Caffè al Bicerin
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 01:06 UTC 版)
「ビチェリン」の記事における「Caffè al Bicerin」の解説
この飲料を初めて提供したのはトリノのPiazza della Consolata(コンソラータ広場)で1763年創業をしたCaffè al Bicerin(カフェ・アル・ビチェリン)という老舗のカフェであり、トリノ最後のカフェとして世界中からファンが訪れている。 また、数々の著名人に愛された店としてイタリアでも有名である。「イタリア統一の三傑」の一人として有名なカミッロ・カヴールはビチェリンに通ったとされている。小説家アレクサンドル・デュマ・ペールは、1852年にBicerinをトリノで見逃せないものの一つと記述している。哲学者フリードリヒ・ニーチェはトリノに住み、ビチェリンのことを気に入り、『アンチキリスト』『偶像の黄昏』『この人を見よ』を書き記した。 イタリア最後の王ウンベルト2世と王妃マリーア・ジョゼは亡命前にここを訪れ、感謝状が店内に展示されている。 またトリノのビチェリン本店は詩人グイド・ゴッツァーノ(Guido Gozzano)、小説家イタロ・カルヴィーノ、映画監督マリオ・ソルダーティに愛されていたと伝わっている。 作家ウンベルト・エーコは、6作目の歴史小説『プラハの墓地』の中でビッチェリンを詳細に描いている。 様々な舞台で活躍するカルロ・カンパニーニや、第一線で活躍する女優や俳優が温かいビッチェリンを店舗で嗜んでいる場面はよく見られる光景で、世間からの視線も浴びていた女優のワンダ・オシリスも喧騒から逃れるためにビッチェリンに通っていた。 世界的な彫刻家でもあり、美術家でもあるマリオ・メルツも常連客の一人だった。当時の美術啓蒙の代表者でもあった彼のお気に入りの席は、入り口の隣にある最初のテーブルであった。 トリノのレージョ劇場で『イピゲネイア』が公演されていた際に、ドイツの振付師兼ダンサーでもあるピナ・バウシュがBicerinを訪れ、前日の公演見に行っていたマリテを驚かせた。 2006年、冬季オリンピックの際は多くの有名人で賑わい、アメリカの大女優スーザン・サランドンも来店。 トリノはチョコレートの町としても有名で、ジャンドゥイアはトリノ発祥のチョコレートとして有名であるが、Bicerinの物は町でも知れ渡っており、観光客からも人気が高い。ジャンドゥイアと並んで北イタリアのクリスマスケーキである『パネットーネ(パネトーネ)』も人気があるようだ。 またトリノの伝統的な焼き菓子である『バーチ・ディ・ダーマ』もBicerinのものが有名であり、2021年にはモンドセレクションで金賞に選ばれているほか、G7伊勢志摩サミットやG20大阪サミットでも、首脳参加国にちなむスイーツとして公式提供された。『バーチ・ディ・ダーマ』アーモンドプードルで焼き上げた焼き菓子にチョコレートを挟んだこの強度菓子がフランスに渡り、現在のマカロンになったといわれている。 イタリア・トリノ本店のほか、日本にも2018年にオープンしている。 https://bicerin.co.jp/
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