RPGコンストラクションツール Dante
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「RPGツクール」の記事における「RPGコンストラクションツール Dante」の解説
1990年2月・MSX2 シリーズの第一作で、開発と発売は『MSXマガジン』名義。従来の簡易型RPG作成ツールと異なり、マップ切り替え・フラグ設定・キャラクターやグラフィックの描画などの機能を備えており、本格的なストーリーの展開やグラフィックをユーザー側で作成することが可能だった。 フロッピーディスク一枚の構成で、システムディスクとゲーム用ディスクは兼用。ゲーム作成用にフロッピーをまるごとコピーするツールが付属していた。ゲーム構成までそのままコピーする完全コピーと、ゲーム部分を初期化したシステムのみコピーする機能があった。 基本はディスク一枚マップ30までの制限があるが、別のゲーム制作用ディスクに続きを作ることで手動ではあるがマップを増やし、ストーリーを長くすることは可能。その際、イベントでディスクを交換するメッセージを組むなどの必要はある。 会話と調べるコマンドは別個に用意されているものの中身は共通で、そのブロックに立って調べるのと、一歩ずれた場所からそのブロックに対して話しかけるのとで同じメッセージ・イベントが起こる。マップの移動なども会話イベントを用いている。 グラフィックは自由に作成出来るものの、BGMはデフォルトで用意されているもの固定。PSGとFM音源(MSX-MUSIC)両対応。PSGの曲とFM音源の曲が両方別個に用意されているが選択は出来ず、FM音源を搭載している機種やFM-PACを増設した環境では、強制的にFM音源楽曲のみの演奏となる。 プレーヤキャラクターはスプライトを使用しているが、使用できる色数に制限がある。これはMSX2のスプライト機能が1スプライトにつき横一列1色という仕様であるが、すべての色を使用できるほどのスプライト数を重ねていないことによる。プレーヤキャラクターは陸地(人型など)と海(船型など)の2種類を作成・使用できる。対してノンプレイヤーキャラクターは背景用グラフィックを使用するため、色数制限がなくパレットの全色を使用可能。反面、ノンプレイヤーキャラクターは向きなどは変えられず、また移動も出来ない。透明色も使えないためキャラクター絵の周囲に背景も一緒に描く必要がある。これは前述のように背景とノンプレイヤーキャラクターに区別がないため。 直接の後継製品である『Dante3』の開発開始が『MSXマガジン』1992年5月号上でアナウンスされた。当初は1992年末発売予定とされたが、発表直後に『MSXマガジン』が休刊、開発も中止となった。『Dante』ではコマンドメニューとステータスメニューが常に表示されていることで、マップ画面領域が狭かったことに対して、『Dante3』では全画面マップ表示になるなどの仕様が予定されていた他、MSX2+からのスムーズスクロールには対応しないであろうことなどが掲載された。『MSXマガジン』の予告ページに掲載されていた『Dante3』の想定画像は、本作のサンプルゲーム『BADOMA』のグラフィックを『ドラゴンクエスト』のフィールドデザイン仕様にしたような外観であった。『Dante3』の開発は中断されたが、予定されていた仕様は後述の『Dante98』に受け継がれた。 サンプルゲーム BADOMA 血塗られた伝説 古代の悪魔・バドマが甦ったランガズム大陸において、八人の主人公パーティーが冒険をする、というもの。一部残虐な表現や悲劇的な展開を含む。
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