SSにおいて使用された記号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/29 15:31 UTC 版)
「ルーン文字 (ナチス親衛隊)」の記事における「SSにおいて使用された記号」の解説
記章名称意味概要 ジーク・ルーン(doppelte Siegrune) 勝利・親衛隊 元来は「シゲル(Sigel)」と読み太陽を表していたが、フォン・リストにより勝利の印として再解釈された。 1933年にボンで徽章や記章を製作していたグラフィック・デザイナーのSS大尉ヴァルター・ヘック(Walter Heck)によってSSのシンボルとして採用された。 このシンボルには二重の意味があり、親衛隊の略号である「SS」を示す以外に「勝利、勝利!」というナチのスローガンも表すことができた。 エイフ(Eif) 熱意・情熱 この記号は「エイワズ(Eihwwaz)」のルーン文字を回転し反転させたものである。初期のSSでは、ルドルフ・ヘスといったアドルフ・ヒトラーの個人的な補佐官が使用していた。 ゲル(Ger) 共同体 この記号は親衛隊の共同体精神を象徴するものとして採用された。第11SS義勇装甲擲弾兵師団「ノルトラント」はこの記号を師団章として用いている。 ハガル(Hagal) 信仰 ハガル・アルマネンのルーンは、ハインリヒ・ヒムラーによれば、ナチズムに対する「揺るぎなき信仰」を象徴するものとして主にSSで多く使用された 。この記章は第6SS山岳師団「ノルト」の師団章としても使用されている。 レーベン(Leben) 生命 「レーベンスルーン(Lebensrune)」または「生命のルーン」は、「アルギズ・ルーン(ᛉ)」に基づいており、医療部隊やレーベンスボルンなどで用いられた。「人間・生命」を表すというこの解釈はリストによるものではないが1920年代には早くもゲルマン神秘主義の文献に登場し、後に国粋主義団体やナチ党などでも広く使われるようになった。この記号を上下反転させたものは「ᛦ」死のルーン(Todesrune)となり、SSにおいてこの2つは、それまでの誕生を表す「*」と死を表す「†」に取って代わり、誕生日と死亡日を表すものとして文書や墓石になどに使用された。 オダール(Odal) 家族及び血族・血縁 「オダール・ルーン(Odal rune)」はナチの人種的イデオロギーの理念を象徴しており、原型は「フサルク・ルーン(ᛟ)」から採られた。主に、親衛隊人種及び移住本部によって用いられたほか、第7SS義勇山岳師団「プリンツ・オイゲン」と第23SS義勇装甲擲弾兵師団「ネーデルラント」の師団章としても使用された。 オプファー(Opfer) 自己犠牲 この記号は「ユル(ᛇ)」または「エイワズ(Eihwaz)」を回転させたものであり、1918年以降、「鉄兜団」をはじめとする退役軍人団体や義勇軍によって最初に用いられた。また、この記章はミュンヘン一揆における犠牲者を記念して1923年以降、ナチ党においても採用された。 トート(Tod) 死 「レーベンス・ルーン(Lebensrune)」を上下反転したものである。元来はイチイを意味していた「ᛦ」または「Yr」ルーンに基づいている。SSでは「†」記号の代わりに死亡を表すものとして文書や墓標などに用いられた。 ティール(Tyr) 闘争の指導 Tyrルーンは、北欧神話に登場する勝利と英雄的闘争の神「Týr」にちなんで名づけられ「Tiwaz」のルーンを踏襲している。戦争を連想させることからSSでは「闘争のルーン」と称され、隊員の墓標の十字架の代わりとして用いられた。また、突撃隊では1934年まで「突撃隊全国指導者学校(SA Reichsführerschule)」の卒業章として使用されており、腕章の上部に取り付けられた。またこの記章は、SSの採用及び教育部の職種を示す袖章に用いられたほか、SS士官学校の人員からなる第32SS義勇擲弾兵師団「1月30日」の師団章としても用いられた。
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