5つの火口湖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 15:51 UTC 版)
ウィキメディア・コモンズには、御嶽山の池に関連するカテゴリがあります。 全ての座標を示した地図 - OSM全座標を出力 - KML 表示 1929年(昭和4年)に京都大学地理学者に田中阿歌麿が湖沼の調査を行った。御嶽山には、5つの火口湖があり、一ノ池から五ノ池の名前が付けられている。常に水をたたえているのは、エメラルド色の二ノ池と三ノ池である。二ノ池は日本で最も高いところ (2,905 m) にあるお盆形状の水深3.5 mの湖沼で、集水面積は湖面の数倍あり、ミクリガ池などの飛騨山脈の火口湖と比べて水位の日変化が40 cm程と大きいのが特徴である。昼夜の気温差による雪解け量の差がその原因である。夏でも雪渓が残り、北西斜面の雪渓の雪解け水・天水・伏流水を集め、水位が極端に上昇した場合には、東端にあるニノ池小屋付近から北東に排水される。1979年の噴火活動の際に、ニノ池に大量の硫黄が流れ込み池の水は酸性度が強くなった。周辺の山小屋ではこの湖水をポンプで送水して宿泊者のためのお風呂の水に利用していた時期もある。三ノ池は御嶽山で最大の池で、湖盆の平均斜度14.4度、水深が13.3 m、8月初旬の平均水温が表面で9.7 °C低層で9.5 °Cである。三ノ池畔には荒神と白龍王初春姫大神などの神々が祀られていて、三ノ池の湖水は信者の御神水(ごしんすい)とされている。王滝村御嶽神社里宮御神水とともに「信州の名水・秘水」の一つに選定されている。四ノ池は高層湿原となっていて、小川が流れており、高山植物の群生地となっている。なお、二ノ池北西の斜面の下、賽の河原との間に小さな窪地があり、多雨期には水がたまる。これを六ノ池と呼ぶことがある。賽の河原の西端、シン谷へ落ち込むところに日本最高所の滝 (2,800 m) がある。この谷は兵衛谷となり濁河川と合流して小坂川となって、飛騨川に注いでいる。三ノ池のみにオンダケトビケラ(学名:Pseudostenophylax sp.)の幼虫が生息する。 画像名称標高(m)水深(m)備考座標 一ノ池 2,990 涸れていることが多い (北緯35度53分42.9秒 東経137度28分42.4秒 / 北緯35.895250度 東経137.478444度 / 35.895250; 137.478444 (一ノ池)) 二ノ池 2,905 3.5 日本の最高所の湖沼北東岸にニノ池小屋 (北緯35度53分51.4秒 東経137度28分52.0秒 / 北緯35.897611度 東経137.481111度 / 35.897611; 137.481111 (ニノ池)) 三ノ池 2,720 13.3 湖岸線の延長が705 m湖盆平均斜度14.4度 (北緯35度54分27.1秒 東経137度29分11.3秒 / 北緯35.907528度 東経137.486472度 / 35.907528; 137.486472 (三ノ池)) 四ノ池 2,690 高層湿原から東に沢が流れる (北緯35度54分41.8秒 東経137度29分14.8秒 / 北緯35.911611度 東経137.487444度 / 35.911611; 137.487444 (四ノ池)) 五ノ池 2,790 残雪期と降水後に水がある池の北側に五の池小屋 (北緯35度54分32.5秒 東経137度29分1.3秒 / 北緯35.909028度 東経137.483694度 / 35.909028; 137.483694 (五ノ池))
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