TSSの歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/09 02:50 UTC 版)
「毒素性ショック症候群」の記事における「TSSの歴史」の解説
トキシックショック症候群(TSS)は1978年にJames K. Toddによって命名された。ニューヨーク大学ランゴーン医療センター(英語版)の臨床微生物学・免疫学部長であるフィリップ・M・チエルノ(Philip M. Tierno Jr.)は、1980年代初頭に、TSSの発症の背景にタンポンの存在があることを明らかにした。チエルノは、1978年により吸収性の高いタンポンが導入されたこと、およびタンポンを一晩着用することを推奨するメーカーの比較的最近の決定を、TSSの発生率の増加の原因とした。しかし、その後のメタ分析では、タンポンの吸収性と化学組成はTSSの発生率と直接相関していないが、酸素と二酸化炭素の含有量はより強く関連していることが明らかになった。 米国食品医薬品局は、タンポン使用時にTSSを発症するリスクを減らすために、以下のガイドラインを提案している: タンポン挿入時にはパッケージの指示に従う 自分にとって必要な、最も吸収性の低いものを選択する(吸収性のテストはFDAによって承認されている) タンポン使用のガイドラインと指示に従うこと(箱のラベルに記載されている) レーヨンではなく、綿や布製のタンポンを使用することを検討する タンポンは少なくとも6~8時間ごと、または必要に応じて頻繁に交換する タンポンとナプキンを交互に使う 夜間や就寝時のタンポン使用を避ける TSSなどタンポンに関連した健康リスクの警告表示に対する意識を高める(危険因子に気付いたらすぐにタンポンを取り外す) イギリスとアメリカでは、タンポンに起因するTSSの症例は非常に稀である。チエルノの研究によると、すべてのコットン製のタンポンはTSSが発症しにくいという結果が出ている。これは、従来のコットン/レーヨンタンポンやナトラケア社の100%オーガニックコットンタンポンを含む20ブランドのタンポンを直接比較して行われた。実際、チエルノは、「結論から言うと、合成素材のタンポンではTSSが発生する可能性があるが、すべてコットン製のタンポンでは発生しないということだ」と述べている。
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