路を作り出入り口を形成したりすることが可能。警視庁特殊資料整理室によって魔術の類が封じられた場所にも平然と術式を展開して内海を助け出した。しかし、さすがのヴェルンハルトも迷宮を和麻に破られた時は驚愕を露わにしていた。 アニメ版では仮面のデザインが若干異なる。 技一覧 空間干渉 警視庁の牢獄から内海を救い出す際に使用。術式を封じる部屋に当然のように干渉して出口を作り内海を救い出した。 次元迷路 トラップの一種。空間がめちゃくちゃに歪んだ異次元の迷路を生み出す。和麻の力であっても出口は見つけられず苦戦させたが、本来の次元にいる煉の声が届き、それを目印に迷路の一角を破壊され現実世界に帰還されることで破られた。 コピー精製 魔術の類なのかは不明だが妖魔や人間のコピーを生み出す。地獄の大公爵ベリアルをコピーした妖魔を電子化し、インターネットを通じて多くの少年・青年たちに憑依させた。また自我が崩壊して抜け殻になった内海にまで精神のコピーを生み出し、それを新たな人格として操った。 ラピス創造 翠鈴の残留思念からラピスを生み出した。コピーと同じく方法は不明。容姿や振る舞いは本物に近い精度であるが、それは「システムとしてそう設定されているだけ」で心があるわけではないという。 転移術 テレポート。和麻たちの前から姿を消す際に使用した。 ラピス 声 - 牧野由依 4巻と5巻に登場。翠鈴(後述)の残留思念からヴェルンハルト・ローデスが作りあげた人形(コピー)。ゴシックロリータ調の黒いワンピースを着ている。ヴェルンハルトの側近として常に付き従う。 対術者専用の戦術・技術を徹底的に叩き込まれており、武器として使う巨大な水晶の剣は精霊魔術を吸収する特性を持っている。魔術そのものは水晶の剣で吸収し、大技を使わせないように常に接近戦で張りつくというスタイルを取る。また剣の実力も凄まじくそれらを以って綾乃と互角以上に戦った(ただし綾乃からすれば、もう少しで勝てるところを和麻に邪魔されたと述べている)。5巻の終盤で和麻から攻撃されそうになるが、翠鈴の演技をすることで攻撃を止めさせ難を逃れている。アニメ版では迷わず殺されそうになったがベリアル召喚が始まったためそうれどころではなくなった。自ら考え、判断する知能は持っているが、そうではない「裡(うち)から湧き上がる感情」=「心」を欲している。唯一身近にいるヴェルンハルト・ローデスからろくでもない思想を吹き込まれ、人を陥れて喜ぶような、かなり問題のある「心」を手に入れつつある。去り際に和麻に大して翠鈴の思いをヒントとして語っており「私は貴方を殺したい」と言い遺した。 必殺技は、巨大な女神の幻像を創造し、虚影の剣を振るって絶大な威力を生み出す一撃。この技によって都庁は崩壊してしまった。ただしこれはラピスの力ではなくヴェルンハルトから与えられた資格者としての力である。クラスは<魔剣士>(ソードマスター)。 原作とアニメでは性格が異なっており、原作では可愛げのあるしぐさや儚げな表情を浮かべることが多いが、アニメでは細目で目つきが悪く口調も終始淡々としており、すでに用済みとなった内海を自らの手で処刑するなどより「邪悪」として描かれている。また服装のデザインも若干異なる。イラスト集ではゴスロリ姿で翠鈴と共に描かれたイラストが掲載され、こちらではアニメに近い顔つきになっている。 技一覧 魔術吸収・解放 水晶の剣身に魔術を吸収し無効化する。取り込んだ魔術は任意のタイミングで解放し攻撃として使用できる。ただし許容量をオーバーすると取り込めなくなる。作中では綾乃の炎術を2発分吸収したが、3発目の全力の炎は吸収しきれなかった。和麻の風の刃も取り込んだことがある。 回転斬り 右手で繰り出した大剣を振り抜き、即座に左手に持ち替え次の攻撃へとつなげる技。大振りの一撃の隙をついた綾乃に対するフェイントとして使用した。 衝撃波 術法ではなく音速を越えた斬撃によって放たれる、純粋な身体能力による技。綾乃戦で使用したが炎術で破られた。 女神の幻像 前述の通り魔剣士としての能力。巨大な女神の幻像を生み出し、水晶の剣を起点に生み出した巨大な剣を振り下ろす。この一撃で万魔殿は真っ二つになり崩壊。巻き添えになった都庁も崩れ去った。 命令・復活 精神コピーと化した内海を操るのに使用。首をはねられて死んだはずの内海を何事もなかったように復活させ、更には「黙る」ように命令までした。 空間転移 音もなく姿を消す転移術。和麻に前に初めて姿を見せた時にも使用したと見られており、ラピスの姿を追った和麻でも行方を知ることはできなかった。 目くらまし(アニメ版) アニメで用いた技。綾乃の周囲を黄金の壁で囲い、その中に自身の姿を無数に移すことで目をくらませる。和麻にすぐに見抜かれ本体が潜んでいる黄金を破壊されて破られた。 洗脳(アニメ版) 最終話の戦闘で使用。事前に洗脳していた七瀬と由香里を盾にするが、和麻の風の刃で洗脳は解かれた。原作ではこの役回りは内海が行っている。 ミハイル・ハーレイ 声 - 喜多村英梨 2巻のみ登場。作中で最初に登場したアルマゲストの刺客。操を利用した実験がてら、和麻を倒そうとした(見かけ上は)黒魔術師の少年。金髪碧眼に小柄で華奢という容貌に見合った、幼い少年の口調で話す。 しかし、優位に立った際には傲岸不遜な本性を現し、追い詰められた時は手段を選ばない老醜な態度を見せていた。熟達の魔術師は全身に妖気を纏うことが可能とされており、ミハイルもまた妖気を細胞にまで染み込ませている。 アーウィン・レスザールの仇を討つよりも、それによって得られる栄光と名誉、地位の方を目的としていた節がある。「超解!」によれば「主であったアーウィンを殺した和麻を憎むと同時に組織内での地位向上を目論んだ」と記されている。また同書には「アルマゲストの魔術師」と紹介されている。 操には自らを「天使」と呼ばせ、正体を隠している。それを知った綾乃からは「変態」と言われた。アニメでは操と出会った経緯が描かれている。 外見とは裏腹に、本質は邪悪。人間(の精神)を壊すことを享楽としており、当初は操を弄んで和麻に嫌がらせをしようとしていた。だが、数百の生気を取り込んでも壊れない強靭な精神に目を付け、本気で和麻を倒すための道具にしようと考え直す。 良心と倫理観を操から奪い取り、妖魔化させてスライムを使役させ、数百人にも及ぶ人間の生気を集めさせていた。生気を奪われた人間は死体も残さず溶解するか、干からびたミイラのような姿となって発見される末路をたどる。 切り札であるヴリトラが破壊され、逃げ場も封じられた時、恐慌寸前まで追い詰められた彼は操を人質に取った。だが、和麻の風によって手足を切断され、踵を叩きつけられて胃を破壊されてしまう。そのまま蹴り飛ばされて蒼炎で完全に焼き払われ、断末魔の叫びをあげる暇もなく完全に消滅した。 アニメ版ではヴリトラを破壊された後、そのまま和麻たちに恨み言を呟いて焼滅するという、原作と比べてライトな結末となっている。そのため操を人質にしたり、醜い本性を現すこともなかった。 術としては、転移(テレポート)が使用できる。この術を使って和麻の風の刃を避けるという芸当を見せた。ほか、操を核として結合させたスライムをドラゴンの形態に変異させることができる。これは操では使用できない。 漫画「紅炎の御子」では最終的な敵として登場。黒幕として操を操りほぼ原作同様の立ち回りを見せ、ヴリトラを用いて和麻たちと一戦を繰り広げる。激昂した際の口調に子供っぽさがあるなど原作とは若干の違いがある。和麻と綾乃の合体攻撃でヴリトラを破壊された後、和麻を前にしてテレポートを用いて逃げるが転移先に待ち伏せされ、こんな芸当ができるのは契約者だと理解すると同時に風の刃によってバラバラにされ、最期は炎に焼かれて焼滅した。 技一覧 スライム使役・ヴリトラ創造 スライムを使役し白銀の巨竜ヴリトラに擬態させる。核には数百人の生気を吸い取った操が用いられており、これは操は使用できない。ヴリトラを倒すと操まで死んでしまうという。 洗脳 対象の倫理観を奪い取り、更にはミハイルに絶大な信頼を寄せさせる。良心を失った操は暴走し「復讐のためならばすべてが許される」と思い込み、数多くの罪なき人々や実の父親まで手にかけることとなった。 飛行 和麻にも知覚されない高度まで飛行できる。文字通り高みの見物を決め込み操が追い詰められるまで静観していた。 転移術 和麻の風の刃を避けたり、ヴリトラ破壊時に使用。特殊資料整理室の面々によって転移を封じる結界が張られていたが問題なく使用できる(結界にそれだけの精度がなかったため)。敗北した際に逃げようとしたが、原作では術式を和麻に破壊されて術が起動できず、漫画版では転移先に待ち伏せされて破られた。アニメでは転移する前に死亡。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/20 14:46 UTC 版)
『光焔』と異名を取る火の長老。セファイドの面影が濃く残る女たらし。長老になって間もない。
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