返還後の子の監護者不在問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 15:27 UTC 版)
「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」の記事における「返還後の子の監護者不在問題」の解説
本条約で子が常居所国に返還された後、誰も子を監護をせず、子が施設に入れられるケースが発生し問題となった事案がある。オーストラリアで暮らしていたオーストラリア人とスイス人の夫婦(Mr. Russell Wood and Mrs. Maya Wood-Hosig)の事件(Wood事件と言われる)で、オーストラリアで離婚後、スイス人の元妻が10歳と8歳の子をスイスに連れ帰り、本条約により子はオーストラリアに返還されたが、オーストラリア人の元夫は子を引き取ることが出来ず、子はオーストラリアの施設に入れられてしまったという事件である。その後、スイス人元妻の訴えにより、子はスイスの元妻に再度返還されている。 スイス政府はこの事件を受け、子を返還しなくても良い例外を定める本条約第13条(b)項の「耐え難い状況(intolerable situation)」を解釈して、このような場合に返還を認めない方針を打ち出している。
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