1000形車両(1号車〜18号車)

昭和52年(1977年)の地下鉄開業当初より走り続けている、最も古株の車両です。
まだまだ抵抗制御全盛の時代にありながら、全車に自動可変界磁形の電機子チョッパ制御
と回生ブレーキを採用、当時の最新技術が惜しみなく投入されました。
設計から30年以上を経た今でも、最新型車両と互角に張り合える高性能省エネ電
車です。
また、地下鉄の車両として日本で初めて全車にクーラーを装備したことでも有名です。
これらの点を評価され、昭和52年のローレル賞を受賞しています。
開業当初はわずか4両×6編成の24両でスタートしましたが、その後順次車両数を増やし、昭和62年(1987年)までに合計108両が製造されま
した。
その全てが現役で運用されています。
現在、西神・山手線(みどりのUライン)を走る車両は後輩格の2000形、
3000形を含めて全部で168両ですから、1000形車両は車両数堂々1位
の「最大勢力」です。
乗務員室

運転士は左手に主幹制御器(マスコンハンドル)、右手にブレーキハンドルを握って操作します。
右上には、車両の状態や故障部位を運転士に知らせる「機器監視表示盤」がついています。
1000形制御更新車について
1000形車両に、実は「改造車」があることをご存知ですか?
元来、1000形車両を走らせる「主電動機(モータ)」には、直流電動機が
用いられてきました。
直流電動機は制御が簡単で使いやすいのですが、ブラシ、整流子という摺
動接点があるため、
保守に手間がかかります。この欠点を解決するため最近では構造がシンプルな交流誘導電動機
を用いるのが主流になってきています。
平成10年(1998年)、1000形1号車に大改造が施されました。古くなった直 流電動機と チョッパ制御装置を取り外し、3000形と同じ 交流誘導電動機とVVVF インバータ制御装置に載せ替えたのです。 加えてブレーキ装置も3000形と同じもの(遅れ込め制御 )に更新されました。また、併せて、つり革の増設、床面の張り替えなど、車内のリニューアルも行われました。
つまり、1000形1号車は、外観こそ従来の1000形とほとんど変わりませんが、足回りは3000 形 と同じ最新型に履き替えているのです。例えて言うなら、古い自動車の車体はそのままにして、エンジンを最新型に載せ替えたようなものです。
この制御更新は、その後も毎年行われ、平成19年12月現在で1〜11号車の11編成が既に制御更新済みとなっています。 1000形は全部で1〜18号車の18編成ありますから、実に1000形車両全体の半数以上が既に、「制御更新車」なのです。
これら「制御更新車」は、外観からは区別しにくいのですが、「音」を聴けば一発でわかります。
VVVFインバータ制御装置を積んでいるので、3000形
と同じ独特の音がしますよ!
(注:この情報は2008年1月現在のものです)
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