TDR250とは? わかりやすく解説

ヤマハ・TDR

(TDR250 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/09 00:50 UTC 版)

ヤマハ・TDR(ティーディーアール)とは、ヤマハ発動機が製造販売していたオートバイであり、シリーズ車種として数車種が生産されていた。

概要

1988年水冷2サイクルエンジンを搭載したデュアルパーパスモデルとして登場した。TDRとは「Twin Dirt Racer」(ツインダートレーサー)それぞれの頭を取って名づけられた。

モデル一覧

TDR250(2YK)

ヤマハ・TDR250

TDRシリーズのトップモデルであるTDR250は、1987年に開催されたファラオラリー風間深志によって250ccクラス優勝を果たしたマシンを原型とし、1988年1月に登場。同社のレーサーレプリカTZR250と同じ水冷2サイクル並列2気筒(1KT)エンジンを搭載。タンクと一体デザインのボディマウントカウルを装備。最高出力はTZRと同じ45psを維持しながら、減速比を高めにセットし、加速性能重視とした。よく整備された車体と熟練したライダーの組み合わせなら、ノーマルでも0-100km/hは5秒弱をマークできるほどである。ホイールはスポークながらF110/90-18、R120/80-17サイズのタイヤを履き、前後シングルディスクを装着した。特にフロントブレーキは320mmもの大径ディスクにフローティングされたキャリパー、更にはオフロードでの使用も考慮して、バリアブルタッチブレーキシステムと呼ばれる、キャリパーのピストンにかかる圧力をブレーキレバーの入力比によって変化(入力が小さい時は圧力を小さく、入力が大きい時は圧力制限をキャンセル)させる装置も搭載された豪華なものであった。オフロードモデルに相応しい走破性と、TZR譲りの高い動力性能で人気を博した。

TDR80(3GA) / TDR50(3FY)

ヤマハ・TDR50
基本情報
排気量クラス 原動機付自転車
車体型式 3FY
エンジン 49 cm3 
内径×行程 / 圧縮比 __ × __ / __
最高出力 7.2ps/10000rpm
最大トルク 0.58kg-m/8000rpm
車両重量 92 kg
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TDR250の弟分であるTDR80/50は1988年7月に登場。同社の50ccスポーツRZ50DT50に搭載されていた水冷2サイクル単気筒エンジンを中低速向けにセッティングして、φ25.4mmの大径鋼管セミダブルクレードルに3点リジット懸架搭載方式で搭載。特にシリンダヘッドの懸架はフレームの剛性向上と体感振動の低減に寄与している。サスペンションはフロント最大140mm、リヤ最大130mmのホイールトラベルを確保し、リヤはモノクロスサスペンションを採用。タイヤ、ホイールは3本中空スポークの軽量アルミキャストでフロント:3.50-12-2PR、リヤ:100/90-12 48J。ブレーキは前後203mmのディスクブレーキを採用し、TDR250のイメージを踏襲したデザインで全容量8Lのガソリンタンクにボディマウントのカウルを装備し、タコメータが標準装備されていた。電装は6V。最高出力は80cc版で10ps、50cc版で7.2psを発揮していた。カラーリングはホワイトとソフィアイエロー。のちに80cc版にヤマハ ブラックが追加。オプションでリヤキャリア、アンダーガード、ハイグリップタイヤ等が設定されていた。1990年登場のTZR50に同系エンジンは受け継がれる

TDR125

TDR125は1993年に発表されたが、このモデルはイタリアのベルガルタ・ヤマハ(当時)で生産が行なわれて欧州市場向けに発売されており、TDMシリーズ譲りの車体デザインが施されていたため、日本国内で販売されていたTDRとは系統が異なる。したがって250や50/80とは違い、TDMシリーズの流れを汲む丸目二灯のヘッドライトが特徴的である。DT125Rを現在でいうモタード仕様に仕立て上げた造りで、輸入車として発売された日本でも人気を博した。

TDR125は大きくは1989年以降イタリアで作られたものと、1997年以降日本国内で作られ日本国外向けに輸出されたものの2種類に分類できる。前者(3SH)はヤマハが1986年に技術援助契約・1992年に資本参入した現地法人ベルガルダヤマハ製造のものが1993年からレッドバロングループによって輸入され日本に広まった。また初期にはキャストホイールを履いたTDR125Rも少数ではあるが輸入された。

後者の国内生産の輸出版(5AN2,4GX5)は形はTDMに似ており電装も直流12Vで一つ上のクラスの風格がある。しかしヨーロッパの規制(15ps)に合わせ電気的なリミッターがついておりYPVSの機能が制限されている。最近[いつ?]レッドバロンで販売されている02モデルはさらにリミッターが強化され(8ps)馬力の損失が大きい。しかし日本国内生産なので、ヤマハ(磐田)からほとんどのパーツを買うことができるためその点は安心である。

TDR125の前身は1987年に同じベルガルダヤマハで生産されたDT125Z(2VW1)と思われる。このモデルはタンク一体型のフロントカウルをもちDT Tenereとして販売されていた。ライト形状はTDR125(3SH)のような丸目2灯と250(2YK)のような角型ライトの2種類があった。

外部リンク


TDR250(2YK)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 21:12 UTC 版)

ヤマハ・TDR」の記事における「TDR250(2YK)」の解説

TDRシリーズトップモデルであるTDR250は、1987年開催されファラオラリー風間深志によって250ccクラス優勝果たしたマシン原型とし、1988年1月登場同社レーサーレプリカTZR250と同じ水冷2サイクル並列2気筒(1KT)エンジン搭載タンクと一体デザインのボディマウントカウルを装備最高出力TZRと同じ45psを維持しながら、減速比低めにセットし加速性能重視とした。よく整備され車体熟練したライダー組み合わせなら、ノーマルでも0-100km/hは5秒弱をマークできるほどである。ホイールスポークながらF110/90-18、R120/80-17サイズタイヤを履き、前後シングルディスクを装着した。特にフロントブレーキは320mmもの大径ディスクフローティングされたキャリパー更にはオフロードでの使用考慮して、バリアブルタッチブレーキシステムと呼ばれるキャリパーピストンにかかる圧力ブレーキレバー入力比によって変化入力小さい時は圧力小さく入力大きい時は圧力制限キャンセル)させる装置搭載され豪華なものであったオフロードモデル相応し走破性と、TZR譲りの高い動力性能人気博した

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「TDR250(2YK)」を含む「ヤマハ・TDR」の記事については、「ヤマハ・TDR」の概要を参照ください。

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