13あらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 08:16 UTC 版)
「ラヴクラフトとダーレスの合作作品」の記事における「13あらすじ」の解説
1927年秋、フランスから帰国したジェフリー・コレイは、インズマス南部の海辺にコテージを借りて引っ越す。インズマスには親戚のマーシュ家が住んでいたが、それほど親しいわけでもなかったので、あえて自分が近くに引っ越してきたことを告げることはしなかった。インズマスの人々の間では、世捨て人のマーシュ一族について、ひっきりなしに噂が立っており、コレイはしばしば耳にすることになったと、12月に訪問してきたジャックに語る。 ところが翌年2月に突然政府の手入れが入る。マーシュ家の者数名が連行され、またマーシュ家が所有する倉庫が残らず爆破される。さらになぜか沖合の岩礁<悪魔の暗礁>に、海軍が戦艦から爆雷を投下したのだが、この爆発による大波で、浜に「特殊な青色粘土」の岩屑が打ち上げられる。コレイはこの青粘土を材料に、新作<海の女神像>を作り始める。またコレイは夢からインスピレーションを得ていた。どうやらコレイは眠ったまま無意識でも作り続けていたようであり、覚えのない変化や模様がつけられたり、湿り気を帯びたりしている。後の夢では、全裸の女がベッドに忍び込んできて熱烈に愛し合ったり、海底を泳いで都市を幻視する。いくら眠っても疲れは取れないが、女神像は完成した。3月なかばに訪問してきたジャックが見た像には、首に鰓のようなものがあり、指の間には水かきがついていた。 コレイは自分の家系を調べるためにインズマスに赴き、ジャックも同行する。インズマスでは、先月の政府役人による爆破の後始末はほとんどされていなかった。2人は酒場で、アーキンス老人に酒を差し入れて、話を聞きだす。曰く、先月役人がやって来たあとマーシュ家の者たちはあらかたどこかへ消えてしまったという。連れて行かれなかった者たちは、みな海に飛び込んでしまったという話だが、水死体は一つとして上がらない。そこまで話したところで、アーキンス老人は突然怯えて逃げ出す。コレイには理由がわからなかったが、ジャックは老人が彼の「耳の肉垂れ」を見たせいではないかと察し、彼を嫌な気持ちにさせまいと言わずにおく。翌日、ジャックはニューヨークへと帰る。 3月18日、コレイは「濡れた女」が眠っている自分と同衾しているのではないかという痕跡に遭遇し、混乱する。19日、女神像が盗まれ、なくなる。20日、首の鰓で呼吸しながら海中を泳ぐマーシュ一族の夢を見る。21日、首のあたりが痛くて眠れず、起きて浜に出ると、海から誘われているような気がしてくる。そしてコレイは、素足で海へ向かう足跡が残して失踪する。コレイは書置でジャックを管財人に指名しており、日記には最後の一ヶ月の出来事が記録されていた。 4月17日の夕刻、ジャックがボートでインズマスの沖に出てみたところ、鱗の生えた人間のようにも見える生き物たちを目撃する。そのうち2体がボートに近づいてきくる。青っぽい粘土のような色をした方が雌で、明るい色の方が雄のようだ。雄はもの言いたげな目でジャックを見た後に、海に潜って姿を消す。去り際にそいつはガラガラと絞り出すような奇妙な声を立てたが、その音は「ジャック!」と呼びかけているようでもあった。ジャックは、そいつの顔と鰓が、ジェフリー・コレイと耳の肉垂れであることをはっきりと視認する。
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