BMTウェストエンド線とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > BMTウェストエンド線の意味・解説 

BMTウェスト・エンド線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/28 04:19 UTC 版)

BMTウェスト・エンド線
BMT West End Line
D系統が全線を、R系統W系統ベイ・パークウェイ駅から北側を運行する
概要
種別 高速鉄道
系統 ニューヨーク市地下鉄
起終点 9番街駅
コニー・アイランド-スティルウェル・アベニュー駅
駅数 13駅
運営
開業 1916年–1918年
所有者 ニューヨーク市
運営者 ニューヨークシティ・トランジット・オーソリティ
路線構造 高架線(9番街駅のみ掘割)
路線諸元
路線数 3線–6線
軌間 4 ft 8+12 in (1,435 mm)
電化 直流 600V 第三軌条方式
路線図
BMTウェスト・エンド線
9番街駅
(下層階は廃駅)
フォート・ハミルトン・パークウェイ駅
50丁目駅
55丁目駅
62丁目駅
71丁目駅
79丁目駅
18番街駅
20番街駅
ベイ・パークウェイ駅
25番街駅
ベイ50丁目駅
コニー・アイランド-スティルウェル・アベニュー駅
テンプレートを表示

BMTウェスト・エンド線(BMT West End Line)はブルックリン区ボロー・パーク、ニュー・ユトレヒト、バス・ビーチおよびコニ―アイランドを走るニューヨーク市地下鉄Bディビジョンの路線である。各駅停車はD系統が終日全線を運行している。中央に急行線が敷かれた3線の路線で、急行停車駅も3駅あり、ベイ・パークウェイ駅以北で南行のR系統W系統が朝ラッシュ時に数本のみ使用する。

開業前には地上をウェスト・エンド地上線英語版が走っており、これを高架化したのが本線である。ニュー・ユトレヒト・アベニュー線と呼ばれることもあった。

歴史

ウェスト・エンド線は元々はコニーアイランドへの地上路線で、ブルックリン・バス・アンド・コニー・アイランド鉄道英語版(BB&CI)の路線であった[1]デュアル・コントラクツ英語版時代の1913年にニュー・ユトレヒト・アベニュー、86丁目、スティルウェル・アベニューの上を通り62丁目駅に至る高架線が建設され、1916年6月25日に開業した[2][3]。その後、1917年7月21日にコニー・アイランド駅まで全通した。BB&CIが持っていた地上線の路線運行権は維持され、各駅停車で路面電車の運行が行われた。

運行パターン

86丁目の上を通る高架線(ベイ・パークウェイ駅
BMTトリプレックスに描かれた路線標記
運行系統 時間帯 走行区間
終日 全線

この路線は1916年の開業以来、マンハッタン橋を渡りBMTブロードウェイ線の急行線区間へと直通するBMT4番街線の急行列車(1924年に3系統と命名)を運行してきた。1950年代後半には、昼間の列車は4番街線の各駅停車区間とモンタギュー・ストリートトンネルを経由するようになり、深夜および日曜日の運行はコニー・アイランド駅36丁目駅間のシャトル運行となった。1960年代初頭には、急行と各駅停車にそれぞれT系統(IND2番街線のものとは異なる)とTT系統の名称が与えられた。1967年末にクリスティー・ストリート連絡線が開通すると、マンハッタンとブロンクス経由のB系統がコニー・アイランドまで延長され、T系統とTT系統(いずれも4番街線で急行列車として運行)は廃止された。TT系統の深夜および日曜日のシャトル運行は1968年まで続いたが、同年B系統が終日運行に移行したため廃止された。B系統は深夜帯は4番街線で各駅停車として、それ以外の時間帯は急行列車として運行された。深夜運行は1976年に36丁目駅までのシャトル運行に縮小された。

2001年、マンハッタン橋の北側線路の改修工事に伴い、ブルックリンのB系統は新たなW系統に置き換えられた。W系統は深夜帯には36丁目駅まで、週末にはアトランティック・アベニュー/パシフィック・ストリート駅までシャトル運行を行った。2002年、コニー・アイランド-スティルウェル・アベニュー駅の改修工事により、当路線はターミナル駅への唯一の路線となり、W系統は週末と深夜帯に4番街線の各駅停車区間とモンタギュー・ストリートトンネルを経由してマンハッタンまで終日運行となった[4]

2004年、マンハッタン橋の改修工事が完了し、W系統は延長されたD系統に置き換えられた。D系統は全時間帯に橋線を渡り、深夜帯以外は4番街線で急行列車として運行された。ブルックリンのD系統は、1967年以来運行していた(工事中の迂回運行期間を除く)ブライトン線ではなく、ウェスト・エンド線経由に変更された。これは、平日の時間帯以外に2つの短距離路線(B系統とD系統)を運行するのを避けるためである。計画では、B系統はブロンクスで平日にのみ運行し、ブライトン線(旧D系統)はブルックリンで平日にのみ運行することになっていた。つまり、B系統がブライトン線に移行したことで平日のみの運行が可能となり、コンコース線やウェスト・エンド線で深夜や週末に運行していたシャトル列車の運行が不要になったのである[5]

もう一つの運行系統は「ウェスト・エンド短区間運転」で、ロウアー・マンハッタン地区のBMTナッソー・ストリート線62丁目駅またはベイ・パークウェイ駅を結ぶ、ラッシュ時限定の各駅停車列車(4番街線直通)だった。1960年代初頭にTT系統の一部に組み込まれ、1967年に廃止された。

1987年、ブライトン線からウェスト・エンド線(ベイ・パークウェイ駅が終点)に移行したラッシュアワー時のM系統が、事実上この短区間運転の復活となった。1995年までは9番街駅が終点だったが、その後チェンバーズ・ストリート駅まで短縮された。2001年から2004年にかけては、マンハッタン橋の改修工事期間中、一時的に延長運行された。2010年、MTAの予算削減の一環として、ラッシュ時のM系統運行は廃止された。

2025年7月7日より、朝ラッシュ時に南行のR系統1便とW系統2便が36丁目駅からベイ・パークウェイ駅まで急行運転を行うことになり、急行線の定期列車が復活した[6][7]シー・ビーチ線86丁目駅における回送列車の待機でN系統の遅延が頻発していたため、当路線の急行線に経路変更を行い遅延解消を図る狙いがある。

マイルポストの表記

ウェスト・エンド線はBMT Dであるが、運行系統のD系統とは何の関係もない。

駅一覧

地区 駅名 停車列車 運行系統 開業 乗換・備考
BMT4番街線から分岐 (D  R  W )
急行線 始点(定期列車なし)
BMTカルバー線との連絡線(定期列車なし)
36丁目-38丁目車両基地との連絡線(緩行線から分岐)
サンセット・パーク 9番街駅 全列車 D  R  W  1916年6月24日 旧BMTカルバー線との乗換駅
ボロー・パーク フォート・ハミルトン・パークウェイ駅 各駅停車 D  1916年6月24日
50丁目駅 各駅停車 D  1916年6月24日
55丁目駅 各駅停車 D  1916年6月24日
ベンソンハースト 62丁目駅 全列車 D  R  W  1916年9月15日 ニュー・ユトレヒト・アベニュー駅BMTシー・ビーチ線 (N W )に乗り換え
71丁目駅 各駅停車 D  1916年9月15日
79丁目駅 各駅停車 D  1916年9月15日
18番街駅 各駅停車 D  1916年9月15日
20番街駅 各駅停車 D  1916年12月29日
ペイ・パークウェイ駅 全列車 D  R  W  1916年12月29日
25番街駅 各駅停車 D  1916年12月29日
コニーアイランド車両基地への連絡線
グレーブセンド ベイ50丁目駅 各駅停車 D  1917年12月21日
コニーアイランド車両基地への連絡線
急行線 終点
コニーアイランド コニー・アイランド-スティルウェル・アベニュー駅 全列車 D  1918年12月23日 BMTブライトン線 (Q )
INDカルバー線 (F  <F>)
BMTシー・ビーチ線 (N )

ポップカルチャーにて

ウェスト・エンド線は数々の映画やテレビドラマに登場している。

脚注

  1. ^ Opening of the Brooklyn, Bath and Coney Island Railroad, New York Times June 9, 1864 page 2
  2. ^ “Realty Boom Is Predicted for Borough Park Section”. Brooklyn Daily Eagle. (1916年6月24日). http://bklyn.newspapers.com/image/55221837/?terms=subway 2015年9月16日閲覧。 
  3. ^ “Parade, Pageant Mark Celebration: Borough Park Civic Bodies and School Children Join in Festivities: West End Line Opened: First Train From Manhattan Over New "L" Extension of Dual System to Sixty-Second Street”. Brooklyn Daily Eagle. (1916年6月24日). http://bklyn.newspapers.com/image/55221837/?terms=subway 2015年9月16日閲覧。 
  4. ^ A Subway Map Remade, in Hopes of Matching Routes and Riders”. The New York Times (2004年2月20日). 2014年6月9日閲覧。
  5. ^ Manhattan Bridge Service Changes - The New York Times
  6. ^ R Subway Timetable - New York City Transit”. Metropolitan Transportation Authority. 2025年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月7日閲覧。
  7. ^ “BMT Sea Beach Line Service Improvement Pilot”. ERA Bulletin (Electric Railroaders' Association) 68 (3): 5. (March 2025). https://erausa.org/pdf/bulletin/2020s/2025/2025-03-bulletin.pdf 2025年3月30日閲覧。. 
  8. ^ a b Film locations for The French Connection (1971)”. The Worldwide Guide to Movie Locations. 2015年4月7日閲覧。
  9. ^ Opening credits - YouTube

関連項目

外部リンク


BMTウェスト・エンド線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/15 14:00 UTC 版)

62丁目/ニュー・ユトレヒト・アベニュー駅」の記事における「BMTウェスト・エンド線」の解説

ニュー・ユトレヒト・アベニュー駅(New Utrecht Avenue)は相対式ホーム2面4線をもつBMTシー・ビーチ線の駅である。ホームは駅の北側メイン階段越えて延びている。駅の大部分掘割設けられており、ホーム両端トンネルかかっている。ホーム北端には2本の階段があり、終日営業有人改札に出ることができ、ここから高架上のBMTウェスト・エンド線に乗り換えることができる。15番街-63丁目にあるホーム南端には自動改札機設けられている(かつては有人改札もあった)。ホーム北端階段の壁には変わった煉瓦があるが、これはホーム延長時に階段作り直したときの名残である。開業当時エントランスには1本しかホーム行き階段がなかったが、ホーム延長時に煉瓦の壁を設けて階段をT字型に作り直したのであるホームのこの部分2005年アメリカ合衆国国家歴史登録財指定された。 シー・ビーチ線の9駅を改修する計画があり、当駅もマンハッタン方面ホーム2016年1月18日から2017年5月22日まで改修された。2017年7月31日からはコニー・アイランド方面ホーム改修工事が行われ、2019年7月1日終了した

※この「BMTウェスト・エンド線」の解説は、「62丁目/ニュー・ユトレヒト・アベニュー駅」の解説の一部です。
「BMTウェスト・エンド線」を含む「62丁目/ニュー・ユトレヒト・アベニュー駅」の記事については、「62丁目/ニュー・ユトレヒト・アベニュー駅」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「BMTウェストエンド線」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「BMTウェストエンド線」の関連用語

BMTウェストエンド線のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



BMTウェストエンド線のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのBMTウェスト・エンド線 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの62丁目/ニュー・ユトレヒト・アベニュー駅 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS