1952年ベルギーグランプリとは? わかりやすく解説

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1952年ベルギーグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 09:36 UTC 版)

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 1952年ベルギーグランプリ
レース詳細
1952年F1世界選手権全8戦の第3戦
日程 1952年シーズン第3戦
決勝開催日 6月22日
正式名称 XIV GROTE PRIJS VAN BELGIE
開催地 スパ・フランコルシャン
ベルギースパ
コース グランプリ・サーキット
コース長 14.12
レース距離 508.320
決勝日天候
ポールポジション
ドライバー フェラーリ
タイム 4:37.0
ファステストラップ
ドライバー アルベルト・アスカリ フェラーリ
タイム 4:54.0
決勝順位
優勝 フェラーリ
2位 フェラーリ
3位
  • ロベール・マンヅォン
ゴルディーニ

1952年ベルギーグランプリ (XIV GROTE PRIJS VAN BELGIE) は、1952年6月22日にスパ・フランコルシャンで開催されたフォーミュラ2のレース。このレースは1952年のF1世界選手権の第3戦でもあったが、通常適用されるフォーミュラ1のレギュレーションではなく、1952年と1953年はフォーミュラ2のレギュレーションが適用された。

レース概要

マセラティの新型車、A6GCMは準備ができていなかった。これに加え、第一ドライバーのファン・マヌエル・ファンジオがノンタイトル戦のモンツァグランプリで背中に怪我を負っていた。これはフェラーリが再びレースで成功を収められる事を意味した。フェラーリのラインナップはアルベルト・アスカリ(アンドレ・シモンに代わって)、ニーノ・ファリーナピエロ・タルッフィの3名であった。また、2人のプライベイター、エキュリー・フランコルシャンのシャルル・ド・トルナコ と、ルイ・ロジェもフェラーリをドライブした。ゴルディーニもラインナップを補強し、ベルギー人ドライバーのジョニー・クレエ、そしてジャン・ベーラ、ロベール・マンヅォン、プリンス・ビラが参戦した。アメリカ人ドライバーのロバート・オブライエンもシムカ・ゴルディーニで参戦している。HWMはベルギー人ドライバーのペア、ポール・フレールとロジェ・ローランを採用し、レギュラードライバーのピーター・コリンズ、ランス・マックリンと共に4台体制で参戦した。スターリング・モスはHWMからERAにスイッチして参戦。その他に多くのプライベイターが参加し、その中には後のワールドチャンピオン、マイク・ホーソーンクーパー-ブリストルでデビューしている。

フェラーリがフロントローを占め、アスカリがポールポジション、ファリーナとタルッフィがこれに続いた。ゴルディーニのマンヅォンとベーラが2列目、3列目はホーソーン、ケン・ウォートン(フレイザー・ナッシュ)、フレールが並んだ。フレールは5名のベルギー人ドライバーの中で最上位であった。

雨の中スタートしたレースでタルッフィは大きく順位を落とし、第1ラップの終わりには9位に沈んだ。一方ベーラは2台のフェラーリを追い抜き、レースをリードした。モスもスタートに成功したが、第1ラップの途中で車が故障し1周もせずにリタイアとなった。ベーラのリードは短命に終わり、2ラップ目にはアスカリとファリーナに追い抜かれる。この両者は残る周回、1-2を保持したままレースを終えた。13ラップ目にタルッフィがベーラを抜き、ベーラは4位となった。次のラップでタルッフィはマルメディでスピン、ベーラがこれに衝突し両者ともリタイアした。マンヅォンはホーソーンを抜いて3位となり、ホーソーンは燃料漏れの問題を抱えながらも4位でレースを終えた。ポール・フレールが5位に入ってポイントを獲得した[1]

アスカリの勝利(ファステストラップも)と、タルッフィのリタイアにより、両者はタイトル争いにおいて9ポイントで並ぶこととなった。インディ500勝者のトロイ・ラットマンが3位、ファリーナは2位に入賞したことでランキング4位に浮上、ポイントリーダーから3ポイント差の位置に付けた。

エントリーリスト

No ドライバー チーム コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
2 ニーノ・ファリーナ スクーデリア・フェラーリ フェラーリ フェラーリ・500 フェラーリ Type 500 2.0 L4 P
4 アルベルト・アスカリ フェラーリ フェラーリ・500 フェラーリ Type 500 2.0 L4 P
6 ピエロ・タルッフィ フェラーリ フェラーリ・500 フェラーリ Type 500 2.0 L4 P
8 マイク・ホーソーン レスリー・D・ホーソーン クーパー-ブリストル クーパー・T20 ブリストル BS1 2.0 L6 D
10 アラン・ブラウン エキュリー・リッチモンド クーパー-ブリストル クーパー・T20 ブリストル BS1 2.0 L6 D
12 エリック・ブランドン クーパー-ブリストル クーパー・T20 ブリストル BS1 2.0 L6 D
14 ロベール・マンヅォン エキップ・ゴルディーニ ゴルディーニ ゴルディーニ・T16 ゴルディーニ 20 2.0 L6 E
16 ジャン・ベーラ ゴルディーニ ゴルディーニ・T16 ゴルディーニ 20 2.0 L6 E
18 ジョニー・クレエ ゴルディーニ ゴルディーニ・T16 ゴルディーニ 20 2.0 L6 E
20 プリンス・ビラ シムカ・ゴルディーニ シムカ-ゴルディーニ・T15 ゴルディーニ 1500 1.5 L4 E
22 ルイ・ロジェ エキュリー・ロジェ フェラーリ フェラーリ・500 フェラーリ Type 500 2.0 L4 D
24 ランス・マックリン HWモータース HWM-アルタ HWM 52 アルタ F2 2.0 L4 D
26 ピーター・コリンズ HWM-アルタ HWM 52 アルタ F2 2.0 L4 D
28 ポール・フレール HWM-アルタ HWM 52 アルタ F2 2.0 L4 D
30 ロジェ・ローラン HWM-アルタ HWM 52 アルタ F2 2.0 L4 D
32 スターリング・モス イングリッシュ・レーシング・オートモビルズ Ltd. ERA-ブリストル ERA G ブリストル BS1 2.0 L6 D
34 シャルル・ド・トルナコ エキュリー・フランコルシャン フェラーリ フェラーリ・500 フェラーリ Type 500 2.0 L4 E
36 ケン・ウォートン スクーデリア・フラネラ フレイザー・ナッシュ-ブリストル フレイザー・ナッシュ FN48 ブリストル BS1 2.0 L6 D
38 アルスール・レガー アルスール・レガー ヴェリタス ヴェリタス・メテオール ヴェリタス 2.0 L6 E
40 ロビン・モントゴメリー=チャーリントン ロビン・モントゴメリー=チャーリントン アストン-バターワース アストン・NB41 バターワース F4 2.0 L6 D
42 トニー・ゲイズ トニー・ゲイズ HWM-アルタ HWM 51 アルタ F2 2.0 L4 D
44 ロバート・オブライエン ロバート・オブライエン シムカ・ゴルディーニ シムカ-ゴルディーニ・T15 ゴルディーニ 1500 1.5 L4 E
Sources:[2][3]

結果

予選

順位 No ドライバー チーム タイム
1 4 アルベルト・アスカリ フェラーリ 4:37.0 -
2 2 ニーノ・ファリーナ フェラーリ 4:40.0 + 3.0
3 6 ピエロ・タルッフィ フェラーリ 4:46.0 + 9.0
4 14 ロベール・マンヅォン ゴルディーニ 4:52.0 + 15.0
5 16 ジャン・ベーラ ゴルディーニ 4:56.0 + 19.0
6 8 マイク・ホーソーン クーパー-ブリストル 4:58.0 + 21.0
7 36 ケン・ウォートン フレイザー・ナッシュ-ブリストル 5:01.0 + 24.0
8 28 ポール・フレール HWM-アルタ 5:05.0 + 28.0
9 10 アラン・ブラウン クーパー-ブリストル 5:07.0 + 30.0
10 32 スターリング・モス ERA-ブリストル 5:07.6 + 30.6
11 26 ピーター・コリンズ HWM-アルタ 5:09.0 + 32.0
12 12 エリック・ブランドン クーパー-ブリストル 5:11.0 + 34.0
13 34 シャルル・ド・トルナコ フェラーリ 5:14.5 + 37.5
14 24 ランス・マックリン HWM-アルタ 5:17.1 + 40.1
15 40 ロビン・モントゴメリー=チャーリントン アストン・バターワース 5:19.3 + 42.3
16 42 トニー・ゲイズ HWM-アルタ 5:22.8 + 45.8
17 22 ルイ・ロジェ フェラーリ 5:25.7 + 48.7
18 20 プリンス・ビラ シムカ・ゴルディーニ-ゴルディーニ 5:28.4 + 51.4
19 18 ジョニー・クレエ ゴルディーニ 5:31.1 + 54.1
20 30 ロジェ・ローラン HWM-アルタ 5:37.9 + 60.9
21 38 アルスール・レガー ヴェリタス 5:45.0 + 68.0
22 44 ロバート・オブライエン シムカ・ゴルディーニ-ゴルディーニ 5:51.0 + 74.0

決勝

順位 No ドライバー チーム 周回 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 4 アルベルト・アスカリ フェラーリ 36 3:03:46.3 1 9
2 2 ニーノ・ファリーナ フェラーリ 36 +1:55.2 2 6
3 14 ロベール・マンヅォン ゴルディーニ 36 +4:28.4 4 4
4 8 マイク・ホーソーン クーパー-ブリストル 35 +1 lap 6 3
5 28 ポール・フレール HWM-アルタ 34 +2 laps 8 2
6 10 アラン・ブラウン クーパー-ブリストル 34 +2 laps 9
7 34 シャルル・ド・トルナコ フェラーリ 33 +3 laps 13
8 18 ジョニー・クレエ ゴルディーニ 33 +3 laps 19
9 12 エリック・ブランドン クーパー-ブリストル 33 +3 laps 12
10 20 プリンス・ビラ シムカ-ゴルディーニ-ゴルディーニ 32 +4 laps 18
11 24 ランス・マックリン HWM-アルタ 32 +4 laps 14
12 30 ロジェ・ローラン HWM-アルタ 32 +4 laps 20
13 38 アルスール・レガー ヴェリタス 31 +5 laps 21
14 44 ロバート・オブライエン シムカ-ゴルディーニ-ゴルディーニ 30 +6 laps 22
15 42 トニー・ゲイズ HWM-アルタ 30 +6 laps 16
リタイア 40 ロビン・モントゴメリー=チャーリントン アストン・バターワース 17 エンジン 15
リタイア 6 ピエロ・タルッフィ フェラーリ 13 アクシデント 3
リタイア 16 ジャン・ベーラ ゴルディーニ 13 アクシデント 5
リタイア 36 ケン・ウォートン フレイザー・ナッシュ-ブリストル 10 スピン 7
リタイア 22 ルイ・ロジェ フェラーリ 6 トランスミッション 17
リタイア 26 ピーター・コリンズ HWM-アルタ 3 ハーフシャフト 11
リタイア 32 スターリング・モス ERA-ブリストル 0 エンジン 10

  • 1952年ヨーロッパグランプリとしても開催された
  • 初表彰台:ロベール・マンヅォン

第3戦終了時点でのランキング

順位 ドライバー ポイント
1 ピエロ・タルッフィ 9
41 2 アルベルト・アスカリ 9
1 3 トロイ・ラットマン 8
26 4 ニーノ・ファリーナ 6
2 5 ルディ・フィッシャー 6
  • :トップ5のみ表示。ベスト4戦のみがカウントされる。

参照

  1. ^ Belgian GP, 1952 Race Report”. Grandprix.com. 2012年8月15日閲覧。
  2. ^ 1952 Belgian Grand Prix - Race Entries”. manipef1.com. 2012年5月9日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2013年12月15日閲覧。
  3. ^ 1952 Belgian GP - Entry List”. chicanef1.com. 2013年12月15日閲覧。


前戦
1952年インディ500
FIA F1世界選手権
1952年シーズン
次戦
1952年フランスグランプリ
前回開催
1951年ベルギーグランプリ
ベルギーグランプリ 次回開催
1953年ベルギーグランプリ
前回開催
1951年フランスグランプリ
ヨーロッパグランプリ
(冠大会時代)
次回開催
1954年ドイツグランプリ


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