歯垢 歯垢の概要

歯垢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/02 02:59 UTC 版)

歯垢の一例。歯と歯肉との境の黄色い部分が歯垢である。

概要

歯垢
歯垢の有機質成分は約70 %が微生物で、その大半は細菌(口腔常在菌)とその代謝物である。
口腔内の清掃状態によって細菌が変化し、歯周病う蝕など様々な疾患の原因となる他、口臭等を誘発する事が知られている。
口腔内の歯垢の分布は、歯垢染色剤によって容易に調べることができる。
日常的な口腔清掃(歯ブラシデンタルフロスなど)によって大部分を除去できるが、全てを除去することは困難である。
除去しにくい部位(特に歯の噛み合わせの面、歯と歯の間の面、歯と歯茎の間)は、歯垢が蓄積した結果、う蝕歯周病の好発部位となるので、歯科医院でPMTCを定期的に行うのが望ましい。
歯石
歯垢が石灰化し、歯表面に張り付いたものを歯石と呼ぶ。歯科医院等でなければ除去は難しい。

細菌

歯垢の細菌は、その時期により大きく変わる。歯垢付着直後は通性嫌気性菌が多いが、成熟するにつれ、偏性嫌気性菌が増加する。

歯垢の細菌については「口腔細菌学口腔微生物学)」を参照。

う蝕

歯垢の増加はう蝕(虫歯)の大きな要因となる。食事を摂取後、しばらくの間、歯垢のpH(水素イオン指数、溶水の酸性、アルカリ製の程度)は歯の脱灰の臨界pH(一般に5.5前後とされるが、歯の石灰化度により大きく変動する)を下回る。これは歯垢を構成するう蝕原因菌が食料の糖質代謝により酸に変えるためであり、産生された酸により歯が脱灰され、う蝕となる。なお、このpHは唾液の作用により数十分後には臨界pHを上回る。これを再石灰化という。

歯周病

歯垢の増加は歯周病の大きな要因ともなる。歯周病は大きく歯肉炎の段階と歯周炎の段階に分けられるが、数日歯を磨かないと歯垢がたまって容易に歯肉に炎症が起きる。この段階で口腔内を清潔にすると歯肉炎は治癒する。

脚注

[脚注の使い方]

出典

関連項目


  1. ^ 歯垢(しこう)と歯石(しせき)の違いって? アパガード 2021年7月28日閲覧。


「歯垢」の続きの解説一覧




歯垢と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「歯垢」の関連用語

歯垢のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



歯垢のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの歯垢 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS