TSR時代(1973年 - 1997年)
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「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の記事における「TSR時代(1973年 - 1997年)」の解説
こうして誕生した「初代」の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』が世の中に初めて出たのは1973年のゲームイベントEasterConの会場でのことである。この時点でのD&Dはまだ私家版のゲーム的なもので数もごくわずかしか刷ってなかったが、その手応えを上々とみたガイギャックスとケイの両名は正式に商業出版に乗り出すことを決意。1974年にブライアン・ブルーム(Brian Blume)の融資を受け三者共同経営とし、1,000部を刷り販売を開始した。D&Dは、ゲームファンだけでなく、ファンタジーなどのファンにも注目され、瞬く間に大ヒットを記録することになる。販売から二年後の1975年にはドン・ケイが心臓発作により死去したため、ケイの分の持ち株はメルヴィン・ブルーム(Melvin Blume)が買い取り、ブルーム家が経営権の過半を握る事となった。この過程で社名がTSR Hobbies, Inc.に変更された(後にTSR, Inc.に改名)。1977年に新生TSR社はガイギャックスたちが作り出した『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のルールを大幅に改訂し、上級者向けの『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』と入門者向きの『クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ』(1985年に株式会社新和により日本語翻訳されたシリーズ)の二つのシリーズのラインで新たに展開を始めた。以後のガイギャックスは『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』の製作に関わっているので、実際にオリジナルのD&Dの思想を受けついているのはこちらである(アーネソンはTSR Hobbies, Inc.の製品には関わっていない)。 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』はアメリカだけでなく、欧米諸国を中心に広まっていった。ロールプレイングゲーム自体の知名度も高まり、様々なメーカーから独自のロールプレイングゲームが発売され、また、テーブルゲームではなくコンピュータゲームとしてのロールプレイングゲームも開発されるようになっていったが、それでもなお『ダンジョンズ&ドラゴンズ』はRPGのスタンダードという地位を保ち続けた。ドラゴンランスなどのゲームを元にした小説も世界的なヒットを成し、1980年代まではTSR社はRPG界では著名な存在であり続けた。1986年10月にガイギャックスはTSR社を離れており、この頃の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』はすでに新しい世代によって作られているものであった。 TSR社は1990年代半ばに財政危機に見舞われ、最終的には1997年にウィザーズ・オブ・ザ・コースト社に商品の権利とともに買収されて歴史を閉じた。 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』黎明期にあった、この作品に対する誤解や批判や陰謀論はダンジョンズ&ドラゴンズに関する論争を参照。
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