電車との連結運転用装備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 15:47 UTC 版)
「国鉄EF63形電気機関車」の記事における「電車との連結運転用装備」の解説
双頭型両用連結器自動連結器側(上)密着連結器側(下) 軽井沢側ジャンパ連結器(2次形)◆最上段◆KE63形栓受◆2段目◆KE66形(左)キハ57系用KE63形(中)総括制御用KE63形(右)総括制御兼165系用◆3段目◆KE70形(左)協調制御用KE53形(中)キハ57系用KE76形(右)115系用◆4段目◆KE62形2基 キハ82系用 MC35A形主幹制御器 当区間の運転はすべて横川側に連結される本形式に乗務する機関士が担当する。以下で解説する装備を搭載する。 双頭型両用連結器 本形式には日本で初めて電車と連結する軽井沢側に連結器頭部を横方向に76°回転させることで、密着連結器との連結を可能にした双頭型両用連結器を装備した。本連結器の採用により、従来は異なる連結器を持つ車両を連結させる場合は中間連結器(アダプター)の用意あるいは控車の連結を必要としていたが、連結器の高さの調節が可能でこれらの措置が不要となった。 連結運転時に本形式から電車の踏面ブレーキを操作するため機関車からブレーキ管(BP)が連結器を介して接続される。 ジャンパ連結器 多様な形式と連結する必要からそれぞれに対応する各種ジャンパ連結器を軽井沢側助手席下側スカートに装備する。また軽井沢向きとなる下り列車では、前方の安全・信号確認は先頭になる電車運転士が担当するため連絡回線も内蔵する。 協調運転装置 当初の電車列車は本形式による牽引・推進運転のみで最大8両編成までの制約から慢性的な輸送力不足が浮上したため本形式と同調した制御が可能で最大12両編成までの組成を可能とした協調運転機能を持つ169系・189系・489系の各系列が開発され、本形式にも対応する装置ならび協調制御指令用KE70形ジャンパ連結器が追加搭載された。 協調制御は本形式のMC35A形主幹制御器から電車側各電動車ユニット主制御器を介して主電動機の制御を行う。協調運転対応可否・電動車ユニットの状態・横軽スイッチの確認が本形式運転台表示灯により可能である。なお横軽スイッチは、牽引・推進運転で対応する形式にも装備されており、協調対応の169系・189系・489系では協調運転設定を兼ねるほか、通過対応電車側に装備された本スイッチを投入するとATS信号受信は本形式側で行う設定になる。上り勾配(下り列車)では主幹制御器の逆転機スイッチを後進力行位置にして、本形式と電車側各電動車ユニット主制御器を介して主電動機の制御を行う。また定格速度の違いから電車側では並列段を使わず189系・489系では直列制御3段目以降最終段まで常に70%までの、169系で直列最終段以降50%までの弱界磁制御を行い同調させる。 下り勾配(上り列車)では主幹制御器の逆転機スイッチを前進発電ブレーキ位置に切替えて抑速ブレーキノッチとして機能させることで、本形式主電動機による発電ブレーキと電車側各電動車ユニット主制御器を介して主電動機による抑速ブレーキの制御を行う。その際には、より高い安全性を要求される観点から電車側主電動機の抑速ブレーキ発生電流が100A以下もしくは故障した場合には空気ブレーキを併用するが、250A以上となり効果が充分な状態になると空気ブレーキは開放される。
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