開局前まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 08:22 UTC 版)
岩手県におけるANN系列は1969年開局の日本テレビ系列のテレビ岩手(以下TVI)が担った。TVIには読売新聞、朝日新聞の資本が入り、日本テレビ系列(読売系)とテレビ朝日系列(朝日系)のクロスネット局となった。 TVIは、当時番組の視聴率が良かった日本テレビに編成の比重を移していく。1979年9月には『アフタヌーンショー』が打ち切られるほか『ナショナルゴールデン劇場』(1979年まで松下電器産業の一社提供)と『特捜最前線』がTBS系列の岩手放送(現IBC岩手放送、以下IBC)へ移動。1979年12月には『モーニングショー』が、1980年3月には『おはようワイド・土曜の朝に』のネットがそれぞれ打ち切られた。朝日新聞・テレビ朝日の資本は残るものの、1980年4月にはテレビ朝日系列を脱退し、NNN/NNSフルネット局となり、クロスネット状態を解消した。当時、民放2-3局地域は多くの地域でクロスネット局が存在していたが、岩手県からは比較的早い時期にクロスネット局が消滅することとなった(東北地方では宮城県に続いて2県目)。 TVIはその後テレビ朝日系列の番組を一つずつ購入して放送することとなったが、系列を脱退した影響もあって、放送する番組の数は更に激減。ABC制作番組(『必殺仕事人』や一部のアニメ番組など)を残すのみとなり、テレビ朝日制作番組はアニメ番組のごく一部を除き放送されなくなる。テレビ朝日系列の番組の大半(主にスポンサードネット番組)は、IBCが引き受ける形となった。 結果、1980年4月以降は全国で唯一テレビ朝日系同時ネット番組が皆無の県となる。『モーニングショー』→『スーパーモーニング』に関しては岩手県が唯一放送されない県となり、テレビ朝日系列平日正午台の番組に関しては、当初からの未ネット地域である山梨・徳島の2県同様、放送されない県となった。一方TVIはテレビ朝日系の番組を減少させたかわりに『笑っていいとも!』などのバラエティ番組やフジテレビ系アニメ、さらにテレビ東京系の番組など、フジテレビ系やテレビ東京系の番販ネット枠を大幅に増やすことになる。 なお一関市など宮城県に近い県南地域では仙台方面にアンテナを向けて東日本放送(KHB)を遠距離受信していた世帯があった。またCATV局の花巻ケーブルテレビ、北上ケーブルテレビ、和賀有線テレビ(後に北上ケーブルテレビに編入)、水沢テレビなど県南のCATV局では在仙民放テレビ4局のうち東日本放送(KHB)と仙台放送(OX)を区域外再放送しており、特に一関ケーブルネットワークでは在仙4局全てをIAT開局まで区域外再放送していた。 1991年4月にフジテレビ系の岩手めんこいテレビ(mit)が開局し、これまでフジテレビ系に割り当てられていた番組枠が大幅に空くとTVIは若貴人気による相撲ブームに乗る形で『大相撲ダイジェスト』を放送開始。その後『ミュージックステーション』、アニメ『美少女戦士セーラームーン』と、テレビ朝日制作の番組が相次いでTVIで放送が開始される。しかしTVIは既にNNN/NNSフルネット局となっていたため、クロスネット時代のような同時ネットはなく、深夜や週末のローカル枠での放送となった。同様にIBCも、フジテレビ系の放送枠が空いたことに伴い、テレビ朝日の番組枠が増加していった。一方、mitでのテレビ朝日系番組の放送は東北ブロックネット番組と再放送番組にとどまった。 IAT開局を半年後に控えた1996年4月の時点で、『あまから問答』(内閣府提供)などネットスポンサーが入った番組を除き、ほとんどのテレビ朝日系の番組(特に最初からネットスポンサーが無かった番組販売扱いの番組)が、既存局の編成から姿を消した。
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