野外での料理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 10:13 UTC 版)
オーストラリアには都市の外に広がるブッシュやアウトバックに思い入れのある人間が多く、屋外での料理はオーストラリア人の得意とするところと言われる。オーストラリアを代表する料理にバーベキューを挙げる人間も多い。オーストラリア独特のバーベキューの食材にはカキを詰めたステーキ肉(カーペットバッグ・ステーキ)、少量のブランデーをたらして焼いたクルマエビ、獲れたての魚のアルミホイル包み焼きなどがある。 キャンプ・オーブン(ダッチオーブン)はアイルランドの農民の間で青銅器時代から使われていた大鍋のコールドロンが基になっていると考えられている。キャンプ・オーブンの蓋は鋳物でできており、蓋の上に置き火を乗せるとオーブンとして使うことができる。無発酵パンであるダンパーはキャンプに欠かせないもので、起源はアボリジニの料理、あるいはアイルランドのソーダブレッドにあると言われている。オーストラリアの伝統的なパンであるダンパーはスワッグマン(英語版)やドローバー(英語版)、あるいは旅人の食事として作られていた。ダンパーと同種のパンには、やや小型のジョニー・ケーキあるいはスコーン、ビスケットと同程度の大きさのデヴィル・オン・ザ・コール、テニスボール大の塊を茹でたシンカーがある。油で炒めたジョニー・ケーキはレザー・ジャケットと呼ばれる。 キャンプではビリー・カンで煮出した紅茶が淹れられ、大量の砂糖が入れられる。 肉類は手軽に調達できる牛肉や羊肉が使われ、アウトバックに生息するカンガルーやウサギの肉は特別な機会の料理に使われていたと考えられている。野菜類はかつてはジャガイモ、マメ類、タマネギが主であり、冷蔵技術の発達によって使用される野菜の種類も増えつつある。味付けのほとんどは塩とコショウで、香辛料や香草は臭いが強い獣肉や手の込んだ料理に使われる程度である。肉や魚介類の料理にはベーコンが調味料として加えられることもある。料理の名前には工夫が凝らされ、ブッシュの職業、歴史的な地名、意表をつく比喩が料理名に使われている。
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