Aの誘拐計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 14:16 UTC 版)
「正寿ちゃん誘拐殺人事件」の記事における「Aの誘拐計画」の解説
このようにして放火による恐喝に失敗したKは、再び質屋の子供を誘拐して身代金を得ることを考え、恵比寿付近を徘徊した。同日(8月31日)夜、Kは「甲」の前を通りかかった際、店内に同家の長男であるAの姿を見つけたため、Aを誘拐の対象にすることを決めた。 その翌日(9月1日)以降、Kは昼間は「甲」付近の東公園で過ごし、夜も同公園で野宿したり、「甲」の向かいにある旅館に泊まるなどして、Aの動静を探った。その結果、9月4日ごろにはAが広尾小学校へ徒歩で通学していること、その登下校時間、15時ごろに東公園へ遊びに来ることなどを知った。その翌日(9月5日) - 7日ごろまでの間、Kは東公園に遊びに来る子供たちを安心させ、Aに近づく機会を得るため、公園で子供たちと遊んだり、菓子やおもちゃを与えたりした。その間、Kは「遊んでいるAを友達を通じて連れ出し、腹を殴って気絶させた後、タクシーに乗せて旅館に連れ込み、テープで両手足を縛って猿轡を噛ませ、薬を飲ませて眠らせ、鞄に詰めて押入れに入れておき、両親に身代金を要求する」という実行方法を考え、同月7日未明にはスナック店でその犯行の手順や、身代金の使途・犯行後の変装などについて手帳に書いた。 9月8日、KはAの誘拐を実行しようと決め、14時ごろに遊びに来たAや妹B、友達たちと遊び、公園からAたちを連れ出して広尾小方面やその空き地などを連れ回ることで犯行の機会を窺ったが、いつも他の子供がいたり、いざという時に容易に実行に踏み切れなかったりするうち、18時過ぎにAの父Xが迎えに来たため、同日は誘拐できずに終わった。その結果、Kは所持金も少なくなってきたことから焦りを覚え、「友達を使ってAを誘い出すのではなく、通学途中のAを渋谷橋交差点歩道橋付近で襲って因縁をつけ、驚いたところを腹を殴って気絶させて略取しよう」と決意。同時に「もし略取後、Aが騒いだりした場合には刺し殺すか、旅館で絞殺するのもやむを得ない」と考え、同日中に死体を包む大型のポリエチレン袋(縦73 cm×横64 cm)10枚1組を購入。また、国鉄恵比寿駅の一時預かり所に預けてあった自分の荷物の中からくり小刀・布テープなどを取り出し、それらを持って東公園に駐車中の自動車の中で寝た。 9月9日朝、KはAの略取を実行するため、東公園で登校するAを待ち受けたが、Aは母親と一緒に登校していたため、略取できずに終わった。同日午後、Kは再び東公園で他の子供に「友達と会う約束をしている」と話しているAを見つけ、近くのパチンコ店の便所でズボンを穿き替えた上でAを略取しようとしたが、パチンコ店に行っている間にAは姿を消していたため、この時も失敗に終わった。同夜、Kは東公園付近の旅館に泊まり、所持品のうち(繰り小刀など)犯行のため携帯するものとそうでないものとを分けたりして、翌朝の犯行に備えた。
※この「Aの誘拐計画」の解説は、「正寿ちゃん誘拐殺人事件」の解説の一部です。
「Aの誘拐計画」を含む「正寿ちゃん誘拐殺人事件」の記事については、「正寿ちゃん誘拐殺人事件」の概要を参照ください。
- Aの誘拐計画のページへのリンク