音速
音速とは、物質中を伝わる音波の速度を指す物理学の用語である。音波は、物質の粒子が振動することで伝播し、その速度は物質の種類や状態により異なる。例えば、気体中では温度により音速が変化し、水や鉄などの固体中では音速はさらに高くなる。音速を超える速度を持つ物体は、音響現象であるソニックブームを引き起こす。音速は航空機の設計や音響学、気象学など多岐にわたる分野で重要な概念となっている。
音速
音速(おんそく)とは、音が物質を伝わる速さのこと。一般的には「空気中を音が伝わる速さ」を指し、おおむね毎秒340メートルである。音速の単位はマッハ(Mach)である。
音速の定義の詳細
ふつう「音速」といえば空気中を音(=音波)が伝わる速度を指すが、音波は気体に限らず固体や液体を媒介して伝わる性質もあり、そのような速度も「音速」に該当する。水は空気の約5倍、氷は空気の約10倍の速さで音が伝わる。音速は条件により変動する
空気中の音速は、0℃(摂氏0度)かつ1気圧の場合、毎秒331.5メートルである。ただし、空気中の音速は気温の影響を受ける。気温が上がると音速はわずかに速くなる。摂氏1度上がるごとに毎秒0.6メートルずつ増す。音速の単位は「マッハ」
マッハは音速の倍数を表す単位である。「マッハ1」と「音速」が同義であり、「マッハ2」は「音速の2倍」であることを意味する。摂氏20度の時のマッハ1は秒速340m前後、時速1,225km前後。「超音速」
音速(=マッハ1;秒速約340m)を超えると「超音速」と言われる。「音速の壁」とは
音速の壁(もしくは音の壁)とは、航空機の速度が音速を超えようとする(超音速の域に達する)際に、飛行継続を困難にする抵抗・揚力などの物理的障害のことを指す。音速を超える場合にこの障害を突破する必要があることから、「壁」という表現が使われている。音速
媒質のなかを音が伝わる速さのこと。音速をCとすると、c=(K/ρ)1/2で表される。ここに、Kは媒質の体積弾性率、ρは媒質の密度である。空気中の場合、音速をcair、温度をt℃とすると、cair=331.5+0.6t(単位はm/s)である。この値は常温では340m/sとなる。
音速
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/28 01:37 UTC 版)
音速(おんそく、英: speed of sound)とは、音が物質(媒質)中を伝わる速さのこと。
注釈
出典
- ^ [1]
- ^ 航空機や飛行などに関する解説本でも、15℃で340(m/s)として解説するのが最も一般的。
- ^ 物理の教科書でシェアが特に高い数研出版を含め、いずれの教科書でも一般的。また参考書類でも同様。
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音速
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 15:53 UTC 版)
詳細は「音速」を参照 音波を伝える速さは物質によって異なり、しばしば物質の基本的な特性として示される。一般的に、音速は媒質の弾性率と密度との比の平方根に比例する。これらの物理特性と音速とは周囲の状況によって変化する。例えば、大気などの気体中の音速は温度に依存する。大気中の音速はおよそ 344 m/s であり、水中では 1500 m/s、鋼鉄の棒では 5000 m/s である。音速は振幅(音の大きさ)にも僅かに依存する。これは倍音の弱い成分や音色の混合など、非線型の伝達効果のためである(en:parametric arrayを参照のこと)。
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音速
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/22 03:02 UTC 版)
音波の速度は音速である。音速は媒質の密度と圧力によって変化するため、空中での音速であるマッハ速度も、主に高度の違いや温度、湿度などの気象条件によって大きく変化する。
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音速
「音速」の例文・使い方・用例・文例
- そのジェット機のスピードはほぼ音速に等しい
- 音速
- そのジェット機は音速に近いスピードで飛ぶ。
- 超音速ジェット機の発達につれて世界はますます小さくなりつつある。
- 新しい飛行機は音速の二倍の速さで飛ぶ。
- その飛行機は超音速で飛べる。
- その飛行機は超音速で飛ぶことができる。
- このジェット機は音速の約三倍で飛ぶ。
- 新型[世代]の超音速旅客機.
- 極超音速輸送機.
- 音速で.
- 音速.
- 亜音速.
- 超音速.
- 超音速機.
- 音の速度で, 音速で.
- 戦闘機は音速の 2 倍以上で飛んだ.
- (速度について)海面空気での音速とほぼ等しい速度であること、あるいはその速度によって引き起こされた
- 音速以下の速度で飛ぶ航空機
- (速度について)与えられた媒体(特に空気)において音速よりも速く
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