返還後の自衛隊基地設置と海上自衛隊の駐屯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 23:01 UTC 版)
「硫黄島 (東京都)」の記事における「返還後の自衛隊基地設置と海上自衛隊の駐屯」の解説
復帰後の硫黄島は、海上自衛隊管理の硫黄島航空基地が設置され、島内全域がその基地の敷地である。このため基地に勤務する自衛隊員以外は島に立ち入ることが禁止され、島を住所や居留地として生活する者はいない。必要に応じて、飛行場等の整備・改修工事を行う防衛省北関東防衛局職員及び建設業者等の作業員、並びに遺骨帰還事業を行う厚生労働省職員等の立ち入りが許可される。 本島は、潮風や硫黄による腐食が激しいため、基地施設等の補修が常時行われており、作業に従事するこの建設業者の住宅施設が存在する。海上自衛隊が火山観測を行なっており、国土地理院と気象庁の職員も、定期的に観測のために来島している。1970年代後半には防災科学技術研究所の観測点が設置され、以降地震観測が継続されている。島には「硫黄島食堂」という食堂があり、自衛隊員とアメリカ軍兵士の食事のために24時間運営されている。防衛弘済会によって運営されるが、年2回の在日米軍の夜間連続離着陸訓練時期には、30名ほどの一般短期アルバイトが募集され、自衛隊基地より空路で上陸する。 火山活動による隆起が非常に激しいため、硫黄島に港を築港することができず、船積みのボートが着けられる程度の小さな波止場(桟橋)しか存在しない。その関係で大型船舶は少し沖合いに停泊せざるを得ず、航空機で運べないような重量物は、おおすみ型輸送艦を使い、艦載のLCACで海岸から少し内陸のところにある揚陸施設に揚陸させる。航空燃料や軽油などは、沖合いに停泊した民間タンカーから、揚陸施設へと長大ホースを伸ばして補給を行う。 硫黄島への宅配便・郵便物は、硫黄島の住所を記載しても届かない(日本郵便においても「交通困難地」に指定されている)。隊員の家族への仕送りや、外部から業務用の資材や郵便物は、自衛隊が指定した基地へ一括搬入することになる。
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