CPシステムの種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/19 08:07 UTC 版)
CPシステムは大きく分けて3種類リリースされた。 CPシステム(システムボード版) 最も多く生産され、広く使われた。上述の通り、カプコンのサービスにて動作させるゲームソフトを変更可能。「CPシステム」とはほとんどの場合これを指す。 後期の基板ではメインCPUの動作速度が10MHzから12MHzに変更され、DIPスイッチなどの部品レイアウトも多少変更された。判別のため基板のコネクタ部分にCPシステム[DASH]とシールが貼られている。 CPシステム(Qサウンド版) ケースにはCPシステム[DASH]と記載があるが、前述の通り12MHz版を意味している可能性もあり正式名称は不明。メインCPUは12MHz。CPシステムIIの発売と前後してリリース。システムボード版と違い動作させるゲームソフトの変更は不可能。音楽演奏および音声再生部はCPシステムIIと同じQサウンドチップセットに変更され、基板の大部分がプラスチックパッケージに収められている。 CPSチェンジャー 一般家庭向けに通信販売された。CPシステム(Qサウンド版)と同じく基板全体がプラスチックパッケージに収められたゲーム基板部、「CPSチェンジャー」と呼ばれる各種インターフェース部、専用ACアダプターにより構成されている。ゲーム基板部は営業使用できず、家庭向け機器として仕様が変更されている。一部CPシステムII向けゲームソフトも移植された。当時ROMカートリッジをメディアとして使用するネオジオを除く家庭向けゲーム機では技術的問題により、プレイヤーの操作によるキャラクターのアニメーションパターンや画面演出などを細部にいたるまで完全に再現することは困難だったが、基本設計が業務用アーケード基板そのもののCPSチェンジャーでは当然可能だった。しかしリリースされた対応ゲームソフトの少なさと高すぎる定価での販売、および前述の問題点2つが絡み合っての悪循環が起こった上に、当時次世代機と呼ばれたPlayStationとセガサターンの登場により市場価値が著しく減少してしまい、出荷数も少ないまま早々にカプコンはこの商品の発売を中止した。宣伝も一部雑誌での小さな広告や、顧客へのダイレクトメールのみという小規模なものであった。 カプコン発売のスーパーファミコン用ジョイスティック「CPSファイター」の在庫処分も目的の一つだったようで、セット販売も行われた。そのためスーパーファミコン用のコントローラが使用できる。このコンバータ部はスーパーファミコンのコネクタをJAMMA端子にコンバートする仕組みなので、基板の物理的形状がコンバータに刺さりさえすればJAMMA仕様のアーケード基板でスーパーファミコンのコントローラを使える。 価格は初回販売時に『ストリートファイターII’』とセットで34,800円、さらにCPSファイターをセットにしたものが39,800円で、当初はこのセットでの販売しかしていなかった。ソフトは統一価格で1本20,000円、2本で38,000円、3本で55,000円。 当初はCPシステム(CPS-1)用ソフトの移植が主だったが、CPシステムII(CPS-2)用の『ストリートファイターZERO』も、当時CPシステムを在庫として社内の倉庫に抱えていたため、CPシステムの再利用販売を目的に共通基板であるCPSチェンジャー専用の目玉ソフトとして発売している。
※この「CPシステムの種類」の解説は、「CPシステム」の解説の一部です。
「CPシステムの種類」を含む「CPシステム」の記事については、「CPシステム」の概要を参照ください。
- CPシステムの種類のページへのリンク