2/3速セミオートマチック仕様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 23:09 UTC 版)
「ホンダマチック」の記事における「2/3速セミオートマチック仕様」の解説
1973年(昭和48年)5月、前年に発売されていたシビックに、ホンダマチック仕様が追加された。これは2速セミオート式で、P-R-N-☆-L の5ポジションであった。走行状況により、1速のLレンジと2速の☆(スター)レンジを手動で選択する。一見、3速フルオート式から2速セミオート式へと技術的に後退した印象があるが、ストールトルク比(トルクコンバータのトルク増大比)を、通常のトルクコンバータ式ATの1.5 - 2.5に対して3と大きく取ることにより、変速比1.000のギアであれば、変速比は(理論上は)3.000 - 1.000の範囲で無段階に変化する事となり、これにより、各ギアで対応する速度の範囲を広くし、頻繁な変速に頼らずに様々な走行条件に対応出来る様にしたことから「無段変速」と称した。 Lレンジは手動変速機の2速相当、☆レンジは4速相当の変速比で、発進から最高速までを☆レンジだけでカバー出来る。Lレンジは大きいトルクが必要な急坂発進や急加速、強力なエンジンブレーキが必要な急坂の降坂の際に使用する。また、変速ショックが無くスムーズであり、自動変速機構を有しないため価格が安かったことなども大きな特徴である。 1979年(昭和54年)にはセミオート式ながら、ODレンジ付(P-R-N-OD-☆-L)の3速へと進化する。これは従来の2速に対し、オーバードライブレシオ(変速比が1.000未満)を追加したもので、アコードを皮切りに、順次、車種ごとに切替えが進み、高速・巡航時の燃費向上と静粛性向上を図った。また、トゥデイ/アクティ等への適用でも、発生トルクが低いため☆レンジが手動変速機の3速程度にローギヤード化され、高速走行用にODレンジが必要であった。 さらに、1983年(昭和58年)には、バラード・スポーツCR-Xの新発売、3代目シビック(ワンダー・シビック)の発売に合わせ、☆、ODレンジでトルコンスリップを制限するロックアップ機構付を追加した。 オートバイでは1976年(昭和51年)に北米でCB750Aエアラが発売され、翌1977年(昭和52年)4月からは日本国内でも販売を開始。1978年(昭和53年)にはCB400Tホークにも搭載されたが、ツアラー的な低速トルク型にデチューンされたエンジン特性が日本のライダーの嗜好に合わなかった事もあり、販売当初から珍車に分類される不人気車で、エアラ、ホーク・ホンダマチック共に1978年限りで販売を終了している。一方、クルーザーなどのゆったりとしたフィーリングのオートバイ文化が根強い北米ではホンダマチック搭載車はそこそこの支持を得て、1979年(昭和54年)からは新たにホンダ・CMシリーズに搭載された。1981年(昭和56年)までは400ccのホンダ・CM400(英語版)をベースにしたCM400Aホンダマチックが販売されていたが、1982年(昭和57年)に50ccボアアップしたホンダマチック専用車であるホンダ・CM450A(英語版)ホンダマチックが登場、翌1983年まで販売された。
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