CTOL艦上機に関する検討
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 13:51 UTC 版)
「海上自衛隊の航空母艦建造構想」の記事における「CTOL艦上機に関する検討」の解説
海上自衛隊は、2次防において、偵察・攻撃・機雷敷設のためにP6MまたはA3Dの装備を検討したが、MAP供与の見込みがないことなどから実現に至らなかった。その後、4次防では、上記のハリアーのほかに、敵の制空権下で洋上哨戒を行い、艦隊の上空援護や洋上攻撃を行う「高速哨戒機」としてF-4EJを1個飛行隊分(9機から11機)導入することが検討された。更にこの時期には、S2F-1の後継となる小型哨戒機として、当時アメリカ海軍が開発中であったS-3が有力候補とされていた。 これらの機体は艦上機ではあったが、海自では必ずしも艦上運用を想定していたわけではなかったとされる。ただし朝日新聞社社会部の防衛担当記者であった田岡俊次は、海上自衛隊が1980年代までには空母を保有する願望があることに言及しつつ、「将来、(S-3などを)空母に積むつもりなら最初から方針を表明すべき」であり、10数年後に「艦上戦闘機も艦上哨戒機もすでにあります。これを十分に活用するには空母が必要です」との深慮遠謀は、納税者に対して不誠実だと批判していた。なおF-4導入計画は4次防の計画確定直前に突如浮上したものであり、ポスト4次防以降で再び取り沙汰されることはなかった。 なお、旧海軍・海上自衛隊OBで構成された海空技術調査会(保科善四郎会長)は、1972年に出版した『海洋国日本の防衛』において将来の海上防衛部隊の1つとして、主として外洋(距岸100海里以遠)にある外航船舶の対空間接護衛を行うジェット機である、超遠距離対空哨戒襲撃機(PF-X)を12機配備(本土に6機、硫黄島に6機)し、西太平洋における敵性攻撃機の捜索攻撃を行うとしていた。ほか、第1護衛隊群、第2護衛隊群、第3護衛隊群にDDHとは別に対潜空母(CVS)を1隻ずつ配備(計3隻)し、艦載機として対潜空母搭載固定翼機を36機(12機×3隻で36機)とヘリコプターを54機(18機×3隻で54機)導入するとしていた。
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