有理標準形とは? わかりやすく解説

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有理標準形

(frobenius normal form から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/28 19:23 UTC 版)

線形代数学において、 F の元を成分とする正方行列 A有理標準形(ゆうりひょうじゅんけい、: rational (canonical) form)あるいはフロベニウス標準形(ふろべにうすひょうじゅんけい、: Frobenius normal form)とは、体 F 上で相似な行列の標準形である。この標準形は、自然に作用するベクトル空間の行列 A に関して巡回的な(つまり、あるベクトル vA の冪による Av, A2v, … により生成される)部分空間への極小分解を反映したものである。所与の正方行列からは唯一つの標準形しか得られず(それゆえ〈標準的〉で)、また正方行列 A, B が互いに相似となるのは A, B の有理標準形が一致するとき、かつそのときに限る[1]。また、この標準形は行列成分の有理演算のみに依って(それゆえ〈有理的〉に)見つけることができる[2]。とりわけジョルダン標準形とは異なり多項式の分解を必要とせず、これは行列の相似性が体の拡大に関して不変であることを示している。この標準形の名前はドイツの数学者ゲオルク・フロベニウスに因む。




注釈

  1. ^ たとえば五次行列 は複素行列として対角化可能であるが、固有方程式 x5x − 1 = 0代数的に解けないので、固有値を代数的に求めることはできない。
  2. ^ たとえば二次行列 , の有理行列としての相似性を示すのに複素対角行列 は直接の役には立たない。

出典

  1. ^ Hoffman & Kunze 1971, p. 238, Theorem 5.
  2. ^ Hoffman & Kunze 1971, p. 239.


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